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お金配りおじさんならぬ「お豆配りお兄さん」になるメリット・デメリット

最近、自家焙煎からのドリップバッグ作りがすこぶる楽しく、暇さえあれば豆を焼いて挽いて詰めたい衝動に駆られています。

そして気づけば、職場の人や知り合いに「今回の豆、上手に焼けたんで飲んでみてください!」と豆やらドリップバッグやらを配るようになっていました。
お金配りおじさんならぬ、お豆配りお兄さんです。
(まだピチピチの30歳なので、あくまでも「お兄さん」で通させていただきます)

今日も、京都のとあるお寺にて月イチで開催されている俳句会に参加し、参加者のみなさんにドリップバッグをプレゼントしてきました。
皆さん「え、コーヒー・・・?」と内心びっくりされたかもしれないのですが、快く受け取ってくださいました。
ただ、その場で飲んでいただいたわけではなく、ドリップバッグをお持ち帰りいただいたカタチなので、味や香りへのリアクションはわかりません。
来月の句会のときにクレームの嵐にならないことを願っています。

今日は、お豆配りお兄さん(年齢や性別に応じて、おじさん・お嬢さんに置き換えていただいてもよいです)として生活することのメリット・デメリットを解説したいと思います。

お豆配りお兄さんになるメリット

自分でコーヒー豆を焙煎して、豆やドリップバッグを他人に配ることのメリットは、主に以下の3つです。

  1. 「美味しかった!」などのポジティブな反応をもらえることがある

  2. 関係性の深くない相手に、自分が害のない人間であることを表現できる

  3. 1人では消費しきれない量の豆を焙煎しても、無駄にならない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【メリット1】「美味しかった!」などのポジティブな反応をもらえることがある

これはまぁ、何ものにも代えがたいくらいの嬉しさがあります。
自分が趣味で勝手に焙煎したコーヒー豆を、誰かが喜んで消費してくれる・・・。
これってかなり心が満たされます。

とくに、何かと知識豊富でこだわり派の同僚から「香りがめっちゃよくて美味しかったです!」と言ってもらった日には、もう今日は有給とって祝杯を上げようかなと思うくらい嬉しかったです。
人間という社会的な生き物は、基本的に「誰かに喜んでもらった」ということに対して強烈な喜びを感じるようにできているそうです。
あぁ、俺今めっちゃ人間としての幸せを感じてるわ・・・としみじみ実感できます。

【メリット2】関係性の深くない相手に、自分が害のない人間であることを表現できる

関係性がまったくゼロのところからいきなりコーヒー豆を渡すと「こいつヤバい」と思われてしまいかねないのですが、「顔と名前くらいは知ってるな」くらいの関わりがある人に対しては、何かをプレゼントするのって、けっこうプラスに作用します。
でも、買ってきたものだったり明らかに価値の高いものだったりをプレゼントすると、「申し訳ないな・・・」と思わせてしまったり、あるいは「何かウラがあるんちゃうか・・・?」と勘繰られたりしてしまうリスクがありますよね。

その点、コーヒー豆やドリップバッグってちょうどいいんです。
別に高くないし、何より「趣味で作ってまして・・・もし珈琲がお嫌いでなければぜひ」的な感じで控えめに渡すことができるのがポイント。

【メリット3】1人では消費しきれない量の豆を焙煎しても、無駄にならない

地味に、これが私にとってはデカいかも。
自分や家族だけで消費できる豆の量って、せいぜい1か月で1kgくらいではないでしょうか。
でも、焙煎にハマッてしまうと、1か月1kgの消費では到底追いつかないくらいの量の豆が家にストックされていきますよね。
1週間に3回焙煎し、1回あたりの焙煎量が200gだとすると、1か月で2.5~3kgの豆が追加されていくことになります。
当然、自分で焙煎するだけじゃなく、コーヒー屋さんやオンラインショップで焙煎豆を買うこともあるでしょうから、コーヒー豆はガンガン貯まっていきます。
コーヒー豆は生鮮食品ですから、そう何か月も美味しさを保ったまま貯蔵できるものではありません。
せっかく美味しく焼けた豆を、なるべくベストに近い状態でドリップしたい・・・。
他人にコーヒー豆を配るという行為は、そんな思いを叶えてくれます。

ここまで、豆配りのメリットを解説しました。
しかし当然、物事には良い面と悪い面があります。
続いては、豆を配ることによって生じうるデメリットを見ていきましょう。

お豆配りお兄さんになるデメリット

豆配りには、デメリットも間違いなく存在します。
主に以下の3つです。

  1. 「まっず!」などのネガティブな反応が返ってくることがある

  2. ありがた迷惑になっている恐れがある

  3. 豆配りが義務化してしまうリスクがある

こちらもひとつずつ見ていきましょう。

【デメリット1】「まっず!」などのネガティブな反応が返ってくることがある

焙煎に失敗した豆を配ってしまうと、いくら善意の贈り物だとは言え、大クレームに見舞われることになるでしょう。
直接的に言葉でのリアクションがなくても、「急に豆を押し付けてきたかと思えば、味もイマイチやし、こいつマジなんやねん・・・」とモヤモヤを感じさせてしまうかもしれません。
フィードバックをもらうことで焙煎を上達させられるという面もありますが、そもそも他人を実験台に使うのってちょっと非人道的な行為です。
豆を配る際には、自分で飲んでみて「これは美味しい!」と思えたものに限るのがよさそうです。

【デメリット2】ありがた迷惑になっている恐れがある

「上手に豆が焼けたので、ぜひ受け取ってください!」とキラキラした目で言いながらコーヒー豆を差し出されたら、よほどコーヒーがキライでない限り、多くの人が一応「ありがとう」と言って受け取ってくれるでしょう。
しかし、その「ありがとう」を無邪気に信じきってはいけないケースもあります。
たとえば、妊活・妊娠中の方は、多くの場合カフェイン入りの飲料を飲めません。
また、体質的にコーヒーがちょっと合わないという人や、すでにお気に入りのコーヒーがあって乗り換える気がないという人もいるはずです。
こうした人たちにとって、善意で手渡されるコーヒー豆は「断るのも悪いけど、正直嬉しくないもの」として記憶されてしまうでしょう。
こうした悲劇を避けるためには、「できるだけ断りやすい雰囲気を出しながら意向をうかがう」という、少し高度なテクニックが必要な気がします。

【デメリット3】豆配りが義務化してしまうリスクがある

まぁこれは自分の考え方次第なところではあるのですが、「自分のおこないによって人が喜んでくれている」と過度に感じすぎていると、いつの間にか豆配りが「やっていて楽しいこと」から「やらなければならないこと」にすり替わってしまう可能性があります。
時間的にも体力的にも金銭的にも、ムリをしてまで豆を配る必要はありません。
もしどうしても「あなたの豆がないと私は困るんです!!」と言う人が現れたら、たぶんそれはもう趣味の範囲を超えて、お仕事にできるはずです。

自分もまわりも心地よく楽しめるよう、やっぱりバランスが大切

ここまで、豆配りお兄さんになるメリット・デメリットを解説してきました(これ、いったい誰が必要とする情報なのでしょうか)。
書いていてあらためて感じたのですが、やはり、何事もバランスが大切ですね。
末長く楽しみ続けるためにも、突っ走りすぎずに心地よいペースで豆を煎って配っていきたいなと考えています。

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