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ラジオなのにSHOW

鋭い人なら、お察しでしょう(苦笑)。

昨日から首都圏のラジオはスペシャルウイークという定期試験(笑)が始まりました(一部を除く)。より多くのリスナーに聞いてもらおうと特別ゲストを迎えたり豪華なプレゼントを用意しているようです。

そんな大事な日に大々的にスタートしたのがニッポン放送の午後新生ワイド「ナイツ ザ・ラジオショー」。

前番組「DAYS」を僅か1年半で切り上げての改編です。

昨日の初日”試し”に通して聞いてみました。
配置は少し変わったもののスポンサードの枠は「DAYS」と変わりないようです。なので、真っ白・ゼロからではなく、首をすげかえたという事で、生ワイド改編でよくあるパターンです。

冒頭、素でのトーク開始。もぞもそ…としたナイツ独特の喋りが続き、数分経って思い出したかのように月曜パートナーの平野ノラを紹介。でも3人わいわいというよりは、ナイツの2人が探り探り(恐る恐る?)喋りながら、平野が遠慮がちに合いの手を挟む…といった感じ。
何度となく、土屋さんがオープニングテーマを出したがって塙さんが「まだだ」と止める…というやりとりもありつつ、開始30分近くなってやっとオープニングテーマ。ほっとしたかのようにメニュー紹介から交通情報へ。
1時台後半は「銘鳥銘木(めいちょうめいぼく)」コーナー。昔のお座敷遊びを採り入れたリスナー参加型ネタコーナーで、元々はナイツの亡き師匠:内海桂子さんのネタだそう。ノラさんも試しで参加しますが…最初から脱線ネタでダメ出しを食らいました。
2時台、手前の番組パーソナリティ:ベテランの高田文夫さん(放送作家)をゲストに迎えると、安心したかのような3人。ゲストなのに完全に仕切って高速トークを展開。この時間だけは、3人のキーも高くなったみたい。
3時台、五輪関連コーナーのパケを挟んでエンディング。次番組の辛坊治郎氏とのクロストークでも辛坊さんのリードに翻弄される内に終了時間を迎え、バタバタのうちに吸い込みとなりました。

ナイツといえば土曜のTBSラジオで4時間の生放送をやっています。

こちらは、来月で丸5年を迎えるということで、すっかり安定しています。

基本的なトークのテイストは同じのはずですが…聞いた感じの不安定感。初回だからなのか?そうじゃないのか?は、暫く聞いてみないと分かりませんが、明らかに2人共、やりにくそうでした。

土曜の方は、2人と共に局アナの出水さんが出演し、基本的な進行は全て彼女が担当しています。今回スタートした「ザ・ラジオショー」では2人と一緒に出演するのは曜日替わりの女性芸人。なので、基本の進行は土屋さんが担当しているようです。初回でも、所々で”迷子”になって焦っていました。

基本、東西に関わらず…タレントさんがメインを張る生ワイドの場合、お目付け役として局アナが脇を固め、進行を担当します。コレは、タレントさんに伸び伸びとトークしてもらい、実力を発揮してもらう為と「何か」ミスった場合のフォローの為。この番組には、その拠り所が無い。もちろん、放送作家さんが付いてるはずなので、いざという時は頼りにできるはずですが。

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気になったのがこの写真。手元の原稿が少ない。。。もしかすると、ベースの進行以外、2人のフリートークに委ねているのかも?
「平日の午後にお笑いを届ける」コンセプトだそうなので、その為かも知れませんね。ただ、平日帯2時間半×4日間=10時間ですから、結構な負担です。何より冒頭30分、BGM無しで丸々フリートーク。2時間半で楽曲無し。余程のベテランでない限り、ネタ無しだと厳しいでしょう。

比較対象にするには無理が有るかも知れませんが、この日の次番組「辛坊治郎ZOOM」のオープニング15分、辛坊さんは…当日の台風や遠く離れた東京でも不安定な天気だったこと。前日東京泊だった奥さんが帰りの新幹線が運転見合わせに遭遇して大変だった事など交えて、淀みなく、笑いを交えて展開していました。

といったように、フリートークといえども、ラジオパーソナリティというのは日々の出来事をストックして「ネタ」として準備することが大事です。無策で出来るはずが無い訳です。
さらにいえば、日替わりパートナーの平野さん自身、レギュラーのラジオ経験が無いということで、合いの手以外に突っ込んでくるトークがほぼ無かった。コレは厳しいでしょう。

恐らく昨日も、放送後はある程度の反省会は開かれた事と思います。
今日、その改善が見られれば良いのですが。

昨日のゲスト、高田さんが登場した第一声で「暗い」と言っていました。
そして終始、テンション高く、昔の話などを交えて率先して話題を展開して盛り上げました。一番危機感を持っていたのが高田先生だったんじゃないでしょうか。「スペシャルウイークにぶち当てて開始となった新番組、その重大さをお前ら、分かってるのか?」という無言の叱咤激励と受け取りましたが、如何だったでしょう。

ラジオに向き、不向きというのでいえば、個人的にナイツは向いてないと思っています。よく言っている”意識のベクトル”がリスナーに向いてない。向いてなくてもリスナーの意識を吸引するオーラがあれば成立しますが、その引力もそれほどない。そういうタレントさんを誘導するのは放送作家の存在です。何かで読んだ事が有りますが、かつて、たけしさんのANNで、構成を担当していた高田文夫さんが欠席した回、その時のたけしさんはボロボロだったそう。

同じタレントが出る2つの番組で、これほど違いが出るのも、放送作家の違いに出てるのかも知れません。

個人的に好きなアイドル、ももいろクローバーZは、週3本のレギュラーラジオ番組を持ちますが、3本共、4人の様子は全く違います。TFMでは真面目だし、ニッポン放送は伝統のアイドルトーク、文化放送は、大きな揺さぶりを掛けられて毎回素が出てフニャフニャです(笑)。

素材の持ち味を活かすも殺すも料理人次第…

それは放送作家だけじゃなく、ディレクター、プロデューサー、もしかするとADさんもそうかも知れません。あのヤホー漫才の抜けた雰囲気、肩の力が抜けたナイツの良さが活かされる事を期待して、暫く観察したいと思います。

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