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文月煉の『モテ論』

僕は、モテる。
……今、一瞬でブラウザを閉じようとした人、ちょっと待って。

確かに僕はとてもモテるのだけど、何で僕がモテるのかはちょっと不思議だ。
僕の「スペック」を書き出してみるならこうなる。

37歳
身長170cm 体重43kg(めちゃくちゃやせすぎ!)
外見:けっっっしてイケメンではない。歯並びガタガタ。
職業:フリーランスライター
年収:200万円以上300万円未満

いやぁ、出会い系サイト(今はマッチングアプリ、というらしい)だったら、それこそ一蹴されてしまうスペックだ。

実際、もしランダムに見ず知らずの100人を対象に「文月煉を恋人にしたいか?」というアンケートを採ったら、きっと全滅だろう(もしかしたら1000人に1人くらいは変わり者がいるかもしれないけど……)。
見ず知らずの人100人に振られたって僕は痛くも痒くもないけどね。

それでも僕がモテるのは、出会っている人が「ランダムな、見ず知らずの人」ではないからだろう。
最近では、僕の出会いはほとんどがSNS経由だ。SNSで自分のことについて、考えることについてそれはもうたくさんの言葉を費やしている「文月煉」という人物に興味をもって、つながってくれた人。僕の出会いはほぼそこからしかない。

もし僕に、モテる要素があるとしたら、僕があまりにすべてをさらけ出していて、裏表がなくて、駆け引きをしなくて、隠し事もウソもなさそうで、(自分で言うのも恥ずかしいけど)誠実そうだから、一緒にいると、無理をしなくてよさそうで、だれにも見せていない本当の自分を出せるような気がするからだろう。
束縛しないし、干渉しない、依存させないし、独占しないけど、応援だけはする。なんでもはしてあげられないけど、できることはしたい。そんな風に公言していることも、居心地のよい関係を求めている人にはぴったりなのかもしれない。

だけど実際、現実の世界での出会いは、「ランダムに見ず知らずの人に出会う」に近い。学校や、職場や、ママ友や、ご近所さん。彼らは自分で選んで出会った人ではないから、実質ランダムガチャだ。僕のような人は、そこで人に好かれたり、モテたりするのはとても難しい。SNSという場所で自分をさらけ出して、新しい出会いができるようになるまで僕は、非モテだと思ってたし、友達も少なかったんだよ。

まぁ、SNSでモテても、それだけでハッピーというわけではなく、今度は相手との距離感をうまくつかめなくなったり、現実の距離が苦しくなったり、いろいろな問題はあるんだけどね。
それはまた、次の課題。


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