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まるで場末の疲弊したキャバ嬢みたいだった女の子が、キラキラなアイドルになった件について

 前日は土曜日だったけれど一滴も酒を飲まなかったため、とても爽やかな気分で目を覚ましました。そして心おだやかに朝食をとり、『同志少女よ、敵を撃て』を読んでウクライナでの悲しい戦争に思いをせました。

 12時半ごろになったのを見計らって家を出て、日課のウォーキングがてら大宮駅まで歩きます。大宮ソニックシティ前の鐘塚かねづか公園に寄って、ほぼ満開の桜を眺めました。きれいだな、と思いました。かつてはこういうとき、梨華ちゃんのことを思い浮かべていたけれど、今となってはガチ恋が落ち着いているため、悲しみのない純粋な気持ちで桜を楽しむことができました。

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 あるていど桜の美しさと可愛らしさを堪能たんのうした僕は、大宮駅西口から東口に移動します。駅前のファミリーマートに入って、糖質ゼロかつプリン体ゼロの発泡酒350ml缶を買いました。そして公衆トイレの屋上にある日当たりの良いテラスに移動し、ゆっくり酒を飲みました。発泡酒を飲み干して左手首の腕時計を見やると、時刻は13時30分。僕は「そろそろ行くとするか」とつぶやいておもむろに立ち上がり、アイドル育成型ライブカフェアイドールに向かって歩き出します。アイドールBRAVEの「かえりん」こと若月楓莉わかつきかえりちゃんの生誕祭に参加するために。僕はつねづねツイッターで彼女のことを「まるで場末ばすえの疲弊したキャバ孃みたいだ」と表現していたので、かなりの後ろめたさを感じていました。その罪滅ぼしのためにも、かえりんの生誕祭には絶対に参加しなければならないと思ったわけです。

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 アイドル育成型ライブカフェアイドールは、大宮駅東口から歩いて7分くらいのところにあります。おしゃれなビルの2階です。2階でエレベーターを降りると、生誕委員の男性がにこやかに紫色のサイリウムを手渡してくれました。「かえりんのソロ曲のときに使ってください」とのこと。かえりんのメンバーカラーは紫色なのです。僕は「ありがとうございます」と感謝して受け取りました。

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 お店の中に入ると、店舗に設置されたステージの前にお客さんがたくさんいました。開演15分前だけど、すでに30人くらいはいます。ソーシャル・おちんちんタンス、じゃなくてソーシャル・ディスタンスを確保するのは難しそうです。でもマンボウは解除されたし、個人的にはそれほど気になりませんでした。ただ、運営から「ライブ中は声出し禁止」というアナウンスが出てるのに、声を出している人が何人かいたのは少し気になりました。ルールを守らない人がいるとアイドールBRAVE自体の評判も悪くなるので、気を付けた方がいいと思います。話が大きく前後するけれど、かえりんが生誕祭で「次が最後の曲です」と言ったとき、オタクたちが「えー!」というけっこう大きな声を漏らしました。それを聞いたかえりんは嬉しそうにしていたものの、「声出し禁止なんだけどね」とオタクたちをたしなめました。かえりんのそういう忖度そんたくしないところ好きだな、と思いました。

 話を戻します。僕がややみつなフロアに突っ立って開演を待っていると、生誕祭の衣装を身にまとったかえりんがカウンターのところに出てきて、飲み物を飲みました。ライブカフェなので、カウンター席があるのです。するとファンの人が「あー!(衣装の)ネタバレだ!」と指摘し、かえりんは苦笑いをにじませながら「見ないで~」と言ってカウンターの陰に隠れてドリンクを飲みました。その様子はとても可愛らしかったです。

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 そして14時を回り、かえりんの21歳の生誕祭が始まりました。黒いステージに登場したかえりんは、うす紫色の可愛らしいドレスを着ています。さっきカウンターのところで見てしまったので、特に感動はありませんでした。かえりんは、笑顔を浮かべながら楽しそうに歌って踊ります。彼女はとてもキラキラとかがやいていて、その姿はまさにアイドルでした。かつては場末ばすえの疲弊したキャバ孃にしか見えなかったのに、もはやキャバ孃ではありませんでした。正真正銘のアイドルでした。彼女がまだ候補生だったころはなかなか結果が出なくて、場末の疲弊したキャバ孃みたいな雰囲気をかもし出していました。しかしアイドールBRAVEに加入してからは、明らかに表情にかがやきが出てきました。それから数か月過ぎて、アイドルとして数々のステージに立ち、ファンからも大いに愛され、この日のかえりんは完全なアイドルになっていました。場末の疲弊したキャバ孃の面影はどこにも見あたりませんでした。

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 ライブ後のチェキ会で、かえりんに「今日のわたし、どうだった?」とかれ、「もう場末の疲弊したキャバ孃ではなかったよ。アイドルだったよ」と伝えました。彼女はとてもキラキラした笑顔で「よかった!」と無邪気に喜びました。僕は正直なところ、「場末の疲弊したキャバ孃」という表現が非常に気に入っていました。だからとても残念なのだけれど、おそらくもう二度と、この言葉を使うことはないと思います。かえりん、ひどい表現を繰り返しツイートしてしまってごめんね。もうその表現を使うことは二度とないよ。だってあなたはもう、紛れもないアイドルだから。これからもきっとかがやきを増していくだろうかえりんのことを、僕は陰ながら見守っています。お誕生日おめでとうございました。かえりんにとって素敵な一年になりますように。

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 そう言えば帰り道に、また大宮ソニックシティ前公園に寄って、ささやかにライトアップされたきれいな夜桜を見ました。かえりんからもらった温かいメッセージカードとともに、この文章に添えておきます。

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