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伊丹空港にハマる?!

▪️そもそも…

実家が泉州にあった事から、関空が開港した頃、短波やエアバンドも入るラジオを購入して時々管制塔の音声を自宅で聞いてたことが有りました。

その後、そのラジオも使わなくなり、全く忘れてたんです。
でも今働いてるのが、真上を伊丹へ着陸する飛行機が頭上を通るところに有りまして、音が聞こえてくると時折見上げるようになりましてね。
んで、たまたま見上げた時、真っ黄色の大型機が通過したんです。

何じゃこりゃ〜?! 

すぐ検索したら、ANAのスターウォーズ特別塗装機だと分かりました。C-3POモチーフだから金色ならぬ黄色なんですね。面白い。

そもそも子供の頃、宮崎への家族旅行で乗ったボーイング737に興奮して飛行機に興味が湧いた時期が有りまして、ラジオ屋時代でも、B747、A320、MD91など時々乗ってました。

特に新潟時代の最初半年は神戸でも週末の生放送1本が残ってたので週一で伊丹と往復してました。

そんな訳で、全く乗らなくなった今でも、例えば大阪城公園に散歩した時は、天守閣の向こう、OBP上空を飛ぶ飛行機は必ず見上げたり。でも、よく乗ってた頃とは飛行機のラインナップも全く変わってブランクを感じてたりもしました。

▪️YouTubeから…

で、久々に飛行機熱が復活したところで、YouTubeに「伊丹空港ライブカメラ」なる動画を発見したんです。何種類か有って、表紙にも出した、宝塚の山の上のお天気カメラを使った超望遠映像とか、蛍池方向の街中から横位置で映したものとか、空港ターミナルビルから映すものとか。

やはり気に入ったのは、山の上から滑走路を縦位置で映すものでした。

しかしコレは音声無し。で、横位置映像には管制塔とパイロットの交信を乗せていました。コレが臨場感抜群。

家の4Kテレビで縦位置映像を見ながら、iPadで横位置映像の音声を聞くと、リアルに離陸、着陸の様子が分かります。

また管制官とパイロットがどういう交信をしてるのか解説した動画も見つけたので、少々勉強すると、どういう動きがこの後あるのか?分かるようになります。

そして、スマホには、飛行機がどの位置を飛んでいるのか?リアルで地図上に示すアプリも色々有って、それを見ながら離着陸を眺めると面白い面白い!

元々鉄道好き、乗り物好きですが、飛行機の場合、鉄道と全く違う部分が有ります。

ソレは定時運行と線路。

▪️不安定性の魅力

日本の鉄道の場合、秒刻みの定時運行が当たり前。数分遅れただけでもお詫び放送がされたりします。しかし飛行機の場合、運行時間が前後するのは当たり前。乗客が遅れたり、機材(違う飛行機)の都合で遅れたり、滑走路の混雑で遅れたり、さらに天候によっても遅れたり。そして鉄道は決まった線路しか通りませんが、飛行機の場合、例えば着陸機が混雑してると上空で旋回したり、風向き次第では大回りして滑走路の反対側から下りたり。

つまり、毎日ライブカメラで観察していても、全く同じパターンはほぼ有りません。ソレがゲリラ豪雨とか、先日有ったような管制システムトラブルとか有れば、ドタバタ大会になります。
ソレを管制官が見事に捌き、パイロットは横風にも負けずバチっと着陸させます。面白い!

あと伊丹空港の場合、独特の「足枷」も加わります。それは「門限」。
自分が子供の頃から伊丹空港といえば「騒音問題」がよくニュースに取り上げられました。そのため、今でも朝7時から夜9時までに運航時間が制限されてします。

▪️門限

普段仕事場上空を眺めたら、朝7時半ちょっと前に羽田からの大型機2機が通過するのが通常ですが、たまに小さめの飛行機が先に通過して「??」となってました。
実は、午後9時の門限が有るという事は、門限に間に合わない飛行機が出てくる事があります。この夏はゲリラ豪雨も各地で有りました。首都圏で降られても乱れるし、現地伊丹周辺や大阪中心部、奈良盆地で荒れても影響が出ます。そうすると、午後8時台は出発も到着も殺到して大変!中には門限に間に合わない飛行機も出ます。
ニュースにもなりましたが、福岡で国際線が間に合わず帰国しちゃった。。。という事も稀に出ます。
伊丹の場合、現在、関空、神戸3空港一体で運営されているので、伊丹の門限に間に合わない飛行機は、関空に着陸を変更することになります(マニアの間では「島流し」と言うそうです)。
だから本来、伊丹で一泊させた飛行機を翌朝早朝の便に回すのですが、関空から伊丹へ回送させる為に、定期便の合間に飛ばせるんですね。それが朝見上げた小さな飛行機だったんです。

