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検察志望の学生と話してて思ったこと

僕は100%弁護士志望なのですが、友人には検察志望の学生も多くいます。

どうして検察志望になったのかを聞いてみると、

「かっこいいから」

というのがよくあります。小さい頃にキムタク主演の「HERO」をみた影響で、検察官に憧れを持っている人や、世間を騒がせる巨大事件の陰謀を暴くような仕事をやってみたいと思う人など様々です。

僕自身も、検察官にかっこいいイメージがあるのはとても納得できますし、気持ちもわかります。(とはいえ、大阪地検の証拠改ざん事件や検事長の定年延長問題など、暗いイメージも拭いきれませんが、、、)

他には、

「悪い人を懲らしめたい」

というのも聞いたことがあります。

しかし、この考えで検察官を目指していいもんなのかなと疑問に思うことがあります。

世間のイメージでは、裁判にかけられている人は悪人で、これを裁判にかけるのは100%正義だいうのが当たり前かのように思われますが、実際にはそのような場面は必ずしも多くなく、裁判にかけられている人は必ずしも悪人というわけではなく、裁判にかけるのは100%正義というわけでもありません。

ロースクールで刑事事件を主に扱う法律事務所でインターン(ロースクールでは「エクスターン」といいます。)をさせてもらった時、被告人となった方のお話を聞き、被害者の方の供述書を拝見する機会がありました。
本当に、白黒つけることができない灰色の世界と言った感じで、被告人が100%悪人なんてことは稀なんだと痛感しました。

もちろん、悪人を懲らしめるのも重要な役割だとは思うのですが、検察官には起訴独占主義のもとで訴追権を独占している以上は、逮捕された人を「悪い人」と決めつけるのはとても危ういんじゃないかなと思います。

「悪い人を懲らしめたい」ことの背景に「正義の実現」があるなら、冤罪阻止に尽力する刑事弁護士や、刑法の改正に取り組む官僚や政治家の方が向いているんじゃないかなと思うんです。

とはいえ、友人の考えが必ずしも間違っているというわけではないですし、自分の抱く検察官へのイメージがズレている可能性も否めないので、友人には自分の考えを伝えることなく、もやもやしたまま今に至ります。

「正義なんてのは胸に秘めておくくらいがちょうどいい」(「踊る大捜査線」より。僕の好きな言葉です。)とも言いますし、胸に秘めておくくらいで留められるなら検察官を目指すのはありなのかもしれません。

より俯瞰的にみてみると、僕としては、それぞれが抱いている熱量を、必ずしも法曹三者の典型的役割に当てはめるだけではなくて、もっと広い目で見てどういう仕事に当てはめるのが最適かを考えることができるといいんだろうなと考えています。

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