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映画歳時記〜夏

今日は台風7号で大騒ぎの関西ですが、8月15日といえば「終戦の日」。

何故か毎年この日になると見たくなる映画が有ります。

▪️日本のいちばん長い日(8月15日)

1967年版のスチール

大宅壮一(本当は半藤一利)原作のノンフィクションを岡本喜八監督が映画化した1967年の東宝作品。その後、2015年に原田眞人監督が再映画化しましたが、やっぱり見応え有るのは前者。
東宝創立35周年作品という事で、錚々たるオールスターキャストで描かれた1945年終戦の日のインサイドストーリーです。なんといっても三船敏郎演じる阿南陸軍大臣の存在感が秀逸。
全編暑苦しいったら無いw 夏だから当たり前ですけどね。

黒沢年男がわめき過ぎて何言ってるか?分からない部分も有りつつ、若い陸軍将校たちの何処にもやり場の無い気持ちも、余りにも大きな責任を背負った内閣の大臣たちの苦しみもしっかり描かれています。女性が新珠三千代さんくらいで批判も有ったようですが、コレだけ描く部分が多い訳で、映画としての省略では、コレで正解だったような気がします。

一番好きな場面は、葉巻のところかな。

▪️サマータイムマシンブルース(8月20日)

踊るファン、ももクロファンとしては、本広克行監督作品を選ばない訳がないw

踊る大捜査線シリーズの大ヒットで燃え尽きたww本広監督は、その後、演劇にハマります(それが「幕が上がる」にも繋がる訳ですが)。そんな中、ヨーロッパ企画、そしてこの作品と出会った訳です。
瑛太、上野樹里、真木よう子、佐々木蔵之介、ムロツヨシといった、今ならギャラどうなんねん?と思うキャスト、その若き時代を楽しめます。
メイキングを見ると、クランクイン前に合宿して、ワークショップを行なったそう。舞台的な芝居の息を身に付ける目的で、同様の事は「幕が上がる」の際も、ももクロメンバーたちに受けさせています。
その成果が本編に現れていて、ホンマに同じ部活のメンバーのようです。
勿論、ヨーロッパ企画による原作舞台の脚本の凄さも有るので、一度見ただけでは頭の中で咀嚼出来ないかもw
取り敢えず今日(8月20日)と昨日(8月19日)を行ったり来たりします。メモ帳持参で見る事を推奨しますwww  
何よりも猛暑の夏休み、冷房の効かない部室の暑苦しさが手に取るように感じられて、きっと汗ばみます。そして自分の学生時代の「あの夏」に帰りたくなります。

▪️クライマーズハイ(8月12日)

言わずと知れた日航機墜落事故。その時の地元の地方新聞社での奮闘を描いた作品。横山秀夫さんの原作、NHKドラマ版とよく比較されますが、自分はこの原田眞人監督による映画版しか観てないので、そこは省きます。

リアリティ重視の原田監督らしく、新聞編集部の内側描写や、台詞回しの密度の濃さに圧倒されますが、その意味が分からなくてもしっかり味わえます。

日航機事故がどうとか、事故原因がどうとか、そんなのはネタの一つでしかなく、主題で描かれているのは主人公の心の中。現代の谷川岳登山や、疎遠になった息子との関係を交えて構成してるので、ぱっと見分かりにくい映画では有りますが、極めて人間臭い物語です。

チェック、ダブルチェック。

心に残る言葉です。

因みにロケに使ったオフィスビル、冷房無しだったそうで、でんでんさんが汗ばみながらランニングシャツ姿で団扇を煽ぐ姿、アレは本当の暑さだそうです。って事は、涼しい顔で演じてるネクタイ姿の編集部幹部連中、怒鳴り合う場面は相当辛かったでしょうね。
終始太々しい蛍雪次郎さんの、競輪話に興じる姿が愛くるしくて一番印象に残りましたw

という、夏の暑苦しさを感じる夏の映画3本。冷房の効いた部屋で見るもよし、冷房を切って汗だくで見るもよし。
是非「その日」に見て欲しいです。

次の歳時記はクリスマスかなぁ。。。

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