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病弱キャラが定着してきた。

「病弱キャラ」が定着してきた。
確かに楽ではある。
みんな心配してくれるし、飲み会の誘いを「あまり体調が良くないから」と断っても納得してくれる。
「なるべく早く帰ったほうがいいよ」と言ってくれることさえある。
僕自身も「いえいえ大丈夫ですよ、がんばります」なんて強がらなくなった。
むしろ僕の方から、あまり体力がないこと、体調を崩しやすいことをアピールしてきた結果だから、処世術として、正しい。

だけど。
悔しい悔しい悔しい。

自分が他の人と同じように活動できないことが悔しい。
休日は遊びの予定じゃなくて、「休む」という予定で埋めなきゃいけないことが悔しい。
休日でなくても、ときどき家に帰って休むために有給休暇を取らなくちゃいけないことが悔しい。
悔しい。
悔しい。

僕が好きなマンガやアニメや小説の主人公たちは、みんなキラキラしていて、体が丈夫だ。
病弱キャラは、主人公にはなれやしない。
だけど、僕の人生の主人公は僕しかいない。他の人に活躍を任せるわけにはいかないのだ。

心優しい同僚から、「君は体が弱いからなぁ」なんて言われて、心配してくれているのはわかっていて、
僕も「そうなんだよねぇ」なんて苦笑いで応じて、ちょっと茶化したりもして、
それが、僕がうまく生きるために、賢い方法だというのはわかっていて、
僕自身も受け入れているつもりになっていて、

それでもまだまだ、くやしい、という気持ちがあることに驚きながら、
僕は歯を食いしばって、午後の日差しを遮るように、ふとんにくるまって目を閉じている。


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