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『既読』が足りない。

音楽をやっていると様々な誘いがある。
まださめざめがアマチュアだった頃、うちのレーベルからCDデビューしませんか?とかコンピアルバムに参加しませんか?とか。

ミュージシャンならある程度みんなが経験する誘い。
でもほとんどの場合は、無名なレーベルや事務所からの誘いで制作費を全額要求されたりノルマのようにCD本体を買わされたりする。

私はそこらへんは慎重な人間だったので、まわりのそういった災難を学びあまり痛い思いはしてこなかった。マジで売れてない頃はそんな誘いがたくさん来る。

そして、事務所に入るとまた新しい誘いがやってくる。
MVを撮らせてほしいとか、グッズをコラボしませんか?とか。
その頃は事務所がついてるので、変わった誘いは事務所が対応してくれた。

そしてそして、メジャーからまたインディーズになるとまた新たな誘いがくる。
本を出しませんかとか、カフェを開きませんかとか。
ある意味、ここまで来るとある一定の層のしっかりしたお話をいただくことが増える。興味があれば何度か会って話を進めたりするが、ほとんどが実現しないことばかり。

そのなかでも一昨年から昨年にかけて起きたお話。
友達の元カレから突然ラインがきた。
ラインはお互い知っていたけど、もう何年も連絡は取っていなかった。

私がちょいっとテレビに出てるのを、たまたま見た友達の元カレが近況ラインをしてきたのだ。『久しぶり、元気してる?』と。

友達がその元カレと付き合ってた頃はみんなで何度か食事には行ったことがあったし、人間性もある程度分かっていたので、突然のラインだったけどそこまで驚きはしなかった。

何度かラインのやりとりをするとその友達の元カレからこんな誘いがあった。
『今仕事でカフェのコンサルタントやってるんだけど、よかったら期間限定のさめざめカフェを原宿で開かない?』と。
素直に嬉しい誘いだったので、一度会って話を聞くことにした。

数年ぶりの再会というのもあり、プライベートの話をしつつも今回誘ってくれたさめざめカフェの話を聞いた。

2週間限定、さめざめ監修のフードメニューは勿論、室内はさめざめのイラストを飾ったりMVを流したりして、限定カフェグッズも作りたいなど提案してくれた。
話を聞く分に楽しそうだったし、古い仲だったので話し合いもしやすく、10周年のリリースのタイミングでさめざめカフェをやる流れになった。

まずはカフェのイベントスケジュールを決める流れで2019年の4月を提案した。
その当時は2018年12月、友達の元カレからは、イベントスケジュールを確認するから少し待っててと言われた。

しかし、スケジュールを確認して連絡すると言われてから半月経っても連絡はなく、確認のラインをすると『年末には分かるから。』と言われまた待つ。
しかししかし、そのまま年は明け年始になり、仕事はじめであろうという第二週あたりにもう一度、確認ラインをしたが未読スルー。

決まったらイベント告知もしたいし、一月中にはスケジュールを決めたいのにと少し苛立ちながらもみんなの忙しいよなと自分をなだめて返信を待ってみた。

そんなこと言ってたら一月末になり、さすがに怒り口調で『スケジュールの件、どうなってますか?』と確認ライン。
するとやっと既読がつき、『希望のスケジュールで大丈夫だと思うけどもう少しまってて、今度はカフェで打ち合わせしようか』と言われた。

そして2月の頭に第二弾の打ち合わせをそこのカフェですることに。
カフェ自体はとても広く、大画面のテレビもあり色々と展開するには楽しくなりそうな感じであった。そんなイメージをしながら店内を見ていると、友達元カレからまさかの発言。

『希望してたスケジュール動かせないかな?』
二ヶ月間待たされたスケジュールを動かせないかと言われた。でもしょうがない。カフェの都合もあるだろうと理解したかったが、『違うイベントカフェがその期間に入ってるから、そのイベント中の平日の二日間とはどう?』というまた爆弾発言。
最初は二週間やろうと言っていたのに、それが平日の二日間の変更では話は違う。
しかも他イベントの関係で、壁のセットなども動かせないと言われた。

100歩譲って、フラゲ日とリリース日という感じなら平日でもいい。でも本当は土日にやりたいと伝えた。だって最初はあちらからその提案をしてきたのだから。

『とりあえず希望の平日の二日間で、行けるか確認するから待ってて』とまた言われる。
『もう二月だからなる早で連絡お願いします!』と伝える。

それ以外にも当初はフードにさめざめメニューを作ると言う話しさえすり変わり、『フードにグッズとしてオリジナルコースターつける感じでいいかな?』と言われる。

多数のオリジナルグッズを作ろうと提案してきた男が、いつのまにかコースターではしょりだした。そしてフードにもオリジナルコースターつければいいってやっつけ仕事すぎる。

この打ち合わせで私はより不信感を抱きだした。
仕事が忙しくてカフェイベントの話がなかなか進まないだの凄いアピールしてくるが、今回のカフェもあちらから誘ってきてる仕事だ。あと二ヶ月あれば、やりようはあるのに、フードにもグッズにもテキトーを醸し出すなんて。

ただ古い知り合いなのもあり、『じゃあ、スケジュール分かったらすぐにすぐに!!連絡くださいね。』と念を押した。

それからまた一週間後、2月の中旬になっても返信はなく『スケジュールどうなりましたか?』と確認ライン。
『ごめん、先方からの返事待ち!もう少し待って!』

そこからまた一週間、まさかの3月の頭になった。もともとカフェをやる予定なのは4月のリリースタイミング。告知をするタイミングももう過ぎている。
まだスケジュールも決まってないとかおかしすぎる。これでは惰性なカフェになってしまう。

3月の頭にまた連絡をする。
『もういい加減スケジュール決まらないと困るのですが、、、』
キレラインを送る。

未読スルー。

このままではせっかくの10周年記念の出だしでつまづくことになる。
心から満足のいくカフェができない。半年も前からスケジュール確認してるのに、希望スケジュールば一ヶ月前になっても決まらないなんて。

3月の二週めにまたラインをする。
『正直、仕事のラインを未読スルーするのはどうかと思います。前々からスケジュール確認にして、希望の一ヶ月前まで何も決まらないのはこちらとしても困ります。このままではカフェはやれません。』と。

流石に、返信がくるだろうと思った私が甘かった。

結局はこのラインさえも未読スルーのまま、友達元カレからの返信はこなかったのだ。

まだ二十代序盤で社会経験のない子なら大目に見れたかもしれない。
でも同い年で仕事バリバリやってますアピールする人にこれをやられたのはかなりの遺憾だった。
友達の元カレとして人となりも把握していたから、こんなバックレかたをされるなんて。

結局、さめざめカフェは諦めることにした。また何かの機会にやれたらいいと思う。

この友達の元カレとのラインのやりとりは残しておいたほうが、なにかと有利だと思い消してないのだが、面白いことにこの2020年の1月23日、未だに未読スルーなのだ。
凄くない?かれこれ10ヶ月も未読スルーなんだよ。

ラインをブロックされたか、ラインごと削除されたか。
まさか本当に未読のままなのか。

最近のくだらない楽しみは、そのラインをたまに開けて
まだその人から未読なのかを確認するというのが趣味になっている。

いつか既読になりますように。

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