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【詩】私は、誰だ

私は、私が誰だかわからなくなった

何に怒っているのか
何に悲しんでいるのか
何に喜んでいるのか
何が好きなのか

そんな、生々しい声が聞こえなくなった
いのちの声が聞こえなくなったのだ


私が私を見失った

いつのまにか
いのちを覆い尽くすことに慣れいった

誰かの言葉で自分の軸が揺れて
立っていられないような感覚になった

だから

正解らしい正解を拠り所に生きた
言葉は死んでいった
苦しかった

でもそれが生きることだと思ったんだ

何よりも悲しいのは
自分を見失うことなのに


私は、誰なのか
私はそれを知りたい衝動に駆られて
言葉を紡ごうと思った

かすかな音は流れているはずだ
それを少しでも聴きたくて
言葉を紡ごうと思った

またその音が聴こえるだろうか
心の奥深くから流れる音が
また私にも聴こえるだろうか

聴きたい
誰だか知りたい
私は、私を知りたい

いきいきといのちが息づく
情動の蠢きを聴きたい

私を知るために
私の音を聴くために
私は言葉を紡いでいく

この詩は、言葉は
誰の評価も必要としない詩だ
私が私に繋がるための
生きるための言葉だからだ

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