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緊急事態宣言中のコンセプトカフェに行ってみました

 僕はコンセプトカフェ(メイドカフェやアイドルカフェのこと。コンカフェとも言う)が好き過ぎて、緊急事態宣言が発出されているにも拘わらず、3店舗のコンカフェに行ってしまいました。政府の自粛要請に従って引きこもるか、苦境に陥っている飲食店の利益のために店に行くか迷った結果、後者を選択しました。とは言え、僕が行った大宮駅前の3店舗はいずれも20時閉店なので、僕はそれほど反社会的なことをしたわけではありません。

 日課の30分ウォーキング中にこの記事を書くことを思いついた僕は、「さっそく今日行こう!」と考え、メイドカフェハニーハニー大宮店に行くか、アフィリアブルジュール(魔女っ子バー)に行くかで迷いました。大宮アイドール(アイドルカフェ)は土日祝しかやってないので、その時の選択肢にはなかったです。アフィリアブルジュールの出勤情報をツイッターで調べてみると、推しメンのルチアちゃんの名前があったため、ブルジュールに行くことに決めました。ハニハニは出勤情報が出されないのです。ハニハニには後日行くことにしました。

 僕はコンタクトを入れて、改めて髭を剃り、歯をみがき、髪の毛をセットし直し、ネルシャツの上にダッフルコートを羽織って外に出て、最寄り駅に向かいました。財布のなかには7500円しかなかったため、お金が足りるか不安で、電車が来るまでスマホの電卓で試算をしていました。「ホッピーセット」と「ナカ」でねばれば、18時から2時間いて推しメンにドリンクをあげても7500円に収まることが分かり、安心しました。電車に乗って大宮駅につくと、東口に向かって歩き、腕時計を見ます。17時50分くらいでした。僕は東口交番の近くの腰掛けに座り、時間つぶしを兼ねてもういちど財布の中のお金を確かめました。なんど数えても7500円はあります。そしてなんど計算しても2時間で7500円に収まります。しかしそれでもなぜか不安でした。

アフィリアブルジュール

 令和2年1月22日の金曜日、18時5分くらいにアフィリアブルジュールの店内に入りました。新人さんのミライちゃんが僕の手にアルコールを噴射してくれて、小さな白い拳銃のようなものを僕の額につきつけて熱を測りました。35度ちょうどだったようです。僕の平熱は36度5分くらいなのですが。

 店内にはコの字形の白いカウンターが設置されており、透明なアクリル板がカウンター席の前と左右に立てられています。魔女っ子はみんなマスクを着用しています。僕は飲食をするし、アクリル板もあるのでマスクを外しました(トイレに行くときにはマスクを着けました)。そしてホッピーセットを注文し、推しメンのルチアちゃんにもドリンクをあげました。ルチアちゃんは「ありがとうございます! 私は緑茶ハイにします。緑ハイって美味しいですよね」と言いました。僕は緑茶ハイを美味しいと思ったことがないのに、つい「緑ハイ美味しいよね~」と同意してしまいました。すみませんでした。彼女にとってホッピーセットは珍しく映るらしく、「ホッピーって何ですか?」と訊かれ、「僕みたいな貧しい人間が飲むお酒だよ」と教えてあげました。

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 僕はルチアちゃんとアクリル板ごしに乾杯し、ホッピーの焼酎割りをちびちび飲みます。ルチアちゃんが「私、可愛い女の子が好きなんですよ」と言うので、「じゃあ鏡を見ればいいんじゃないの?」と褒めました。「私、陰キャだから就職できるか不安なんですよ」と言うから、「ルチアちゃんなら顔採用でいけるよ」と褒めました。後者は、ジェンダー論的に不適切な発言だったなと反省しています。ルチアちゃんは緑茶ハイを飲むとき、当然のことながらマスクを外しました。その時にちらりと見えるルチアちゃんの顔が超かわいかったから、「超かわいい!」と心の中で叫びました。

 僕はホッピーのナカを2回頼んだので、お酒は合計3杯飲んだことになります。アルコール類のラストオーダーが19時少し前でした。アルコール類以外のラストオーダーは19時30分だったから、オレンジ系のノンアルコールカクテルを注文しました。ルチアちゃんが一生懸命つくってくれたそのカクテルは、とても美味しかったし、お酒を飲んでいるような気分になれました。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、僕は20時ちょっと前に席を立ちました。20時以降も営業していたら、埼玉県感染防止対策協力金(162万円)が支給されなくなってしまうため、あまりねばらない方がいいなと思ったからです。店側が20時で閉めようとしているのに客のせいで閉められなかった場合に協力金が出ない、なんていう理不尽なことはないだろうと思いますが、念のために早めに出ました。

