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何ものでもない私がサークルを作った話#4

前回まで

①初めての新歓活動

サークル2年目が開始。
新歓の準備として、3つ作業を行った。
①公式Tシャツを作ること
②新歓stageで披露する曲を練習
③公式Twitterを更新
全て他大学の新歓活動を参考に見様見真似。
Tシャツはユニフォームみたいなものだし、作成したかったので、実物を手に取りみんなで着たのは忘れられない。
もう早速、後の代に新しいデザインのものに変えられてしまった、前述のダンス経験者助っ人メンバーが1時間で作成してくれたデザインだけど、私にとっては愛おしく、今でもパジャマにして着ているくらいだ。
新歓で披露する曲は本当は新しい曲を披露したかったのだけれど、メンバーの練習時間が合わず、全曲新しい曲は難しいということで1年目にやった曲を交えたセットリストにした。
実は私が高校生の時からしたかったKARAをできてちょっと嬉しかった。
本番前に練習する場所が確保できず、屋上で練習したら思いのほか、青空の下で素敵な写真を撮れたこと、もう1つのヨジャチングの曲の衣装がお揃いで分かりやすかったため、周囲にカバーダンスサークルとして認知してもらえたこと。
複数の偶然が積み重なって、パフォーマンスは個人的には大成功だったと思う。
あとは勧誘活動に励むのみー。
パフォーマンス中で上手くそろった部分をトリミングしてTwitterに掲載。
キャンパス内にKPOP好きそうな人がいたら突撃し、片っ端から声をかける。(分かりやすくシースルーバング、キーホルダーをつけてくれたみんなありがとう)
メンバーが少ない中でシフトを組み、(ほぼ毎日のブラック企業)地道な勧誘活動を経て20名弱が集まった。

こんなことってある?私は有頂天になった。
人が集まればできることも広がる。
ここで注記したいのは新歓から参加した途中メンバー(1.5期生)がうまく馴染んでくれたことが大きい。
後に私と仲良くなった子や姐と慕うお姉さまも上手く既存メンバーとやってくれた。ロングヘアで既存メンバーが中々したがらなかった曲をやりたい子たちだったおかげでサークルとして披露する曲の幅が広がった。

と同時に、途中メンバーで上手く繋げることができなかったメンバーもいる。せっかく勇気を出して入ってくれたのに自分は上手く既存メンバーの輪に溶け込めるように配慮ができなかった。
当時は自分自身が既存メンバーの輪に入り込むことで一杯一杯だった。
自分は他のメンバーと好きなグループも違ければ、なんとなく”推しアイドル”に対しての熱量に差があった。
例えばCDを何枚も買ったり、トレーディングカードを集めたり、私はそういったことはせず、TVで見るだけで十分。そんな言わば茶の間なライトなヲタク。
また長期休みごとに渡韓はせず、東南アジアを巡る。
少し他のメンバーと”韓国カルチャー”、”推しグループ”に対する熱量に差があるのだ。それに付随して盛り上がるポイントも違う。
今だったら、それはそれとして接することができるけど、当時はメンバーと馴染むことが大事。各人はそれぞれ各々馴染む努力をしてくれ。
そんな風に思っていた。
今考えると完全に幹部としての役割を放棄している。
この場を借りてお詫びしたい。
だからこそ、そんな兼サーをしているライトなサークルメンバーを最後まで繫ぎ止めた(許容していた)後輩たちの運営は素直にすごいと思う。
大幅に話が逸れてしまったが、卒業まで続けた1.5期生と同時に途中脱退した1.5期生もいる。2期メンバーが大量に加入した裏で、人の出入りが多かった新歓期間なのであった。

新歓期間の後はサークル体験を経て、正式に入部するメンバーを決める。
サークル体験はダンス部出身で人懐っこいメンバーに任せ、私とA子は必要な個人情報の整理や入会費用の策定など事務作業に徹した。
簡単なエクセルシートを手書きで作成し(今だったら表計算を使うね。不器用すぎるんだよ自分は)、年会費は他大学を参考に負担が少なく、かつ必要な費用を賄えるギリギリの金額を検討した。
1年目はスタジオなど都度必要な費用を都度精算していた。
2年目以降は人数も増え、合同リハで逐一精算するのは難しいだろう。そんな風に考えた。
正式に入部メンバーが決まった後は新入生お披露目会に向けて曲希望の集計と練習教室の確保、練習時間の割り振りなど2期生の活動を始める。

②2回目の他大学対抗イベント

この裏で進むイベントの準備。
今回は前回不参加のメンバーが多く、前提として本イベントの趣旨を説明するところから始まった。また今回はA子が参加しない。
自分がイベントの運営者と連絡を取ったり、2チームの完成度を上げるためマネジメントを行った(と言っても大したマネジメントではないけれど)
ようやく始まった本格的なサークルの運営と自分自身のパフォーマンスに不安と心細さ、自分がしっかりしなければ、そんなことを考えながら生活していた。

