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読書というと自己啓発本を連想する人はどれだけいるのだろうか?

ライターマガジン「日刊かきあつめ」の今回のテーマは#本の紹介。

前回のテーマ#結婚でジェイン・オースティンのおすすめ作品を紹介してしまったため、今回は何について書こうか非常に迷いました。

本の紹介というテーマからはやや逸れてしまいますが、今回は自己啓発本について自分の考えをつらつらと書いていこうと思います。

自己啓発本(自己啓発書)って?

まず初めに断っておくと、私は自己啓発本に分類される書籍には興味がなく、ほぼ読んだことがありません。

自己啓発書(じこけいはつしょ)とは、人間の能力向上や成功のための手段を説く、自己啓発を目的とした書籍。自己啓発本、セルフヘルプ本、自助本とも。
主に人生について取り扱う分野であるため人生書の一種とも考えられ、人生指南書などの表現も存在する。ハウツー本(ノウハウ本)、実用書、ビジネス書なども関連ジャンルであるが、非科学的な内容の場合が多いため、心理学書などの学術書とは峻別される。
(wikipedia「自己啓発書」より引用。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%95%93%E7%99%BA%E6%9B%B8)

多くの自己啓発本の主テーマである「人生を意味のある楽しいものにするために、自分を磨き能力を向上させ、成功を掴んでやろうじゃないか!」という考え方そのものが苦手なため、この類の本とは縁がありませんでした。

人生にはそもそも意味なんてないし、そんなことを見つけないとと思わせてしまう世の中だから、心を病む人や自殺者が増えるのだと思っています。

「この本を読めば人生が変わる!」みたいな、インスタント的思考もどうかと。

書店でパラパラと立ち読みしてみたことはありますが、どれも書いていることが似通っているような印象も受けました。自己啓発本を読んでいる人が皆成功しているとは限らないし、そもそも成功した人が偉い・すごいっていう図式自体がなんだか息苦しくて嫌です…。

自己啓発本ってそんなに人気あるの?

そんな自己啓発系のコンテンツには良い印象を持っていない私が、なぜこんな記事を書こうかと思ったのには理由があります。

初対面の人や、これから仲を深めていこうとする人に「読書が趣味です」と言うと、90%くらいの確立で「自己啓発系ですか?」と聞き返されるのです!(笑)

実際に読むのは小説・人文科学系・実用書などなので、そのたびに「本=自己啓発本って認識になっちゃってる人はどれだけ多いの?」と心の中で盛大に文句を言っています。(時にはその場で口に出す)

フリーライターという職業柄自己啓発本を読んでそうと思われるだけかもしれませんし、私がお話しする人にたまたまそういう認識の人が多いだけかもしれません。小説=学生時代の読書感想文のために嫌々読んでいたものという人ばかりなのかもしれません。

謎すぎるので、同じ体験をしたことがある方がいたら教えてほしいです。

確かに、電車内の広告や、書店の一番目立つコーナーで「成功する人だけが知っている○つの秘訣」的な書籍の存在は、非常に良く目にします。

出版不況と言われる中で、もしかしたら本の売り上げのほとんどが自己啓発本なんじゃないか?という疑問を抱くようになってしまいました。

そこで、Amazonや楽天市場の本の売れ筋ランキングを見てみました。

Amazonのランキング

楽天市場のランキング

hontoのランキング

どれも数時間ごとにランキングが入れ替わっているようなのですが、私が見たときは上位に食い込んでいるのは小説や実用書(レシピ本など)ばかり。自己啓発本も入っていますが一部でした。

これを見て何だかホッと安心。やはり、私が出会う人出会う人、読書という行為への考え方が偏っていただけかもしれません。

自己啓発本への私が感じていた違和感は、こちらのヤフー知恵袋の議論ですごく的確に言語化してくれていました。

人の考えや教えに依存して、自分自身で考えたり経験したりすることを放棄してしまうのはすごく危険なことだと思います。

そんな私が最近読んですごく面白かった小説はこちらです。

ピューリッツァー賞受賞の『怒りの葡萄』で有名なジョン・スタインベックの短編集です。古書店の100円コーナーで見つけ、何となく手に取ってみました。

アメリカの田舎に暮らす人々たちを描いた作品群ですが、人間に対する観察眼やその的確さが凄まじすぎて、一気に読み切ってしまいました。「人間とは何ぞや?」と日々考えこんでしまうタイプの人におすすめです。

「自分がどういう人間になるべきか」は、自己啓発本だけでなく、小説からも多くのことを学べる気がしますね。

執筆:らいむ
編集:彩音

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