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時代を変えたテクノロジー①

Asteriskがなんとかなったので、少し小話を。

時代を変えたテクノロジーと言って、思い浮かべるのは何でしょう?自然から動力を取り出すという意味では、風車や水車。これってどっちが先なんでしょうね。wiki先生では風車に分がありそうです。電池なんかもそれに入ると思います。ただこれらは、自然からエネルギーを「取り出す」テクノロジーであって、「使う」テクノロジーではありません。「使う」とは、そこにはないものを、自然から取り出したエネルギーを変換して、そこに顕現させることを指します。そういった意味では、電球の発明は大きいのではないでしょうか。夜でも明かりがある。コレはかなりのインパクトだと思います。

電球以降、テクノロジーとは電気をいかに上手く使うか。コレに意味合いが変わったように思えます。光源・熱源としての電気、動力源としての電気・・・コレは過去からあったものの置き換えです。そんな中、電信が登場します。・・・- ・・・- ・・・- そう、ムスカが打つアレです。VVV という符号で、通信を始める前に打つ試験のようなものだそうです。なるほど、本番を打つ前にシータにぶっ叩かれたわけですね。ムスカの頭の硬さも大概です。シータもあの時トドメを刺していれば、、、まぁいいです。電信、そしてソレを特殊技能なしで使えるようにした、電話こそが現代テクノロジーの出発点なのです。

(゚Д゚)ハァ? というなかれ、電信電話の最大の敵は今なおもって距離なのです。そう、一番伝導率の高い銀をつかっても、その伝導電子の平均自由行程は50nm程度。超伝導でも使わない限り、信号は、哀れ乱雑さに飲み込まれ減衰していきます。と、なると増幅しなければ有意に聞こえなくなります。そこで、登場するのが真空管です。いくつか用途があるのですが、その最大の用途は「増幅」です。ちなみに、昭和なテレビに使われていたブラウン管も真空管の一種で、安易に真空解除すると、しばらくたって爆発します。また爆発を回避できたとしても、手動で砕くとバッチリ破片が飛び散ります。素人は手出し無用です。今でも、超パワーかけて増幅するときは、真空管だそうです。ま、構造が単純なので大型化しやすいですしね。ですが、そんな真空管も球切れという寿命があります。

電話は、、、というか有線通信はどうしても「交換」という送信元と先の接続が必要となります。当初は手でした。手動交換というやつです。ケーブルをブスブス差し替えるアレです。アレはアレで神業に近いと思うのですが、でも手動なんてやってらんないので、自動に置き換わります。youtubeで動画を見つけたので貼っておきます。

日本では1926年にA形交換機が導入されてるみたいです。うーん、戦前。まぁクロスバーに置き換わり、デジタル交換機に置き換わりして、もうすぐ完全にIPに置き換わります。クロスバーが動いてるのは見たことがあるんですが、流石に、ステップバイステップの交換機は見たことありません。ちなみに、昔「今度電話がデジタルになりますので、電話機の交換が必要です!今なら特別におやす(ry」という詐欺電話に「あれ?〇〇局には、まだクロスバーがあるんですか?」って言うと、即・切られました。せめて、「アナログ電話が終わってISDNになるんですよ!」とか言ってほしかった。。。いや、もうBフレどころかプレミの頃だったんですが。ウチに電話してくるとはイイ度胸しています。

おっと、脱線が過ぎました。で、この手の電子化されていない交換機の中身は膨大なリレーと言う名のスイッチにあふれています。なんかコチコチコチコチコチコチコチコチ音の鳴るうるさいやつです。この手のリレーは、一回動作するごとに火花が散って、汚れたり接点が減ったりしていきます。そうして動作不良を起こします。ホント、この頃の交換機を保守していた方々はマジご苦労されたと思います。

と、なると球の切れない真空管、接点の減らないリレーが、時代から要請されます。

1947年、ジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテンが、半導体の上に2本の針を置く点接触型トランジスタの開発に成功し、研究をリードしながら点接触型トランジスタの最初の発見の場に立ち会うことができなかった、ウィリアム・ショックレーにより一つの個体の中に作り込まれた接合型トランジスタが発明され、増幅とスイッチに使用できることが分かると、固体による増幅素子の発明として発表されました。この3人は、この功績により、1956年のノーベル物理学賞を受賞しています。ちなみに、この3人の内、ジョン・バーディーンは1972年に、超伝導現象の理論的解明により、2度めのノーベル物理学賞を受賞します。現在、そして今後現れないであろう、ノーベル物理学賞を2度とった唯一の人物でもあります。神と崇めましょう。このバーディーンとクーパーとシュリーファーで提出した理論として、BCS理論というんですが、RSA暗号なんかも人の頭文字ですし、あっちではそういう文化があるんですかねぇ、ギンツブルク・ランダウもGLだし。

で、このトランジスタの発明により、世界は電気から電子へとシフトしていき、昨今の半導体不足を招くわけです。聞くところによると、特にビジホンやPBX関係の半導体は壊滅的に不足しているらしく、なんとなく歴史を感じます。ベンダに問い合わせても、注文があってから待ち行列に並べるくらいで、在庫がないから納期は分かんないと言われるらしい。その待ち行列は何アーランなんですかね?

次回は、電子シフトから情報シフトという変化の中で、象徴的なデバイスの紹介をしたいです。さよーならー。

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