 店の外に出て、大宮駅東口近くの南銀座通りを歩いていると、黒い服を着たお兄さんが声をかけてきましたが、「すみません、もう20時過ぎてるので帰ります」と断りました。キャバクラは20時以降に1日6万円どころではない売上があるから、協力金をもらわずに通常営業を続けるんだろうなと思いました。

メイドカフェハニーハニー大宮店

 令和2年1月25日の月曜日、日課の30分ウォーキングを兼ねて自宅から歩き、17時10分くらいにハニハニ大宮店前に到着しました。ビルに入って階段を上がると、2階の入口の近くに消毒液があったのでそれで手を消毒しました。入口の扉の窓から店内が見えます。すでにカウンター席はほぼ埋まっています。店の扉を開けると、ピンク色のマスクを着けたメイドさん(なもちゃん)が明るく出迎えてくれました。彼女は「失礼します」と言って白い拳銃のようなものを額につきつけ、僕の体温を測りました。どうやら大丈夫だったようです。

 初対面のなもちゃんに「ハニハニは初めてですか?」と訊かれました。ハニハニ大宮店が開店した直後くらいから通っている僕は苦笑いしながら、「初めてではないですね」と答えました。とは言え、下の画像にある通り、約1年4か月も来ていなかったから、「まあ初めてのようなものだな」とも思いました。来てないあいだは、近くにあるアフィリアブルジュールと大宮アイドールに浮気していました。ハニハニの代表さんがこのことを知ったら怒るだろうなと思います。すみませんでした。

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 カウンター席がほぼ埋まっていたので、僕はいちばん端っこにあるテーブル席に座りました。2人用のテーブルの上には、相席しても大丈夫なように透明のアクリル板が立てられています。僕はマスクをしたまま、とりあえず生ビールを注文しました。メニュー表にはコロナビールが存在し、それは非常に禍々しいオーラを放っていました。「今あえてコロナビールを注文したら面白いかな」と思ったけど、さすがにドン引きされそうな気がしたのでやめておきました。

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 なもちゃんと自己紹介をしあった後、「わたし、今年初めて会った人には今年の目標を訊くようにしてるんです」となもちゃんが言い、僕に目標を尋ねました。僕の今年の目標は、「note長者を目指して、週に1回良質な記事を書きつづけること」でしたが、「note長者」という言葉を発するのが恥ずかしかったため、「今年の目標は、えーと、ブログをがんばって定期的に書きつづけることかな」と答えました。なもちゃんには「目標が具体的でいいですね!」と褒められました。

 マスクを外したり着けたりしながら生ビールを飲んでいると、お通しが出てきました。焼いたお餅2つでした。なもちゃんが「お醤油はどのくらいかけますか?」と言い、僕は「おまかせします」と答えました。するとなもちゃんは「わたしは多めにかけちゃうタイプなんですよね」と言いながら醤油を多めにかけたため、高血圧で腎臓が悪い僕は心の中であたふたしました。が、大の大人なのでそれは顔に出さないよう努めました。醤油が多めにかかった焼きお餅は、身体には悪いだろうけれども美味しかったです。

 せっかく食べ物が美味しいことで有名なハニハニに来たのだから、何かフードを注文しようと思って、大好物であるもつ煮を頼みました。もう一人のメイドさん、らふちゃんに。らふちゃんに会うのは実に1年4か月くらいぶりでした。顔も声も可愛くなっているような気がしました。トーク力も非常に高いです。らふちゃんがハニハニ大宮店で働きはじめて間もないとき、僕に「学生時代はどんな部活に入っていましたか?」と尋ね、僕が「剣道部だったよ」と答えると、そこで会話が終了してしまい、らふちゃんはすごく困った顔で「どうしよう…」と独りごちていたことを思い出しました。

 僕はメイドさんとして大きく成長したらふちゃんと会話しながら、「あの時は困らせてしまってごめんね…」と心の中で謝りました。ちなみに、僕のトーク力は十年以上コンカフェに通っても一向に上昇しません。これだけ通っても上達しないということは、僕って本当にトークの才能がないんだなと思います。コンカフェに行くといつも、僕がキャストさんに介護してもらっているような状態になります。ありがとうございます。