今回、自分が踊るのはblackpink。言わずと知れたダンスが強みのグループだ。他のメンバーはダンス経験者。そして元々の知り合いだったりゼミが一緒だったりで他のメンバー同士で仲が良い。
自分が溶け込めるのだろうか。不安でいっぱいである。けれど練習時間は私達4人。不安なんてことも言ってられない。
幸い、良いステージにするためにキツイことも言ったり、意見を出してくれるメンバーだった。自分は毎回の修正箇所についていくので必死だったが、それがかえってやりやすかった。
まだ完全に溶け込めている気はしないが、人間なので練習を重ねるごとになんとなく無駄口を叩いたり、雑談をするようになった。
そんなこんなで自分のダンスはどうにかするとして不安なのはもう1つのチームだ。
1.5期生の仲良しなお姉さんや既存メンバーに頼り任せてしまった。
というより、本音を話すと上記のサークル運営作業に一杯一杯でそこまで気が回らなかったし、なんで自分ばかりこんな地味な事務作業をしているか。少し不満が芽生えてきていた。だから各チームはそれぞれやってよ、と。
そのマネジメントをするのが幹事の役割なのにだ。
ギブアンドテイク、見返りを求める考え方だったのだ。
だから当時の自分を振り返ると横柄な態度が目立っていたような気もする。
よくぞ、みんな辞めずについてきてくれた。
そんな調子でイベントに向けて練習が続く。
もちろん今回も衣装作りがある。
ユザワヤで生地を購入し、裁縫が得意な祖母に依頼した。
少し、ゆってぃ(ワカチコワカチコ)な気がしないこともないが、完成。
当時そこまで仲良くなかった1.5期生に「黒のテニススカート借りてもいい??」と聞いて衣装調達。
ちなみにこの他人行儀は文章は今では笑いのネタだ。

こんな具合に準備とフリ合わせを行い当日を迎えた。
自分のチームの心配だけをして。

当日、他大学の幹部の皆さんに挨拶をして、イベントの流れを確認する。
最初にもう片方のチームが披露し、次に私たちのチームのステージだった。
準備の確認や衣装準備の手伝い、いっちょ前に記念撮影をし、披露した際には精一杯の声援を送った。
頭の片隅では自分のフリの心配をしながら。
そうして迎えた自分のチームの順番。
前回の反省を参考に①大きく踊ること②過剰に表情や口パクをすること
この2点を念頭に踊った。
大きなミスもなく、また有名な曲なこともあり会場は盛り上がってくれて気持ち良く踊り切ることができた。
今回はもしかしたら審査員賞くらいはもらえるかも。そんな淡い期待を胸に順位発表を迎える。

結果はまたしても呼ばれず。いや当たり前っちゃ、当たり前なのだが。
気を落とし、審査員の総評を聞いていると「blackpinkの○○パートの子が口パクをしっかりしてなりきっていて良かった」そんなコメントが話された。
???
自分のことを褒められたのか????
頭が真っ白になって、自分のダンス単体では上手くないからこそ気を付けた部分を評価してもらえたことが素直に嬉しく、涙があふれだした。
何だか、時にはしんどい思いをしながらしていたことが少し報われた気がした。
こうして入賞はできなくても満足のイベントだった。

けれど、今考えると「自分さえよければ」そんな独りよがりな気持ちだったなって思う。当時は確かに自分でいっぱいだった。けれど、もう一方の練習のケアをしたり、前回にも出演しているからこそ衣装のアドバイスをしたり、サークルとして評価を上げるためにすることはいくらでもあった。
それをせず、最初から自分のチームの完成度や自分のフリを一番に心配するのはただのメンバー。幹部としての意識が欠如していた。
そんな喝を入れたい。

③新入生お披露目イベント

イベントが終了し、テスト前最後のイベントは新入生発表会。
ここで私は大きなミスを3つ起こしてしまう。
1つ目は入部人数を間違えて、3人余らせてしまい、3人でproduce101の曲をさせたこと
2つ目は発表に使用する部屋を間違えて違う部屋で準備したこと
3つ目は音響の使用申請をせず、スピーカーも持ってこなかったため、携帯から音を流し、微かな音響になってしまったこと
1つ目は謝罪し、次の文化祭で第一希望の曲を入れてあげるという裏口約束をして、解決
2つ目は使用予定のサークルに事情を話し、部屋を交換してもらった(皆さんの優しさでなりたっています)
3つ目は新入生に謝罪し、ネットで「携帯 スピーカー代わり」で検索。ルーズリーフで携帯を包み、メガホン状にする。という効果があったのか無いのか微妙な対応で乗り切った。
よくぞ、まあこんなわけわかめなサークルに入ってくれたよ。
といいつつ、2期のみんながいないと継続はされていないので圧倒的に感謝なんだけど。

2期のみんなは何だか初々しくて可愛かった。
また男メンバーが3人も加入してくれたおかげで(これまたみんな上手い!!)サークルとしてできる曲の幅がグッと広がった。
あとは単純に1期で野次馬しながら盛り上げたのが、すごく楽しかった。
2期の楽しそうにやっているのを見て、嬉しかった。

新入生発表会の後は文化祭練習の開始。
何だか、去年より素敵なステージができそう。そんな思いを持ちながら新入生発表会の進行と会場の設営片付けを行った。

この頃には「空のペットボトルはちゃんと捨てて」「教室の原状復帰はしっかりして」そんなことをちゃんと注意できるくらいには信頼関係を築けていた。

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