いっぱい恋をした2018年でした。

2018年がいよいよ終わる。

たくさん新しいチャレンジをして、たくさん見たことのない景色に近づけた、本当に思い出深い1年だった。

このツイートをしたのが、ちょうど1年前。ありがたいことに、この数年、演劇を軸にお仕事を任せていただけることが増えて、Twitterでもよく「横川さん」と名指しで感想をつぶやいてくださる方も出てきて、自分なりにある種の充足感を覚えはじめていた時期だった。

だけどその一方で、じゃあここから次のステージへどう進むのか、ステップが見えにくくもあった。

もちろんこの状態をキープするだけでも大変だと思う。これからどんどん自分より年下の書き手も出てくるし、その中で読まれ続けるライターであるためには、現場に足を運び、知識を蓄え、感性を磨き続けなければいけない。

ただその反面、人生100年時代と言われる今、ひとところにずっととどまり続けるだけで満足できるのか、という疑問もあった。

もっと自分のできることを増やしたい。もっと世界を広げたい。

そのためには、自分の足場を拡張させよう。それが、2018年のテーマだった。

そんな矢先に、この記事がヒットした。アパホテル社長の元谷芙美子さん。

記事を読んでいただくとわかるのですが、元谷社長はものすごくパワフルでポジティブ。対する僕は超絶ネガティブ野郎。元谷社長の無敵理論に僕が「でも~」「とは言え~」とネガティブな反論をするたび、底なしのポジティブ発想で切り返される。その快刀乱麻のやりとりに感動して、ものすごいテンションの高い取材になった。

そして、帰り際、サイン入りの自著をプレゼントしてくださった元谷社長が「あなたはきっと成功する! 大丈夫!」と背中を押してくれた。

きっと、あのスーパーポジティブな元谷社長のことだから、どんな人にもそうやってエネルギーたっぷりのアドバイスでモチベ-ティブしているんだと思う。

でも、そのとき、元谷社長がくれた「大丈夫!」という言葉は、確かに僕の中にある何かを灯した。足場を広げたいなら、まずはアクションを起こさなくちゃ。そうスイッチが切り替わった。

そこからは、書きたいメディアに怒濤の営業メール。僕は小さい頃からテレビドラマが好きだったので、まずはドラマに関する仕事がしたいと思って、関連メディアに片っ端から挨拶メールを送った。

が、結論から言って、それらはすべて梨の礫だった。そう易々と人生が変わるなら、誰も苦労はしないか。そうため息をつきながらも、僕は日々の仕事に実直に取り組み続けていた。

確変は、いつも予想もしていないタイミングで起きる。

僕のライター人生を大きく変えたのは、趣味で書いた1本のnoteだった。

その頃、僕は『おっさんずラブ』というドラマに夢中で。それはもう初恋を知った男子中学生みたいに、「牧春がやばい」「牧春がやばい」と言っていた。(ちなみに当時の僕は、この表記の仕方の意味を正確には理解していない)

ところが、周りに『おっさんずラブ』にハマっている人は誰もいない。この興奮をいったい誰に告げようか。あり余る熱情と愛を注ぎ込む先は、インターネットしかなかった。

正直、こんなに読んでいただけるとは思ってもいなかった。確かその日は部活の練習があって。午前中の練習を終えて昼休みに入るタイミングでTwitterを覗いたら、通知がとんでもないことになっていて、のけぞった。

嬉しいというより、どっちかって言うと怖かったのを覚えている。自分の書いた文章が、自分のコントールの及ばない先まで広まるというのは、自室の四方の壁が一気に取り壊されたような心許なさがある。

どこから石礫が飛んでくるのかわからない。実際、ちょっとデリケートなジャンルなので(その自覚も正直なかったです、すみません)、お叱りや注意をいただくこともあって。そのたびに縮み上がりながらも、何せもう前後が見えないくらい『おっさんずラブ』にハマりきっていたので、次から次に溢れ出てくる言葉を叩きつけるようにしてnoteを書き続けた。

好きは、たまに奇跡を起こす。

お世話になっているWoman typeの編集長のはからいで、まさかの神・貴島Pに直接取材をさせていただけることに。貴島Pも僕のnoteを読んでくださっていて、妙にハイテンションな初対面になったのは良い想い出。

この記事もアップされるやWoman typeのサーバーをダウンさせるヒットとなり、「『あげないよ』がアドリブ…!?」とOL民を卒倒させた。

初めてのテレビ誌も『おっさんずラブ』だった。noteがバズり続けている僕のツイートを見て、編集の人がDMをくれたのだ。ちなみに僕はこの前日、Tv Bros.を発行している東京ニュース通信社に営業電話をかけていて見事玉砕していたので、人生というのは本当に何が起こるかわからない。

Tv Bros.ではコラムを2本書かせていただいたのだけど、本当にたくさんの方が感想をくれて、なんだか夢でも見てるみたいだった。

ついには公式とお仕事までさせていただいて、こうなってくるともう嬉しいというよりも、失敗できないという気持ちの方が強かった気がする。楽しみにしてくださっている人たちの熱を誰よりもいちばん強く感じていたから、その期待に応えるものをと、とにかくプレッシャーとの戦いだった。

