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認知症の人のケア環境アセスメントPEAPについて

参考・引用文献:児玉桂子他2009「認知症高齢者が安心できるケア環境づくり」彰国社

 認知症の人のケア環境のポイントは何か、PEAP(環境評価尺度、Professional Environmental Assessment Protocol )の視点から知ることができます。 
 PEAPは、アメリカにおける認知症高齢者のスペシャルケアユニットに関する研究のなかで1996年に作成されたもので、日本版が作成されています。それを紹介します。
 8つの視点があります。
 ①見当識への支援
  環境的な工夫によって、見当識障害から生じる心理的な混乱や不安が生じないように、刺激や空間配置に配慮しましょう
 ②機能的な能力への支援
  生活者として認知症高齢者の方の自立が促進される環境的工夫をしましょう
  ③環境における刺激の質と調整
  認知症によって、外界からの情報や刺激の処理に困難が生じるようになるため、その人にとって「適切」な刺激かを確かめましょう
 ④安全と安心への支援
  認知症の人にとって安全、安心な日常のために、見守りと危険の回避を組み合わせましょう
 ⑤生活の継続性への支援
      
日常生活における残存能力を活用。個人的なものの所有にみられる個性化、非施設環境の構築、行動様式とライフスタイルの継続性、が重要とされる
 ⑥自己選択への支援
  
変化するニーズに対する融通性、個人の自由さ、行動の柔軟性が当然の権利であるという理念が背景にあることで成立する支援である
 ⑦プライバシーの確保
  
一人になれる時間や場所の確保と同時に、ほかの入所・入居者との交流がはかれること
   ⑧ふれあいの促進
  
集まりやすいスペースづくり、ソファーを囲んだ話しやすい配置の工夫、なごむ小道具の存在など、意図的に計画された準備により十分に確保される要素

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