という事で、伊丹空港ライブカメラを見ていて面白いのが午後8時台。門限を睨みながら、管制官とパイロットが奮闘すること姿が面白いんです。

普段なら8:30過ぎに最終便を見届けられますが、時には8:50を過ぎたりしてハラハラ。天候不良などの影響が有る場合は、会社(ANAとかJAL)単位で申請を出して、門限破りが許される場合も有りますし、元々「条件付き」フライト(門限に間に合わない場合は関空へ着陸)とすると場合もあります。
そういうのも管制電波で交わされたりもします。普段英語での交信なのが、そういう時、日本語で交わされるのを聞くのも面白いです。

そうやって、伊丹空港の奮闘にハマるウチに、もっとエアバンドを聴きたくなり、新たにラジオを購入しました。
でも、家がマンションなので、家の中ではなかなか聞こえない。。。

そこで、休みの日、いざ!直接伊丹空港へ出かけました。

▪️空港周辺をウロウロ

まずは地下鉄とモノレールを乗り継いで伊丹空港へ。飛行機に乗る用事無しに空港を訪ねたのは初めてです。

いきなり!C3POが!

伊丹空港には見学デッキがターミナルビル屋上にあります。昔と違って、庭園風にアレンジされ、ベンチも有って、週末の昼前から賑わってます。

SDG's塗装機
黄色の隣に緑。

普段ライブカメラ映像で見るのと違って、エンジン音までリアルに間近に楽しめます。耳にはラジオで管制官の声も聞きますから、どんな便がどの滑走路を下りて何処に停まるのか?分かります。イイですねー。

IBEXの飛行機

さて、伊丹空港周辺には名物展望スポットが幾つかあります。そこへ行ってみます。滑走路の反対側なのでバスを使います。伊丹市営バスは30分に一本程度なので、先にターミナルビル内で昼飯。と思ったら、旅行客で何処も行列。取り敢えず入りやすい店で海鮮丼を食いましたが、割高ですねぇ。。。

さてさて、バスに乗り、滑走路を潜るトンネルを出たところの停留所で下車。徒歩数分で着くのが、伊丹スカイパーク

伊丹空港の滑走路は2本有って、ターミナルビル側が短いA滑走路。そしてスカイパーク側が長いB滑走路。大型機はこのB滑走路を使うので、迫力満点です。

緑も多くて広々
離陸する後ろ姿も間近
連続でシャッター押してしまいます。

週末で大変賑わってました。マニアの人たちは巨大なカメラを三脚に乗せてかたまってましたが、普通の家族連れ、子供連れもピクニック気分で楽しんでます。

お気に入りのC3PO、行って帰ってきましたがな。伊丹空港に着いてもう3時間以上か。

このB滑走路、長さが3000m。って事は半分でも1.5キロか。多分スカイパークの端から端まで歩いて1キロくらいでしょうか?場所によって色んな飛行機の格好を眺められます。バス停に近い北側は離陸、南側は着陸する姿が間近です。

でも、もっと間近に見たい!そんな方は、聖地へどうぞw

▪️千里川土手 

B滑走路の真南にある、小さな川の土手なので、な〜〜んにも無い、草むらに囲まれた狭い所なんですが、飛行機マニアの聖地として知られています。

これまた、望遠レンズを据えたマニアだけでなく、家族連れ、子供連れ、アベックさんw  など賑わっています。

もうね、iPhoneのカメラの限界を感じましたよ苦笑。ソレでも、この迫力ですからね。頭上スレスレを着陸してくる姿はきっと興奮しますよ。

まぁ自分の場合、スポッター(空港周辺で飛行機自体を撮影するマニアさん)というより管制運営マニア的な方なので、あまり深入りせず、夕暮れつるべ落としで早々に立ち去りましたw

▪️管制無線

飛行機を安全に誘導する管制官は、それぞれ手分けしています。

グランド
正に地上。スポット(搭乗口)からプッシュバック(前輪に力持ちの自動車を付けて飛行機を押してバックさせる)からタキシング(誘導路を自走)までを担当。到着はその逆。

