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【ラジオの原稿】本当にソレで広告効果出ますか?

まずはこちら。

※radikoのエリアフリー、タイムフリーからのリンクなので、7月11日以降は聞こえなくなると思います。御了承下さい。

先程、お目覚めに毎週末聴いてる朝の生放送でたまたま聴いたコーナーです。埼玉に特化した情報を伝えるスポンサー枠です。ゲストに迎えた方は自治体のスタッフさん。所謂「素人さん」ですからある程度は目をつぶって聞くとして、会話が辿々しいし、御座います調の喋りが気持ち悪くないですか?

ラジオで聞いてて、つんのめった方も居られたでしょう。その感覚、普通です。

実は、こういうパターンは結構多くて、全国のラジオでよく見掛ける(ラジオだから「耳にする」か)事例です。

その要因は何か?

ズバリ!用意された原稿です。

通常、ラジオの生ワイドの原稿というのは、喋り手(パーソナリティ)がプロの場合、フリートークが軸になるので、番組の流れだけをガイドして『ココではコレについてトークを』という指示と、デッド(守らないといけない締めるべき時刻)が示されています。
だから、意外な展開やハプニングで笑えたり、喋り手の想いが伝わって面白い訳です。

では、違和感あるトークのコーナーでは?
用意される原稿は、大抵、喋りのやり取りが全て台詞として書かれた「台本」形式なんです。
例えば、ラジオショッピング。
例えば、企業を迎えて新商品などをPRする。
例えば、自治体についての広報枠。
共通するのは、スポンサーが付いていて、リスナーにアピールする「商品」「事柄」がハッキリ決まっていて「(商品名、価格、発売期日など)間違ってはいけない内容」が明確であること。

なので、普通の原稿を用意するのがディレクターや放送作家、ラフな場合はADであるのに対して、こういう完全原稿の場合は、営業部員や広告代理店の担当、またその指示で書くだけの番組スタッフということになります。

まず、スポンサー側から代理店や営業に依頼が来ますよね。そこで、商品や企画の内容について聞きます。その「売りポイント」を炙り出した上で原稿案を作成してスポンサーのチェックを受けます。そうして修正され、決定稿が上がります。
決定稿は、余程のことが無い限り、一言一句、変えられません。 
なので、放送現場に下りてきたら、そのまんま読むしか無い訳です。

質疑応答のトーク形式の原稿だと、迎えるパーソナリティはプロですから、違和感無いように、普通のトークのように質問や受けを出来ますが、語る方の一般人ゲストは大変ですよ。数人を前にアピールする普段の現場とは全く違う密閉されたスタジオブース、マイクの前で、有名人を至近距離に見て、電波の向こうには何万人というリスナーに向けて語るんですから。そりゃガッチガチ!そして上司や代理店の人に指示されてるのは「一言一句間違うな」w  結局、パーソナリティの笑顔を見る余裕無く、目の前に用意された完全原稿を「間違わず読む」事だけに集中するという事になります。
聞いてる方は、違和感しか無い。極端な場合、何についてのPRか?頭に入らず、違和感トークの様子だけしか印象に残らない事も多々あり。。。

でも、ブースを出てきたら「良かったよかった」と拍手で迎えられます(苦笑)。

本当に良かったんでしょうか?
広告効果、出たんでしょうか?

▪️パブ原稿の作り方の提案
営業ゲストだけでなく、パーソナリティ自身が営業案件について読んだりするこういうモノを、パブ(パブリシティ)と呼びます。

上で述べたように、殆どの場合、営業スタッフや広告代理店さんの担当者が作成します。

我々番組サイドは放送のプロですから、リスナーに対して最大限効果が出そうな技を持っているのですが、パブ原稿は、プロでは無い人が作成し、自分たちは、一切、手を加えられない中で送出する訳で、諦めしか無いんですね。

「もっとこうすれば、面白くなるのに」
「もっとこう書けば、効果上がるのに」
そういう想いを心に秘めて放送している事、実際書いてる皆さんはご存知でしょうか?

そこで、提案したいのです。

放送局の営業部員、広告代理店のスタッフの皆さんには、担当、配置決定した際に「放送原稿作成」についての研修を受けて頂きたい。いっその事こと、年1回とか定期的に研修を実施して頂きたい。
例えば。。。全く初歩的な部分で見れば「約4万人」という言葉は放送原稿では使いません。「やく」が「ひゃく」に聞こえがちだからです。4万と104万はエラい違いですから。
そういう原稿が下りてきた時「約」に赤ペンで×して「およそ」とルビを振ります。

そういう事も、営業や代理店の皆さんは知らないと思います。

もっと言うなら。。。
パブ案件が舞い込んだ時、提案が通った際には、現場のスタッフを巻き込んで欲しい。相談して欲しいです。喋り、原稿書きのプロにしたら「餅は餅屋」ですから、より効果が出るアイデアや、リスナーさんに面白く聴かせる為の原稿についてアドバイス出来るし、(余裕有れば)書く事も出来ます。(余裕無い人が多いですから、実際は添削になるかな)

以前の記事でも書きましたが、何処の局でも有るレポート中継コーナーでも、インタビュー対象の人がロボットみたいな話し方で「変だな」と感じた経験有るリスナーさんも多いと思います。アレと上記同様、完全台本の場合が多いです。本社から店長に「今度、店頭で中継有るから宜しく」と指令が有って、出るのが嫌だったりすると「あの子、声が可愛いし店でも看板娘だから」と白羽の矢が立った店頭スタッフさんが御指名を受け、出演してる事、多いです(苦笑)。

中には見事にハキハキ、お客に応対するのと変わらない明るい調子で出演されるスタッフさんも登場して「この子、レポーターになったら人気出そうやな」とスタジオで思う事も有りますが。。。稀ですなw

まぁそんな訳で、現場のプロだけで無く、毎日聞いて耳の肥えたリスナーの皆さんもよく聞いてるので、完全原稿の違和感は、しっかり持ってる筈です。

それだけテレビより売り方が難しいメディアだとも言えます。だからこそ、一つの案件についての聞かせ方に、もっと皆んなで尽力すべきだと思います。クライアントへ最大限の効果をもたらす為に。

耳は馬鹿に出来ませんよ。。。敏感です。

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