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 もつ煮が出てきたので、食べてみました。まあまあ美味しかったです。個人的には、「立ち飲み日高」のもつ煮のほうが好きです。正直なことを言うと、もつ煮よりもお通しの焼きお餅のほうが美味しかったです。これは皮肉じゃなく、ハニハニはお通しの質が本当に高いです。生ビールもキンキンに冷たくて美味しく、変なにおいもしません。大宮アイドールの生ビールはたまに変なにおいがします。フードメニューでは、焼きカレーが非常に美味しいし結構ボリュームがあります。お腹がすいているときにはよく食べます。

 メイドさんが近くにいないときに、テーブルの上にスマホを置いてツイッターを見ていたら(フリーWiFiが使える)、らふちゃんがやってきて、何気なく僕のヤバ過ぎるタイムラインを見はじめました。「それ以上いけない!」と思ったけれど、懐の深いところを見せたかった僕は、ただらふちゃんがタイムラインをさかのぼるのを見つめていました。フォロイーさんたちには、メイドさんに読まれても大丈夫なツイートをするよう心掛けてほしいです。

 楽しい時間はあっという間に過ぎて、アルコール類のラストオーダーの時間になりました。19時の少し前です。僕は3杯目の生ビールを注文しました。それくらいの時間から急に店内が混みだして、メイドさんとはあまり喋れなくなりました。それでも定期的に、らふちゃんかなもちゃんが僕のところに来て少し話をしてくれたので嬉しかったです。代表さんが、お客に平等に接するようにしっかりメイドさんたちを教育しているんだなと感じました。19時30分ちょっと前にアルコール類以外のラストオーダーを取りにきたメイドさんに、僕はクリームソーダを注文しました。

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 クリームソーダを美味しく飲んでいたら、昔ハニハニ大宮店で、メイドさんがクリームソーダのアイスを特別に一つ増やしてくれたことを思い出しました。平成26年8月5日のことです。当時熱烈にガチ恋していた石川梨華ちゃんの熱愛報道がその日の朝に出て、僕は誰かに慰めてもらいたくてハニハニ大宮店に来ました。すると、本当はやっちゃいけないだろうに、特別にそのようなサービスをしてくれたのです。そのおかげで僕の心はとても温められました。冷たいアイスクリームによって、温められたのです。当時メイドさんだったゆめちゃんは、僕と一緒に泣いてくれさえしました。嬉しかったです。今でもこの出来事は鮮明に覚えているし、一生忘れることはないでしょう。

 お会計を済ませると、閉店時間の20時が近づいてきたため、僕は立ち上がってサッと店を出ました。お見送りは、なもちゃんがしてくれました。僕は「ごちそうさまでした! またね!」とできるだけ爽やかに告げました。帰宅してからツイッターを見てみると、僕がハニハニの店内で投稿したツイートに、早くもなもちゃんから「いいね」が来ていたので、「わたし、ツイ廃なんですよ」というなもちゃんの言葉は本当だったんだな、と思いました。

大宮アイドール

 令和3年1月8日に2回目の緊急事態宣言が発出され、埼玉県内の飲食店は1月12日から2月7日まで営業時間を短縮するよう要請されましたが、大宮アイドールはそれを見越していたかのような素早さで3部制の昼営業を行うことを発表しました。

 僕は昼間の店舗の雰囲気がどんな感じか興味があったし、推しメンのはるぴに「あけおめ~」を言いたかったので、1月16日の土曜日の第2部(14時30分~17時00分)の予約をして行ってきました。大宮アイドールはコロナ禍により、完全予約制となっています。店舗では酒を飲みたかったため、僕は当日、出かけるまでに仕事と勉強を済ませました。それから日課の30分ウォーキングを兼ねて店舗まで歩いて行きました。

 14時45分ごろ店舗について洗面所で念入りに手を洗うと、渡辺綾ちゃんが出迎えてくれて、白い拳銃のようなもので額の熱を測りました。35度ちょうどだったようです。僕の平熱は36度5分くらいだから、かなり低めに出ているなあと思いました。外を歩いてきて身体が冷えていたせいだと思います。消毒液で手を消毒してフェイスシールドを受け取った僕は、それをマスクの上から装着し、カウンターの右端の席に座りました。この席に座ると斜めからステージを見ることになるので、ビニールシート越しではない生のアイドルの踊って歌う姿がわずかに見られるのです。また、アイドルと同じ目線の高さになるから話しやすいです。僕は生ビールを注文し、「昼営業の大宮アイドールで酔っぴらってきた~」と写真付きでツイートしました。

