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その事業が生み出す利益は、顧客にとってどんな付加価値を提供することによって生まれているのでしょうか。[利益とは何か #9]

あらゆる組織が社会、経済、人間に貢献するために存在する。当然、成果は組織の外にある。それは社会、経済、顧客に対する成果として現れる。企業の上げる利益にしても、それをもたらすのは顧客だけである。(中略)組織の内部が生み出すものはコストだけである。内部にあるものはコストセンターにすぎない。

マネジメント(中)』 第Ⅱ部 マネジメントの方法
第39章 管理手段 p161より


多くの人に手に取ってもらえるモノ・サービスには、付加価値がふんだんについている気がします。
付加価値って何でしょう。
わたしは、そのモノ・サービスに関わった人の貢献だと考えています。

モノ・サービスを手に取った方にとってどんな価値があるかを考え抜いたものだけが、顧客に伝わります。
顧客にとっての価値を付加するための苦労話は、モノ・サービスに本当の価値が付けられたなら、モノ・サービスを彩るストーリーになります。
組織の外に伝えられた付加価値だけが利益を生みます。

顧客にとっての価値が伝わらなければ、伝えられなければ、無駄な時間を過ごし無駄なコストをかけた廃棄されるだけのものになってしまいます。
組織の内側しか満たせないものは、顧客から付加価値と認められず、利益を生むことはありません。

利益がなければ、組織は存続することができません。
利益を生まない事業は、社会から求められていない事業です。
単純に流通チャネルが適切ではなかった、とか、伝え方が足りなかった、とか、うまくいかない理由はあるかもしれませんが、顧客に届かなければ、そのモノ・サービスには価値がないことになります。
価値がないものは、ただのコストにすぎません。

組織として、利益を食いつぶしてしまうならば、組織そのものが社会から求められていないことと同じです。
組織は社会の公器です。
組織は社会のインフラや社会福祉を支える費用を集める道具ですから、コストを生み出すばかりでは、社会から不要なものとされてしまいます。

付加価値は、そのモノ・サービスに関わる人すべての貢献のベクトルだと思います。
そのモノ・サービスが、顧客のもとに届き、顧客の問題を解決し、顧客の幸せを願うからこそ、価値として顧客に届くのだと思います。
そういう想い・貢献が付加価値となり、利益を生み、組織を存続させることにつながるのだと思います。


本棚を眺めながら、「貢献、貢献……」とつぶやいていたら、タイトルが呼んでくれました。
幸せな人は「お金」と「働く」を知っている』 (新井和宏 著 イースト・プレス)
著者の新井さんは、鎌倉投信株式会社を創業された後、2018年9月に退職、株式会社eumo(ユーモ)を設立されています。

新井さんの言葉に触れると、投資って貢献なんだなぁ、と感じます。
モノ・サービスを生み出すことに直接関与しなくても、投資という行為を通して、社会に対してよい変化(成果)を生み出すことができるんだ、と感じます。
ご紹介した本は、鎌倉投信に取締役として在籍されていた時に出版されました。
組織として、投資家として、鎌倉投信に関われることが幸せである、と感じられるなんて!!
ただのマネーゲームでは、そんな幸せを感じることは難しいのではないでしょうか。
価値を付加できる、そんな働き方がしたい、と思うのです♪


この引用文を見るたびに、中略以降の2文も併せて引用されたのはなぜなんだろう、と考えていました。
中略以前の部分だけでも十分に伝えなければいけないことがたくさんあるのに、この2文が、もっともっと伝えなければいけないことを引っ張ってきます。
モノ・サービスには貢献の想いがたくさん付加されているから価値が上がるけれど、その付加価値が受け手にとって不要なものであればただのコストです。
貢献したい先が、組織の内部である可能性があります。
営業成績を上げて認められたい、売り上げに貢献したい、この商品をオワコンにしたくない……、どれも顧客にとっての価値につながりません。

ドラッカー先生のいう「コストセンター」とは、社会の問題解決にベクトルが向いていない、思考・言動・行動を示していると考えています。
成果に結びつくものと、成果になりえないもの、両方をわかって行動することが、必要とされる価値なんだなぁ、と感じています。
引用文の中略の前後は切っても切れない関係なんだ、と改めて感じました。

あなたの組織は、社会、経済、人間に貢献するために何をしていますか?
あなたの組織は、どんな成果をあげていますか?
あなたの組織があげた成果は、社会、経済、顧客に対してどのような変化を生み出していますか?
あなたの組織に対し、顧客は何を求めていましたか?
あなたの組織に対し、明日の顧客は何を求めていますか?
あなたの組織の内部が生み出しているものは、ただのコストですか?
あなたの組織が生み出しているものは、顧客が求める付加価値ですか?


実践するドラッカー【利益とは何か】』 
chapter1 「利益」とは何か p20 #9


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サークル始めました♪
5月は、
ドラッカーの日 5月15日(土)、5月19日(水)
「箱」の日   5月22日(土)、5月26日(水)
いづれも朝6:00-7:00で開催予定です。


実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
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ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?

[利益とは何か]は、ミッションからスタートする<5つの質問>というツールを使いこなせるようになることを目的に書かれています。

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