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『睡眠』が足りない。

中学生の頃からずっと眠い。
私を古くから知ってる人はみんな私のことを「眠い人」だと思っている。
昔から夜更かしをする子で、普通の子供よりも睡眠が足りてなかったとは思う。
大人になってからは深夜に作業するの方が集中できるので、余計に夜型になった。

睡眠不足というのもあるとは思うんだけど
弁解をさせてもらえると、刺激がなくつまらないなと思うときに眠くなる。

初めて居眠りで怒られたのは中学生の頃。
一番苦手な理科の授業、一番嫌いなおばさん先生の授業。
私は授業中にこっくりこっくりと体を前後に揺らしながら寝ていた。
当たり前だがそれはバレて、おばさん先生が目の前にやってくる。
私もバカなのでバレてないと思い、はい?って顔して目を開ける。
「私の授業がそんなにつまらないですか?」と言われる。

特に荒れてない中学校だったから、居眠りする生徒なんて全然いなかった。
私は普段クラスでスクールカーストなら最下位から一つ上の目立たない女子生徒だったのに、そんなところでクラスで注目をされることになる。

そして高校でも居眠りは続く。
ある時はバレー部のとてつもなく怖い先生の体育理論の授業で。
絶対にあの先生の授業で寝るなんてありえないのに。
その時も私はこっくりこっくりと体を前後に揺らし居眠りをしていた。
するとまた、怖い先生が私の目の前に立つ。
「お前、俺の授業で寝るなんていい度胸だな。覚えてろよ。」と言われる。
その時期の成績表で体育理論に1がついたのはそのせいだろう。

居眠りは授業以外にも続く。
剣道部での練習試合中のこと。県外からたくさんの強豪校がきてる中、朝から会場準備に終われ軽くアップを済ませ、いざ練習試合というところで自分が練習試合にも出れないことを告げられる。
たくさん生徒がいるのに出れないのは下級生と同級の自分を含めた数人。
練習試合をただただ見守ることになり会場の手伝いをしていた。
季節は冬でとても外は寒かったので、道場には大型ヒーターが入りとても暖かかった。体も動かさずにヒーターに当たっていると気持ちよくなってきた。あったかいなぁ。ストップウォッチを手には握り、座っていたらウトウト・・・。

気づいたときには数メートル先にいた先生がものすごい剣幕で私のところに足を立てて進んで来る。
またもや私は寝てたことをなかったことにしようと目を見開き急にシャンとする。
しかしそんな小芝居は無駄だった。
先生の私の目の前にやってきて、あらゆる県外の学校からきてる生徒や先生の前で往復ビンタをしたのだ。
「バシッ!!!!バシッ!!!!!!」

親にも殴られたことのない人間だったもので、初めてものすごい強さと速さで頬を叩かれ、私は何が起こったのか分からずに放心状態。
しかし先生は「居眠りしてんじゃねぇ!!!」と私を怒鳴り散らし、また元の場所へ戻って行く。みんな私に大注目。
耳鳴りが止まらない。頭がキーンとずっと鳴っている。
じわじわと頬の痛みが広がって行く。
言葉も出ずに涙を止めることができなかった。

あの頃は学校で殴られることが普通の世の中だった。
だから殴られたことに関しては別に怒っていない。
だって、居眠りしてた私が悪いんだから。

それよりも私が一番悲しかったのは、みんなは試合に負けて殴られたりするのに
私は試合で負けても殴られることはなく居眠りでしか殴られなかったこと。
殴られるなら試合に負けて殴られたかった。
自分はとても剣道が弱い劣等生だった。
多分、自分の初めての挫折はこのときだろう。
自分が劣等生であることにとてつもなく気付かされた思春期。

そこから、卒業しても私が先生に殴られた事件はみんなにとっては笑い話になり
会うとその話になった。

そして大人になった今も眠い。
電車で10分乗れば絶対に寝る。
夜中になると目が覚めて作業が進む。

ほら、今だってみんなが寝てる時間にエッセイを書いているのだから。
でも明日も早起きなんだよな。これからまた溜まってる作業があるんだよな。

また明日も睡眠不足だな。

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