lonely

母が持っていたYael Naim のアルバム。その中の一曲であるlonelyをはじめて聴いた時、寂しさという感情を、わたしに(そして多分すべてのひとに)根付いた懐かしいものだと無意識下に感じるのと同時に、それに憧れのようなものを抱いていた。それは幼いわたしには高尚で、センシュアルな薄青色の美しいものに思えた。でもそれは今となってはわたしに近くて、残酷なものだった。

Making it insane
Once again, I would try
To enchain you
But you open your eyes to the sky
And whisper
That you're so lonely

You are so alone
You're so alone
You're so lonely
So lonely

どんなに近くても、愛していても、私たちは違う人間だった。母は幼いころの彼女を愛しなおすようにわたしを愛した。母の祈りはわたしのためでも、幼いころの彼女のためでもあった。恋人を美しいもので包もうとしても、それはわたし自身をわたしが美しいと決めたもので守ろうとすることに他ならなかった。わたしたちはみなひとりだった。ずっと、寂しいのだった。そして、それに思い至ること、それに言及することは、あまりに残酷なことだった。この歌のように。永遠の孤独について語ることは詮ないことだから。自分を愛そうとするとき、ひとを愛そうとするとき、そんなふうに傷をつけることはしないと、わたしは決めなければならないのだ。永遠に。

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