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書く生活

大坂・北加賀屋のCCOで開催された「キタカガヤフリー2023オータム&アジアブックマーケット」に行ってきた。

https://kitakagayaflea.jp/

CCOとはクリエイティブセンター大阪の略称で、旧名村造船所大阪工場にできたスペースです。
ちなみにこの旧名村造船所跡地は経産省の近代化産業遺産に認定されたらしい。

北加賀屋駅を降りて、10分ほど歩いたのですが、そこまでに町工場や工場が沢山あった。
また、ウォールアートや個人経営のカフェ、モニュメントが至る所にあり、何ともお洒落な街だった。
初めて、降りた駅ですが。

元々、このイベントを知ったのは普段利用する駅のポスターを見かけたからです。
最近、この駅のポスターから面白そうなイベントを多く知り、(かつ何回か参加してみたが、実際に面白いものばかりだった)
移動手段としてではない情報収集ができる交通機関っていいなと思った。

さて、このイベントですが、
1階は主に飲食店やフードトラックが出店。
2階は雑貨やライブスペース。
3階は個人または小規模出版社の出店。
韓国や台湾、香港の出店もあり、おもしろかった。
個人出版ならではのニッチなジャンルや題名の本・ZINEが多くあり、興味をそそられる。
韓国のZINEデザインは「ああ~韓国ぽい」っと感じた。
人のイラストでハングル文字をかたどったデザインのテキストは雑貨としても使えるし、何より自国の文化を用いてアートにするのはお洒落で粋だなと思った。
世の中にはこんな沢山製作者がいるのかと思うと、俄然、創作意欲が湧きだす。

ちょうどいい時間に安達茉莉子さんと土門蘭さんのトークショーがあった。
お二人のブログを添えて。

土門蘭|note

失礼ながらお二人を存じ上げていたわけではないが、トークテーマが「書く生活」で、自分にぴったりなテーマだったので、参加してきた。
結果としては、このトークショーを聞くことができただけでもこのイベントに行った意味がありすぎるとても濃厚で有意義なものだった。
お二人とも元々社会人をしながら、文筆活動をされていて、今は完全に文筆業で生活されている。
内容は「文筆家って実際はどんな生活をしているの?」
「本を出版した前後で変わったことはある?」
「なんで、書こうと思ったのか」
「書くテーマが無くなったときってどうしているの?」など多岐にわたる。
全体として、お二人の会話を盗み聞きしているようなリラックスした雰囲気だった。(おそらく)転職をするので、出版社の仕事の話を少し聞くことができたのもよかった※お二人の締め切り納期の話にて

2年前、会社で自己肯定感をもぎ取られていた時に「一般人でも何か成果物を作成したい」と思い立って、始めたnote。
マネタイズを目指しているわけでもなく、完全にただ自分の書きたいことを食、旅行、イベント、考えていること、読書感想文、映画感想文、色々なテーマを書いてきた。
このトークショーを聞いてインタビューも面白そうだな、してみたいなと思った。
お二人とも、自分自身の考えを書くことと。誰かの言葉を書くこともしている。
なんと、土門さんに至っては養老孟司さんにインタビューされたことも!
インタビューは誰かの想いを伝える一助という意味では生きる意味になるし、安達さんがおっしゃていた「失われるものに意味や興味を感じる」これはとても共感した。
まずは身近な人にインタビューしてみようかしら。
世間的に有名な人ではないけれど、私の両親や弟、友達たちにはその数だけの考えや人生があるわけだしね。
少し話が反れるが、一度父から「なんでこの職業をしたのか」を聞いたことがある。
どこにでもいるおじさんの1人なわけですが、職を選んだ理由に深い意味があり、感動した。
自分の「関西に住んでみたいから」なんて薄っぺらい理由ではなかった。
勿論それだけではないですよ。22歳なりに考えて、この会社に入る意味と理由を見つけて、入社したわけです。

このトークショーの中で一番共感した、腑に落ちたのが、安達さんの言葉。

「母語って楽なんです。慣れている分、簡単に自分のキャラを作ることができるから。だから物理的に言葉が通じない外国や自然のあるところに行って、言葉を失って、考える。考えつくした後に出てくる言葉を書いていきたい。」

記憶を頼りに書いているのでニュアンス

私も自然や馴染みのない場所を散歩することが好きだ。1人旅で感じたことをnoteにも書いている。それが好きな理由は多分、安達さんの言葉が全てだ。

何もない場所に行った時、自分はそれまでの経験や知識から感じた感想が出てくる。
同じ場所に行ったとしても、それまでの経験によって、抱く感想が異なる。
美術館やライブに行った時に人によって着眼点や感想が変わるし、同じ人でも行く時期によって、変わる。
それに最近気づいて、昔いった場所に再び訪れる“リバイバル旅行”に最近はまっているのですが。
でも、こんな言葉を見つけることができるのも、安達さんの今までの経験によるものだろう。

最後にお二人に好きな本を質問してみた。
最初、「趣味でnoteを書いているのですが。」と前置きをすると、お二人が「いいですねえ!」と言わんばかりの表情になり、アマチュア・プロ、無名・有名関係なく「書くこと」が本当にお好きなんだなと思い、素敵だなと思った。

そして、お二人のお好きな本は、
安達さん:よしもとばななさんの「アムリタ」
土門さん:江國香織さんの「きらきらひかる」
「きらきらひかる」は確か映像化されたことがある?タイトルとあらすじが聞いたことがあった。
「アムリタ」は全くの初見。
ちなみにこのアムリタと出会ったのは、カトマンズの日本人のバックパッカーが置いていった古本を売っている古本屋だそうで、とてもその古本屋に行きたい+自分も本を置いていきたくなった。
(おそらく店主のネパール人は日本語を知らない)
イベント後、あらすじを調べてみるとどちらも「自分らしくいきる」ことを考えるヒントになりそう。
最近、自分がどう生きたいのか、何をしたいのか、迷走していたので、さっそく購入してみた。
そもそも、歴史小説や文豪作品ばかり読む自分にとって、久しぶりの小説だ。楽しみだ。
そして、たまたま出会ったお二人の作品
安達さん「私の生活改善運動」、土門さん「死ぬまで生きる日記」も読んでみよう。

こう振り返ると不思議なもので、人生はしかるべき時に、しかるべき人やモノに出会えるようにできている。

なんてね。

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