見出し画像

四字熟語の話

趣味は何かと聞かれたら、漢字の勉強と答えるかもしれない。

小学生の頃からずっと漢字の魅力にのめり込んでしまい、暇な時とか、勉強したいけど何すりゃいいか…って時にカリカリとノートに書いている。

漢検は準一級を持っており、現在は一級のテキストを開いてはゆるゆると勉強している。

最近は四字熟語を中心にやっているのだが、これがまた面白い。

ということで、最近感動した四字熟語たちと共に、ちょっと語らせていただく。


自分的四字熟語の魅力

四字熟語とは、その名の通り、四つの漢字を用いた熟語である。

漢字は一つだけでも意味を持つ。それが四つ並ぶことで、それぞれの意味が混ざり合い、一つの意味に帰結する。まるで化学反応のように。

その化学反応が、時に為人を、時に人生の教訓を、時に治世を表現する。同じような意味だとしても、文字一つ違うだけでニュアンスが変わってくる。

なんて面白いんだ。

そんなわけで、四字熟語の世界に没頭中なのである。

ここからは最近学んだものの中から3つ厳選して語りに語っていく。


斗折蛇行(とせつだこう)

川や道が曲がりくねっている様。


「斗折」は北斗七星の曲がっている形を表す言葉。

曲がって曲がって。景色を思い浮かべると、正直ストレスを感じてしまう気がする。「蛇行」とかもう遠回りだからね。

でも夜空に浮かぶ星、しかも人々の標となる北斗七星を喩えに用いていることで「その曲がり道も悪くない」って思える。人生山あり谷ありが美しいんじゃないの。そんなことを言われた気がした。

北斗七星だって真っ直ぐ7つ並んでいては、「北斗七星」なんて名がついて知られることもなかったんじゃないか。曲がっているからこその美しさ。今だって、何事も思うようにいかない。そんな自分さえ、愛せたら。


協心戮力(きょうしんりくりょく)

心と力を合わせて物事に取り組むこと。


「戮」は、「殺戮」という言葉でよく使われるように、「ころ(す)」という読みを持っている。一方でなんと「あわ(せる)」という読みも持っているのだ。

「殺す」と「協力する」がまさかの共存。どこぞの熱血バトル漫画?まるでずっと壮絶な戦いを繰り広げていた両者が互いに手を取り合う、そういう展開が頭をよぎった。まぁ、私ジャンプ好きなので。

ちょっとワクワク感があるような、ドキドキ感があるような、それでもってちょっと目頭が熱くなるような。なんか色々な感情が掻き立てられた。


屠羊之肆(とようのし)

身の丈にあった仕事をすること。


「肆」は書店を意味する「書肆」に使われている。また訓読みでは「みせ」「ほしいまま」「つら(ねる)」と読む。漢数字の「四」はかつてこの漢字が使われていた。

この四字熟語は、古代中国の戦国の七雄の一つ、楚国にまつわるエピソードから生まれた。

国を追われた楚の国王・昭王は、とある羊肉屋と行動を共にしていた。昭王は羊肉屋に恩を返そうと、彼に褒美を与えようとする。しかし彼は「私は羊肉屋が戻ってくるだけでいい」と断ったのである。

このエピソードを知ってこの四字熟語を見返した時、何とも言えない気持ちになった。自分の生きがいを貫く彼の姿勢に胸を打たれた。まだ自分にはそんなものがない。だからこそ、感動と共に虚しさも覚えた。


こんな感じで、長たらしく語ってしまった。

でも、四字熟語ってこんなにも奥が深い。たった四字だけでこんなに揺さぶられる。だから面白い。

これからも、じっくり味わうとするか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?