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『夢中』が足りない。

現在、私は固執してまで推しがいない。
例えば、一般の主婦の友達がみんな某アイドルグループが好きで
同じアイドル好きな主婦とその話題になると私は何も口が挟めないくらいなほど
何を言ってるか分からないくらいマニアックな話をする。

十代の頃からアイドルやバンド、演劇などなど無我夢中になることがなかった。
唯一、私は中学生の頃ナイナイの矢部さんが大好きだった。

友達からもらった雑誌の矢部さんの小さな切り抜きを生徒手帳に挟んで、たまに生徒手帳を開いてはにんまりして幸せな気持ちになった。
当時は銀座七丁目劇場という劇場が始まり、雑誌などでそんな劇場がある事は知っていたが、神奈川に住む私は銀座ってどこ?って思ったし、誰も連れてってくれる人もいなければ、矢部さんの大ファンだということも恥ずかしくて言えなかった。

ある日、友達からもらった明星の矢部さんのカラー1ページのドアップの切り抜きを机の引き出しに入れておいた。引き出しを開ければ、いつだって笑顔の矢部さんが見れるシステム。
するとある日、母親に引き出しを開けられたのだ。
私は恥ずかしくなり、すぐに引き出しをしめてもじもじした。
あの頃は、誰かを好きだということを家族に知られるのが恥ずかしかったんだろう。
ナイナイのテレビ番組は全てチェックをし、CMも何曜日の何時にやるかを調べてノートに書いておいて、なるべくCMを見るようにし、中学生ながらそれが楽しみで仕方なかった。

深夜番組の「とぶくすり」を夜更かしして観るのが楽しみだったが、その頃、私のようなお笑い好きな友達が全然いなかったから共有できなかったのが悔しい。

「とぶくすり」が終わり、「めちゃモテ」になり、「めちゃイケ」なった頃には魔法が溶けたように恋心もなくなっていた。
中学生のトキメキとはそんなものなのかもしれない。

主婦の友達がこう言っていた。
「主婦はアイドルを追っかけてることで女性ホルモンが活発になり若くいられる。」と。

なるほど、みんな中学生の頃のようなピュアな気持ちに戻っているんだと。

色々、愚痴りたい旦那がいたとしても、子供の面倒も少し落ち着いてきて、アイドルのライブを観たりグッズを買ったりして楽しめるなんてとても幸せだと思う。
旦那の愚痴を聞けば聞くほど、幸せなんだろうなって感じてしまう。

私も何か推しを作ったほうがいいのかしら。


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