みずのうた

2019/4/12

みずのうた

水底にしずんでいくのをさよならとつぶやきながらずっとみていた

お昼には乾いた庭の水溜り
淡い光がうかんでたのに

てのひらのしわのあいだのしめりけの
あたたかいのはきっとその場所

君の頰流る朝露舐め取りて
さいはひなりと泪をながす

かえりたい、死んで行くのはこわいので
胎(はら)の水面(みなも)をおもいだしては

膝の上寝ている僕に聴こえてる
囁いたのは波のおとなの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?