タワー
誘導路から滑走路へ。そして離陸までを担当。到着は着陸から誘導路離脱まで。

アプローチ、ディパーチャー
離陸してから空港周辺上空管制区域までがディパーチャー、その逆がアプローチ。高速道路で言えばインターチェンジ担当。

レーダーコントロール
高速道路で言えば本線を担当。

こういった担当をリレーするように一機の飛行機を離陸地から着陸地まで安全にエスコートしてゆきます。
それぞれに周波数が違うので「次の周波数はコレなのでチャンネル変えて下さい」と管制官はパイロットに伝えてお別れします。

だから、1つの飛行機の動きを、周波数を変えながら追うのも面白いです。
が、自分の場合は、まだ専門用語も余り分からないし、空港での捌きを見てる方が面白いので、今は大抵「大阪タワー」専門で聞いています。

伊丹空港へのアプローチは通常、信貴山上空辺りで角度を整えて、北西方向に伊丹へ向けて真っ直ぐ飛びます。
ILS(計器着陸装置)という誘導電波で伊丹の滑走路へ誘うこの段階で、関西アプローチから大阪タワーにバトンタッチされます。
大阪平野に入ると飛行機から「関西アプローチに言われてチャンネル変えたよ。こんちわぁー」と挨拶されるとタワーからは「今の所、何事も無いからそのまま来ておっけーよ。⚫︎マイル手前まで来たらまた連絡ちょー」。その後
「⚫︎マイル手前まで来たよ。状況いかが?」「風はこんな感じだし、着陸許可出しまーす」。そして着陸すると「着陸乙〜、A滑走路横切ってね。到着スポットまでは、大阪グランドにバトンタッチしまーす」「おおきに、さいならー」。
そんな感じがパターンです(笑)。

飛行機側は、所属会社と便名を、発信時は頭、受信時はお尻に付けるので、少し聞き逃しても確認しやすいです。
管制官からの指示があるとパイロットは復唱するので、それも分かりやすい。まぁ人によって発音も違うし聞き取りにくい人もいますが、少しずつ慣れてきますね。

コレを聞き取れるようになると面白さももっと増えそうです。自分はまだ早口だと聞き取れません。

▪️火祭り?!

日々、ライブカメラのチャットで先輩諸氏とコミュニケーション取っていて「はい??」と思ったのが「火祭り」というワードです。「明日は来れませんけど、火祭りは参加しまーす」とか呟いてました。
即検索したら有りました。

最終便を見届けた後、空港の滑走路はメンテナンスタイムに入ります。その中で、夜間照明設備のメンテナンスとして点灯テストをする訳ですが、月一回はMAX照度で付けて確認する事が有ります。ソレがとても美しいので、マニアの皆さんは「火祭り」と呼んでいます。

今週の火曜日(9月26日(火曜日))がその日でしたが、この夜は右側のB滑走路のみの火祭りでした。

明るさの違いわかりますか?

因みに普段の夜間照明↓

綺麗ですよね。千里川土手から見ても美しいそうです。間近だから、さぞかし照明がキレイなんでしょうね。

まぁ火祭りでなくても、毎晩、最終便の後、ピカピカタイムが有ります。
PAPI(Precision Approach Path Indicator) の点灯です。
飛行機が夜間に無事到着出来る為の誘導灯で、角度が合えばちゃんと見えるピカピカ照明です。
そのPAPIを点灯させるテストを毎晩やっていて、宝塚の山の上のカメラから丁度訳見えるんでしょうね。

実は伊丹空港、普段は南側(32L、32R)からの着陸がほとんどですが、極たまに、強風が南東方向から吹く時は、滑走路の北側(14L、14R)から着陸することになります。

その為、普段使わない14側は毎晩照明の点灯テストをしてるんでしょうね。

あ。そうそう。
コレもハマってから知ったんですが、滑走路番号の数字って角度の事だそうです。真北を36(360度=0度)として時計回りに10、20、30と増えます。真東が9、真南で18、真西が27となります。だから伊丹の場合、南側から入る角度が真北から時計回りにグルっと320度の北西向き、北側(宝塚の山をかすめて曲がりながら着陸する方)から入る角度は140度で南東向き。。。というわけです。

コレは他の空港でも同じ。
だから、空港の近くで迷子になった場合、滑走路番号が分かれば、離着陸する飛行機の方向を参考に自分がいる場所から向かうべき方角を推測出来るんですね。面白いですね。

いや、色々奥深い。

まだ暫くは、飛行機・空港とエアバンドにハマりそうでーす。

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