このあたりから僕のTwitterを見て仕事のご依頼をくださる方々が増えてきて、念願だったテレビドラマに関する記事も書けるようになった。

ずっと読者だったリアルサウンドで記事を書けるようになったのも、1通のDMがきっかけ。『おっさんずラブ』であったり、その他にも僕がnoteでたまにテレビドラマの感想を書いているのを読んで、うちで書いてみませんかとお話をいただいた。

実は、リアルサウンドはテレビドラマの仕事がしたいと思って真っ先に営業メールを送った会社のひとつだったので、一度はつながらなかった縁がこうしてまた別のタイミングで結ばれることもあるのだなと感慨深い気持ちになった。

テレ朝POSTで『ヒモメン』の全話レビューをさせていただけたのも、『おっさんずラブ』があったから。この文章、今読んでもかっ飛んでて最高だと思う。

プラスパラビの編集さんとは、実は舞台の記事を書きたいと思って営業を仕掛けている頃に知り合って。舞台の方ではご縁がなかったのだけど、僕がテレビドラマの記事も書きたいとツイートしているのを見て、プラスパラビでの仕事を紹介してくれた。

ずっと読者だったライブドアニュースでこの12月からお仕事をさせていただけることになったのも、僕がイケメンイケメンとツイートしているのを見て、編集の方が面白がってくれたから。

ライブドアニュースも営業メールは送っていたものの、残念ながらお仕事成立には至っていなかったので、こうやってご一緒できて本当嬉しい。

今、定期的にコラムを書かせていただいているmi-molletも、同じOL民の編集者さんが、僕のnoteを読んでいて、声をかけてもらったことから始まった。毎回、コラムを書くたびに熱い感想を送ってくださって、自信のない僕にとってその編集者さんの感想が励みになっている。


ただのしがないライターが「応援」なんて言葉を使うのはおこがましい気もするのだけど、でも1本のnoteをきっかけに多くの人が応援してくださるようになって、おかげで自分ひとりの力ではとても辿り着けないところまで行かせてもらった。本当にありがとうございます。


そして、僕のベースキャンプである2.5次元舞台でもたくさん記事が書けて、大満足の1年だった。

「横川良明の~」と冠つきで連載記事を書かせていただけるなんていうのは滅多にないことだと思うので、本当ありがてえしかないし、エンタメステーションの太っ腹ぶりには頭が下がる想いです。

レポもいっぱい書いたな~。今こうして読み返しても、やっぱりとち狂った文章だと思う。こんなとち狂った文章を面白いと読んでくださる方には感謝しかないです。

off stageは創刊のころから担当の編集者さんと(僕の気持ちでは)二人三脚でつくってきて、すごく愛着のある媒体のひとつ。手前味噌ながら、写真もテキストも大充実しているので、ぜひもっとたくさんの人に知ってほしいし読んでほしい。

初めて紙媒体の編集をまるごと1冊やれたのも、今年の忘れられない仕事のひとつ。パーセンテージで言うと、今は紙 2:web 8ぐらいの仕事バランスなのだけど、やっぱり大胆な写真の使い方だったり、きちんとしたテキストの校正だったり、紙には紙にしかない技術と面白さがあるので、これからも紙媒体のスキルはもっともっと磨いていきたい。


だらだらと長く書いたけど、ざっとこれが2018年の僕の仕事。

面白いのが、新しくお仕事をいただいたメディアの多くが、以前に自分から営業を仕掛けたものの、ご縁がなかったところだったりすることだ。結局、チャンスというのは、然るべき自分になったときにふさわしいタイミングで訪れるものなのかもしれない。

総括としては、結果的に去年の12月につぶやいた「同じ次元の仕事を延々と繰り返しているだけなのに、売れていると錯覚してはいけない。常に新しい領域を開拓し続けることで、人は成長できる」という言葉通りの1年にできて、それが何よりも嬉しい。

あんまり自分を褒めるのは得意じゃない僕だけど、この1年はすごく頑張れたし、すごく成長できたと思う。年末だし、少しぐらい自分を甘やかしてあげたい。

でも、もうこれらは全部過去のこと。2019年になったら、2019年の僕として戦っていかなくちゃいけない。

大好きな演劇と、大好きなテレビドラマを軸に、てらわず、まっすぐ愛を込めた、そんな記事を書きながら、また1年後、全然違う場所に自分を連れていってあげられたらいいな。

やっぱり「好き」ってすごいパワー。好きなものに関わっているだけでハッピーになれるし、好きなもののためなら、いくらでも力が出てくる。

そして、そんな僕の溢れる「好き」という気持ちが、読む人にポジティブなものを与えられているなら、最高に幸せ。


今年1年、僕の記事を読んでくださった方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。読んでくれる人がいるから、僕は仕事ができます。それだけは間違いない。いつも1本1本、読んでくれてる人の顔を浮かべながら書いてます。そのイメージが、「書けね~」「書けね~」とうめきながらも、もう一度キーボードに向き合うパワーになっています。

一応、まだ明日も記事が出る予定ですし、何より明日は刀剣男士の方々の晴れ舞台なので、Twitterをうるさくする気はしますが、ひとまずこれにて年越しのご挨拶を。

どうかみなさま、良いお年をお迎えください。

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