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ももクロと地域振興

以前、春一(春の一大事)の時期にも記事を書きました。↓

「春一」についての説明はこちらをご覧ください。でですね。トップの写真ですが、現在彼女たちは、このほどリリースしたニューアルバムのお披露目ツアーの真っ最中です。

と書けば、普通のアーティストとなんら変わりない活動なんですが、それとはひと味もふた味も違うんですよね。
通常、ドームクラスでも満杯になるアイドルですから、それなりの「大バコ」でツアー日程を組む筈なんですが、違うんですよ。1000とか2000レベルのキャパの小屋は勿論、もっと小さいキャパの、県庁所在地とは全く離れた小さな都市の公民館などもラインナップに入ってるんです。

その感じだと達郎さんもやってるよ。
そういう声も聞こえそうです。
確かに達郎さんもそう。でもそれは音に拘る性格から来ますよね。
そこともまた意味合いが違うんですね。

例えば。。。自分ちの近くで言えば大阪府守口市。

キャパ数百の小さなホールですよ。
んでね。一般のチケットとは別に地元枠(守口市民限定チケット)なんてのも販売しました。
さらに、地元企業とのコラボグッズ販売なんてのも出ました↓

公演当日は、京阪守口市駅前の広場で市が主催するイベントも行われました。

当日の模様

所謂モノノフ(ももクロファン)とは全く違う一般市民が多数来場してましたね。

でね。
上のリンクページとか、よ〜く観察すると、気付きませんか?ももクロのオフィシャルの画像がバンバン使われてますよね。公式のロゴもコラボ商品に使われてますよね?これ、勝手に使ってる訳じゃないんですね。ももクロの事務所(スターダスト・プロモーション)が、どうぞお使いくださいと無償で提供してるんですね。太っ腹ですね。

実は今回のツアーの中、大都市圏以外のこういった地方都市公演は、元々「春の一大事」(春シーズン恒例のイベントライブ)開催都市として立候補してくれた自治体の中から、春一には漏れたけど熱く手を挙げてくれた所から選ばれています。

だから、ツアーよりも以前から、事務所とのコミュニケーションを取っていた所な訳です。だから規模こそ小さいながらも、手と手を取って一緒に盛り上げましょうという姿勢から実現した公演です。

地方都市として、全国各地からの「モノノフ」を歓迎し、地元民と一緒に盛り上げて、好きになってもらう。ももクロサイドは、全国各地からのモノノフと共にその地方都市を盛り上げる。そして好きになる。そういうwin winな企画です。

▪️地域密着アイドルとの違い

こう書いてくると、あのアイドルたちを思い出しますね。名古屋とか大阪とか福岡とか新潟とか。。。常設小屋を持って普段からライブを見せつつ、楽曲リリースは全国区っていう。

地元出身をメインに沢山のメンバーをオーディションで揃えて、その都市に住みながらライブを行い、地元メディアに露出したり、地域のイベントに出演したり、企業とコラボして盛り上げる。

雰囲気はよく似ています。

いや、その時だけ来訪するスタイルのももクロよりも関わりは強くなる筈です。

自分も新潟に住んでた身なので、よく分かります。でもぶっちゃけ、地元の人たちは、Negiccoの方に親しみを持ってた印象です。
新潟市中心部の万代に常設小屋は有りましたが、よく行ってるって声は余り聞きませんでしたね。

多分、その土地に入り込む事でアイドル文化を根付かせる狙いが有ったんだと思いますが、そこに乖離が生じたんじゃないでしょうか?
勿論推す人たちは熱く推してましたよ。
でもメンバーたち、運営の人たちの意識のベクトルは、東京、全国に向いてたんだと思います。
だってグループに加わっただけで、人気者確定じゃないですか。地方都市を本拠地を置いていたとしても、同様のユニット間での競争となれば、マーケットは全国区です。目は外に向きますよね。
だって人間だものw

一方、今回のももクロ。
元々は東京本拠地、元から全国区のアイドルです。そのメンバーたちが、一回の公演で小さな地方都市に来訪するだけです。普通なら、それで終わりです。
ただ、スタダという事務所は変なプロダクションですね(褒めてる)。
アー写使ってOK、ロゴも使ってOK、色んなコラボ商品作ってOK。そして、PRの為にメンバーを無償で稼働させます、市長(町長)にもご挨拶しに行きます。全国的にアピールします。
そういう姿勢です。
大きなイベントとなる春一になれば、大々的に数ヶ月前から何度も訪れて、地元商店、企業にも挨拶回りしたり、ライブのPRでスーパーのイベント広場とかにも出たりします。

そうこうしてると、地元民たちも気持ち的に受け入れてくれます。今度あの子たちのライブでモノノフさんたちが全国から来てくれるんだってー。なんて井戸端会議が。。。いざ当日、地元民に歓迎されたモノノフたちが感激してお金を落として行きますわな。これまた、モノノフの紳士的な姿勢は全国的にも知られていますから、地元民にも好感触。 win  win  winですな。

過去、春一が開催された都市は、今もモノノフたちには聖地として繰り返し訪れる人も少なく有りません。いわゆるリピーター。

▪️全ては笑顔のために

そもそも、こういったスタイルが実現したのは、ももクロ黎明期がきっかけです。スタダという事務所はアイドルを手掛けた経験が無かった為、彼女たちを売り出す際はゼロから試行錯誤でした。お金が無いから、代々木公園の歩行者天国の道端でライブを始めました。CDを出すと言ってもお金も無いから、ワンボックスに彼女たちを乗せて、当時有ったETC全国均一割引を利用し、親会社の家電量販店の全国の店先でライブを行なって回りました。マネージャーがプロレスファンだから、何かにつけて格闘技的な演出を無理矢理やらせました。バラエティ畑の演出家を付けて、多種多様なタレントとコラボさせました。

そんな「なんでもあり」な土壌で育った彼女たちは、そりゃ強くなります。表裏無く、礼儀正しく、全力投球。なによりも、水着などのセックスアピール演出を一切させませんでした。
その結果、所謂コア層に留まらず、老若男女の支持を集める事に成功。そこが、客の姿勢のよさにも繋がっています。
芸能界でも、大御所といわれる大ベテラン達からも可愛がられる存在に。

どんな所でも分け隔て無く活動出来る土台。
どんな年齢層にも対峙できる包容力。
そして。。。
一番の軸は「笑顔」。
2014年3月16日、旧国立競技場ライブ2日目の最後の挨拶でふとリーダー百田夏菜子の口から出た言葉です。
「みんなを笑顔にするという部分で天下を取りたい」。
それまで、急速に売れてライブのキャパが倍々に膨れていったももクロ、しかし、この名台詞の瞬間、本人達も事務所側も向かうベクトルが変わりました。
数字的に売れるより、より多くの人を笑顔にする。その為にはどう動くか?自分達の企画はヒトを笑顔に出来るのか?
指標が明確になった事で、他所には無い活動へと展開が変わりました。

もう既に彼女達も20代後半、というより30代間近。でも全くブレる事無くももクロは続きます。何故なら、より多くの人たちを、いや、目の前に居る僅かな人たちを笑顔にするために。目の前の笑顔が拡散すれば、自ずと笑顔の輪が広がる。そう信じてるから。

信じる事ほど強いモノは無いです。

それはモノノフも。

まぁ騙されたと思って一回聞いてみて下さい。

あかんわ。ももクロネタで書くと、どうしても贔屓した中身になるなぁ(苦笑)。

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