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あなたの手元に届いたお金やポイントは、誰かからの感謝の気持ちによって届けられたものですか?[利益とは何か #3]

実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?

[利益とは何か]は、ミッションからスタートする<5つの質問>というツールを使いこなせるようになることを目的に書かれています。


社会と経済にとって必要不可欠なものとしての利益については、弁解など無用である。企業人が罪を感じ、弁解の必要を感じるべきは、経済活動や社会活動の遂行に必要な利益を生むことができないことについてである。

『マネジメント(上)』
第Ⅰ部 マネジメントの役割 第6章 企業とは何か p89より


佐藤等先生は、この部分について「利益に対する第1の誤解」(利益とは何か p5)として解説されていますので、詳しくは本書をご確認ください。

このシリーズを書き始めて、お金って何だろう、利益って何だろう、と考える機会がとても増えました。
「無職」ですので、稼げる「何か」が必要です。
でも、お金を手に入れられる、となったとき、そのお金を稼げた理由がとても大切になってきました。
このお金はなぜわたしの手元に届いたのだろう……。
このお金は感謝の気持ちの代わりに、目に見える・形のあるものとして提供されたものだろうか……。

今はAIがあるおかげか、これまで捨てられていたレシートから、日々の体調の記録から、なんでも情報としてお金・ポイントに変えることが可能になりました。
わたしもその利便性を享受している一人です。
いろいろポイントを集めて、書籍購入に充てたりしています。
その利便性を手に入れるために、決めていることが一つあります。
「サービスを紹介することによって、お金・ポイントを手に入れない」
何気なく決めていたことでしたが、強く再認識する機会がありました。


ねずみ講に類すると想定されるサービスの、LINEでの説明会に参加しました。

【「ねずみ講」と聞いて、「わたしは引っかからないから大丈夫」と思った方はぜひ!! 長いですがお読みください。わたし自身、金銭的な問題を抱えていたならば……大丈夫じゃなかったかもしれません。うまく説明できていない部分もあると思いますが、いつかどこかで、「これ、危ないかも?」と一瞬でも意識を戻せるきっかけになればと思います】


仲介サイトから何件もLINEへ誘導されるので、そういうものか、と誘導されるままにやり取りしていたのですが、きちんと仲介サイトの注意事項等を確認すれば、明確な利用規約違反。
認識不足が招いた過ちですが、せっかくの機会なので、説明会に参加することにしました。
転んだままではいられません!! この経験から何かを得なければ(/・ω・)/

仲介サイトからLINEに誘導され示された業務内容は「求人サイトへの情報のコピペ、情報に対する問い合わせ対応」で簡単な作業のみ、だけど稼ぐ意欲の確認できた人のみへのご紹介です、とのこと。
↑↑ 改めて文字にすると、かなり危険ですね……
  安全地帯に戻ってこられてよかったですΣ( ̄ロ ̄lll)
事前の説明では、「こちらはねずみ講・MLMには該当しません」「詳しく話を聞いていただければご理解いただけます」と聞かされていました。

いろんな商品の利用権利を自身で購入したうえで、紹介されているオンラインサロンなどのサブスクサービスやレシート記録アプリなどを、稼げる仕事として紹介もしくは説明会に誘導するだけで、あなたから数珠つなぎに紹介された人数分の権利金や格安でゴージャスな旅行に行く権利があなたの手元に!! という説明と、きらびやかな写真のオンパレードでした。
このサービスを、MLA(マルチレベルアフェリエイト)と呼ぶそうです。
「仲介サイトやLINEという、他のサービスに比べて利用者が格段に多いサイトを選んで餌をまくだけで食いついてくる釣り場styleなので、集客しなくても成果が出る」と説明されました。
稼ぐ方法として、毎月一人紹介するだけでも、毎月自分が紹介した人が購入した権利分、その紹介した人から紹介された新しい人が購入した権利分も加算されるので、1年目に紹介活動を頑張れば、あとは不労収入が継続的に安定的に、2乗3乗と累積されながら得ることができます、というものでした。

ここで得られるお金、稼げるとされているお金は、どのように集められたのでしょうか。
最近だと、飲食店やその他のサービス業で時間給で働いていたけれど、不要不急の行為に括られてしまい、利益が激減し出勤日を大幅に減らされるなどして収入が途絶えてしまい、今日食べるものにも困っていらっしゃる方が、新しい働き口を探しているときにこの説明会を見つけ、何とかして払い込んだなけなしのお金が集められたものではないか、と感じました。
今の働き方のままでは体を壊してしまう、いつ解雇を言い渡されるかわからないと危機感を抱いていた方たちが、副業として稼ぐためにつぎ込んだお金が集められたものではないか、と感じました。
それらの、他人の生活をむしばむように集められたお金によって、一部の限られた人(早い段階でこのサブスクサービス(MLAと呼ばれるもの)に飛びついた人)が豪遊している、という現実を目の当たりにしました。


