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3万円の50mmと30万円の50mmを撮り比べたら泣きたくなった

少しカメラを家電量販店で触っていると、レンズの値段幅がピンキリだということに気づくことだろう。
所謂コスパ最強レンズと呼ばれる約3万円で購入可能なCanonのRF50mmF1.8と、同じ画角、単焦点レンズにも関わらず10倍の値段のするRF50mmF1.2Lレンズどちらも持っているので、興味本位で撮り比べてみた。

両方購入した私からしたら正直物寂しい結果となったが、備忘録として残しておこう。

はじめにそれぞれのレンズで撮影した写真はこちらです。

①RF50mm F1.8 STM
②RF50mm F1.2 L USM

※以降F1.8を①、F1.2を②と呼ばせていただく。
※どちらも下記設定で撮影
シャッタースピード=1/320
F=1.8
ISO=5000

それぞれ見比べていかがでしょう。
ぱっと見違いが分からないと思わないでしょうか。僕もそう思います。
ましてやスマホの小さい画面で見ると高難易度な間違い探しに挑戦しているようである。

以上です。と締めてもいいのだが、それだとあまりにも色気がないので、どうしても価格差の価値を見出したかったので、目を皿のようにして見比べたところ、以下の違いに気づいた。

・机に反射した光の白の色味
・拡大して見た時の解像感

机に反射した光の白の色味

分かりやすいかなと思ったのが、机の角に反射した光を見ると②の方が綺麗に反射していないでしょうか。
机の中心部(画角から外れているが)に近づくに従って細かい光のグラデーションが表現されており、②の写真はCanonの強みである白の美しさを更に増強してくれているように感じた。

①は自身の目で見た時の光具合にかなり近い描写をしている。
つまり大体のご家庭についているリビングの天井から吊らされているライトによって照らされた光を、コントラスト薄めで忠実に表現してくれている。

このように光の取得具合を比べてみると、②の方が細かいコントラストをキャッチしてくれ、①は目で見た時の情報をそのまま映し出してくれている印象だった。(少なくともこの構図、ライティングでは)

拡大時の解像感

ピントがあっている椅子の角辺りをアップしてみると分かりやすいかもしれない。
①より②の方がより解像している印象であり、ドアップで見てもパッキパキに魅せてくれていて、ついため息が出てしまう。
この時代どんなレンズでも解像感の高い写真が撮れると思うが、その中でも120点を出す描写というものは存在するようだ。

ただ冷静に考えると、こんな何の変哲もない写真を見てドアップしてみて、「お、解像感いいね」なんて評価する人は写真好きなガチカメラマンか重箱の隅を突きたい撮影者のことが嫌いな人間くらいではないだろうか。

この解像感の違いはレンズの特性に沿って説明がつきそうだ。

レンズは開放に近づけば近づくほどピントが合うところの解像度は落ちるため、F1.8という①のレンズの中で最も明るい値で撮影した写真と、まだ開放まで余裕のある②で比較すると余裕のある②の方に軍配が上がるのは自然なことである。
例えるなら戦闘力53万とカミングアウトした時のフリーザ様である。

ただどうでしょう?
①と②の価格差27万と考えると、この描写の違いを手にいれるためのコストとしてはでかすぎやしませんか?私はでかいと思います。
27万て、もう一台フルサイズカメラ買えますって…。
しかも馬鹿みたいにでかいし重いしとてもスナップ向きではない…涙

ただ、以前にも書いたように重くて写りのいいレンズか、軽くてそこそこなレンズだったら私は重くて写りのいいレンズを選ぶタイプだ。
そして、ボディを追加よりも最上なレンズを持っておいた方が一枚の写真の質をあげることにつながるため、求める優先順位は高い。

SNAPだけでなく、受注撮影においても少しでも綺麗な写真を撮ってくれたと思ってもらいたいし、自分自身「あの時F1.2持っていたら…」と後悔したくないため、保険の意味も込めて購入した。

ただ、30万のレンズと比較され尚且つ肉薄するくらい綺麗に映し出してくれるF1.8のレンズがすごすぎるんだと言っていいとも思う。

本当は②を買ったら売却しようと思っていた①だが、もしかしたら将来EOSR50、EOSR8といった軽いミラーレスが必要となった場合は最高のコンビになるとも思っているので迷っているのが本音です。

そんなわけでまとめると、
①…コスパ最強は伊達じゃない。持っていて損はないレンズ
②描写力に取り憑かれた、一歩先のレンズの力を見てみたい人向けレンズ

と言えると思いました。

あえて言う必要はないかと思いますが、正解はないのでこんなふうに感じた人間がいるという一例として捉えていただけると幸いです。

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