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 緊急事態宣言が発出中なのに飲みに行っていることで誰かに怒られるかもしれない、と不安でしたが、誰にも怒られなかったので良かったです。ところで、大宮アイドールで唯一不満なのは、お客用のフリーWiFiがないことです。上記2店舗にはあるのに、大宮アイドールにだけありません。この3店舗のなかで最もインターネットを活用している店なのに、なぜフリーWiFiが存在しないのか、とても不思議です。ぜひとも早急にフリーWiFiを導入してほしいところです(常連さんの話によると、ライブの時にマイクなどを使うので、電波の干渉があり、フリーWiFiの導入に踏み切れないのでは?ということです)。

 右側のひもを右耳から外し、マスクを左耳にぶらさげ、フェイスシールドを少し持ち上げながら生ビールを飲んでいると、推しメンの「はるぴ」こと兼石はるかちゃんがやってきて、新年の挨拶をしました。僕も「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」と言いました。それからはるぴは「ふちりんって難しい資格持ってるんでしょう? なんとか士っていう」と尋ねます。僕は「noteに書いた行政書士の記事を見たんだろうなあ」と思いました。あの記事は1か月くらいかけて一生懸命書いて1月13日にアップしたものの、1月27日現在、3名様にしか買われていません。参考に買った書籍代のほうが圧倒的に高くついています。このままだと大赤字なので、もし行政書士に少しでも興味のある方がおられましたら、ぜひご一読ください。

 「うん。そうだよ。法律系の資格で、まあまあ難しいよ」と僕は答えました。それからはるぴに年金について訊かれました。年金アドバイザー2級を目指して勉強中である僕は、「若い人でも怪我や病気をして障害者になったら障害年金がもらえるから、払っておいたほうがいいよ」とアドバイスしておきました。生ビールを飲み終わった僕は、高血圧により節酒中なので、2杯目はジンジャエールにしました。店舗の照明が落とされ、それを飲みながら大宮アイドールのライブを観ました。

 コロナ下における店舗ライブは以下のような形式で行われます。まずステージの前面に、透明のビニールシートが下ろされます。通常時に歌われる曲数は5曲ですが、現在は3曲のみです。アイドルたちは透明のマスクを着けた状態で歌ったり踊ったりします。お客はマスクとフェイスシールドを着けたまま、声を出してはいけません。手拍子やフリコピをしたり、光る棒を振ることは許されます。

 僕はライブ中、心のなかでヲタの掛け声を叫びました。掛け声に詳しくない僕でも、「イエッタイガー!」や「ガチ恋口上」くらいは分かります。ライブが終わると、アイドルが早くもラストオーダーを取りにきました。僕は生ビールと、アイドルメニューのパンケーキを注文しました。最近、この店でパンケーキを注文するのにハマりつつあります。アイドルとまったりした時間を過ごせるし、アイドルがデコレーションしてくれるパンケーキはめちゃくちゃ美味しいからです。僕はそのパンケーキのことを、「幸福のパンケーキ」と呼んでいます。最初は「幸せのパンケーキ」と呼んでいたけれど、本家に怒られそうなのでやめました。

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 推しメンのはるぴがつくってくれた幸福のパンケーキは、おしゃれな喫茶店に出てきそうな見目麗しいパンケーキでした。味も美味しかったので、幸福な気持ちになれました。パンケーキが出来上がると、はるぴに「くずれないうちに写真撮って!」と言われたため、すぐにスマホのカメラを起動させて写真を撮りました。幸福のパンケーキを「うまい! うまい!」と思いながら食べていると、「ももてぃ」こと白川ももちゃんがやってきて、「ふちりんは最近はるぴにお熱なの?」とニヤニヤ顔で尋ねます。僕は「いや、お熱っていうわけでもないよ。推しメンではあるけどね」と答えました。「推しメンかあ! いいねえ!」とももちゃんは笑顔で言って去って行きました。

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 この日は緊急事態宣言が発出中だったため特典会はなかったけど、発出前の平日には21時30分で店舗営業が終了し、22時まで特典会が行われていました。アイドルたちがお話をしながらチェキに落書きをしてくれる会です。アイドルたちはマスクをし、ヲタクたちはマスクとフェイスシールドを着け、アイドルとヲタクの間には透明なビニールシートが胸の辺りまで下ろされていました。

 初めてその様子を目にしたとき、「ここまで厳重にコロナ対策をしている場所は、世界中でもここだけだろうな」と思いました。そこまでしなくても、と思わなくもないけど、万が一ここでクラスターが発生したら大宮アイドールが終了しかねないので、これでいいんだと思います。特典会の際、僕の通りにくい声はおそらく聞こえないだろうから、僕は二言三言返事をする以外はただ笑っているだけでした。しかしアイドルたちの声はしっかりと聞こえたので、さすがプロだなと感服した次第です。

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