今回引用されているドラッカー先生の言葉、
「企業人が罪を感じ、弁解の必要を感じるべきは、経済活動や社会活動の遂行に必要な利益を生むことができないことについてである。」(『マネジメント(上)』p89より)
という部分は、利益から収められた税金によって国のインフラや社会保障が成立し国民の生活を下支えしているのに、稼ぎの少ない人たちが稼いだわずかなお金を吸い上げることで、ごく少数の稼ぎの多い人たちが私腹を肥やすような行為をしているとき、罪を感じ、弁解の必要を感じるべきだ、と断罪しているものと読みました。


説明会のスタートから、きらびやかなプライベートジェット・ヘリを活用した旅行や、豪華なホテルで開催されたセミナー懇親会での楽しそうなひと時の写真がたくさん紹介されました。
「あなたも是非、この豪華な旅行を体験しませんか!!」との誘い文句を聞いたとき、「自分が相手のためを思って頑張ったことに対して、感謝の気持ちとしていただいたお金で、一緒にちょっと豪華な旅行をしよう!!」と胸を張って家族を誘えない自分を想像しました。

ふと、きれいなお金と汚いお金、というイメージが湧きました。
お金はただの記号で、きれいだとか汚いだとか形容されるものではないはずです。
でも、おいしいものを食べるとき、気持ちよく食べたいので、きれいなお金で支払いたいな、と思ったんです。
自分が誇りとともに手に入れたお金で、おいしいものを食べたいんです。

先にお伝えした「サービスを紹介することによって、お金・ポイントを手に入れない」という自分の中の決めごとも同じことです。
サービスを紹介することで、ほかの方法とは桁の違うお金・ポイントを得ることができます。
でも、そのサービスを使うことで、紹介した人に何か不利益が生じてしまったら……?
たった数千円、数千ポイントが欲しいがために、紹介をしたことで、大切な人との縁を失ってしまったら……?
自分で責任のとれない行為は自分の首を絞めることに直結するので、相手から感謝される形以外で得られるお金・ポイントを手にしない、と無意識に決めていたようです。

何かサービスを紹介してほしいと頼まれたとき。紹介することがわたしのできることであれば、応えられるものであれば応えます。
その行為が相手のためになることかどうか、相手のためになるという自信があるかどうかは、そのタイミングにならないとわからない気がします。
だから、基本的にはしない、と考えています。
自分の時間を費やして、数独でポイントを集めたりはします(≧▽≦)
誰も傷つけていないはずだし、自分の時間を犠牲にして得ているものだから、これはわたしのセーフラインに括っています……大丈夫かな……(-_-;)なので、実際の行為に参加せずに済みました。

でもサクラではない感じで参加されていた方は、現在進行形でアフェリエイトやせどり、ネットオークションなどで負債を抱え、わらにもすがる思いで参加されていたように感じました。
「利益とは何か」を考えていなかったら……お金は感謝の気持ちに変わるものというイメージをもてていなかったら……明日食べるものにも困っていたら……関与せずに済んでいたか、正直自信はありません。
わたし自身、騙されやすい人種でもあるので(-_-;)


MLMもMLAもビジネスの手法の一つです。
適切に運営されていれば、そこに対等なWIN-WINが存在するのであれば、という前提はありますが……。
今回、わたしがMLAを新しいねずみ講と考えたのは、以前は高額商品一本だったものが、毎月定額を支払い続けるというサービスに変わっただけ、というところです。
そして、昔であれば、家族や知人友人を誘う、という方法しか取れなかったのに、今ではSNSで相手側から食いついてきているということで、相手にとって良いサービスを提供している、と販売側が錯覚しやすい構造になっている、というところが、より大きく悪いインパクトを生み出している要因では、と考えています。
説明会の中でも、すでにシステムの中で紹介するためにコピペ活動を懸命に頑張っている人も、紹介された人もWIN-WINであるという話がありました。
1人でも紹介できれば、そこから少額でも収入が発生することになります。継続すれば、その収入は増額される仕組みになっています。
頑張り続ければ、そんなに遠くない時期に豪遊できる日々がやってくるかもしれません。
その時には、上層部にもっと多くの権利金が流れ込んでいることになります。
少数の上層部に多くの資金が流れ込む、という資本主義のひずみは、とっても気づきにくい形で、そのシステムの中に縮図として表れているのです。



ここまで、とっても長いのに読んでいただきありがとうございます。
高額収入という言葉に魅かれないでください。
生活に苦しさを感じているのであれば、あなたを手助けできる方法はほかにもいろいろあるはずです。
副業収入を得ようとするとき、誰かを紹介することで得られるお金で生活を支えようとしないでください。
それはほかの人の生活をむしばんでしまうものかもしれません。
「詐欺になんて引っかかるほうがバカなんだ」
「わたしは大丈夫」
絶対大丈夫なんてことは、生きていく中でありません。
明日も今日と同じように生きていけるとは限らない世の中へと変貌しています。
あなたが生んだ利益は、誰に感謝されて生じたものですか?
あなたの生んだ利益は、あなたのどのような行為によって育まれたものですか?
あなたの生んだ利益は、誰を幸せにしていますか?


『実践するドラッカー【利益とは何か】』 
chapter1 「利益」とは何か p4 #3


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