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ライター

あなたのライターが羨ましかった。昔も今もこの先も、ずっとあなたに必要とされるライターになってしまいたかった。

やっと光が差したと思った。それはまるで、私があなたを、あなたが私を知るずっと前から、そこにあったかのように穏やかだった。あなたが恋人になってから。いや、私の世界であなたの存在が確かになった頃から、私は随分と変わった気がする。それは、その変化は、本当に色んな面で起きていった。時間と労力を惜しむことが、減った。文通から始まった恋。あなたに宛てて手紙を書くのは、本当に緊張した。緊張から出た汗でしなしなになってしまった便箋は数え切れないほどあるし、納得する文字が連続して書けなくて、消しゴムで何度も消して書いてを繰り返し汚くなってしまって、その度に捨てた。特に、あなたの名前を書く時は緊張した。ドキドキしながら書き終えた手紙は、84円を払い、ドキドキしながら見送った。私にとってこれが84円の最善な使い道だと思った。

初めてあなたから手紙が届いた日、蒸し暑い夏だったのをよく覚えている。大学に入ったは良いものの、特に何も起きず日々に退屈していた私にとってそれは新しい世界への鍵みたいだった。随分と素敵な名前の人から手紙がきたと思った。便箋に連ねられている文字も全てが綺麗で、無地で殺風景な便箋には可愛らしいシールが律儀に何枚か貼られていた。なんだか、丁寧な人だな、と思った。言葉遣いにも、とても惹かれた。そして何故か、「この人のことを好きになる」と、直感で分かった。それから何度か手紙を交わすうちに、会ってみたい、そう思うようになった。でもこんなことを言い出したら困らせてしまうだろうし、いつか、数年後もこのやり取りが続いていたら、提案してみようかと思っていた。そう思っていたけど、あなたから教えてもらった歌に入っていた「ずっとなんてない」って歌詞に背中を押されて、アプローチすることを決めたの。ずっと文通しているかなんて分からない。多分いつかきっと終わってしまう。それなら、近づかずに離れるより、近づいてから離れる方が良い。そう思った。メッセージは笑えるほど簡単に終わってしまうし、会話の続け方が分からなくて悩んだ。恋人がいるのかも、何をしている人なのかも、分からない。どんな声で話すのかも、顔も知らない。分からないことだらけだったけど、もう後悔はしたくなかったから勇気を出すことに決めた。

何通目だっただろうか、私が喫茶店で働いていることを書いた。全体的な内容としては、「いつか東京に来た時は寄って欲しい」というものだった。結びに、「もし来てくれたらとても嬉しいです」と、随分と大胆なことを書いた。大胆すぎるか、と思ったけど、少しくらい大胆なことをしてみるのも良いかなと思い、その1行だけ、消しゴムで擦ってわざと薄く残るようにして出した。これが功を奏したことを後にあなたから聞いた時、あの時の私よ本当にでかした、と思った。

そこからは何度か声で会話したり、毎日少しずつ連絡を取ったりして、仲を深めた。これほど文明の利器に感謝したことは無かった。あなたと話すのは本当に楽しくて、あっという間に時間が流れていった。「おやすみなさい」の一言を放ってしまえば、会話が終わってしまう気がして、わざと途中で既読をつけるのをやめていた。あなたのことだから、それも少し分かっていたのだろうな、と、今は思う。

あなたと会う約束を取り付けた日は、嬉しさのあまり寝られなかった。カウントダウンアプリには、あなたの名前の、会える日までカウントした記録が残っている。あなたと会うまでの2ヶ月半は、人生で1番長く感じた。季節の流れが、驚くほどゆっくりになった。あなたから手紙が届く度、夜眠る前にベッドの上で正座して、ドキドキしながら読んだ。毎月届くプレゼントみたいで、嬉しかった。手紙を読みながら泣いてしまったこともある。涙が出るほど人を好きになるのは初めてだった。初めてで、温かかった。毎日「可愛い」って何十回も褒められたのも、「(もしも悲しいことがあった時は)一緒に悲しみましょう」って言葉をかけられたのも、「頑張っていて偉い」ってたくさん言ってもらったのも、全部全部初めてで、嬉しかった。あなたが私を好きになってくれたことを知った時は、「もう誰にも好きになってもらえないなんて思う必要ないからね」なんて言われた時は、幸せすぎて泣いてしまった。幸せで涙を流すのも、人生で初めてだった。あんなに温かい涙があるなんて、私知らなかった。あなたが居たから、レポートもテストもバイトも頑張れた。あなたに可愛いと思ってほしくて、美容院に行って整えたし、かわいい服を新宿まで買いに行ったし、人生で初めてネイルサロンに行った。お金と時間は、もう何も勿体ないなんて思わなかった。

初めてあなたに会いに行った日。あんなにワクワクした気持ちで新幹線に乗ること、もうこの先の人生でもないと思う。それぐらいワクワクした。2時間半はあっという間だった。イヤホンから流れてくる山下達郎のクリスマス・イブを聴きながら、人混みを掻き分けて新大阪まで迎えに来てくれたあなたの姿を探した。あの時を、私はこの先もずっと忘れないだろうし、忘れられないと思う。それからの3日間は本当に幸せで、こんなに幸せでいいのかと不安にさえ思った。(この3日間の話は、帰ってから別のnoteの下書きに書いたんだけど、需要があるのか分からないから端折ります)

最終日、気づいたら私、新幹線の改札前で泣いてた。私ね、改札前で泣く恋人たちの神経、一生分からないと思ってた。そりゃあ寂しいだろうけど、そんなに都合よく涙は出てこないだろうと本気で思っていたし、自分はそういうことをするタイプの人間ではないと思っていたの。でもなんか、違ったみたい。違ったというか、変わったみたい。恋人を前にすると、人は簡単に変わってしまうらしい。そりゃあもうボロボロ泣いた。帰りたくないよって言って、泣いた。少し困ったように笑うあなたの顔を見てまた泣いた。人は恋をすると簡単に泣いてしまう生き物なんだと、思い知らされたよ。新大阪からぐんぐんとスピードを上げて離れていく新幹線が憎かった。どんどん東京に、現実に向かって走る新幹線は、本当に悪魔みたいだった。こうして泣いている間にも着々と君との距離が離れていくこと、本当に辛かった。辛かったけど、すぐ手を握れない距離に戻る明日から、何年後になるか分からないけど、すぐ手を握れる距離で暮らせる日まで頑張ろうって心に決めたの。でもそう思っていたのは、私だけだったんだね。

だんだんあなたの心が私から離れていくのが分かった。女の勘っていうのは、凄いんだよ。最近1日2往復ぐらいのLINEしかしてなくて、あなたの返信の間隔が12時間空くのはデフォで、大好きだよって私から言わないと言ってくれなくて、試しに言うのやめてみたら言ってくれなくて、ついには「ありがとう」としか返してくれなくなったし、自分の写真送ってくれることも無くなったし、明日何するとか今週いつ休みとかそういう話をしてくれなくなったし、今日ちゃんは?って私のことを聞いてくれることも無くなったから、私への気持ちが少し冷めているのか、浮気してるのかどっちかかなと思ってた。もう私に興味すらないんだなと思ってた。ただ、12月からずっと「一緒に暮らすために仕事増やして頑張るから忙しくなるし、今みたいにたくさん話せなくなるけど、分かって欲しい、お金に余裕できたら沢山会いに行くから申し訳なく思わんでね」って言ってくれてたから、それかなと信じることにして、2月直接会った時に聞けそうなら聞こうと思って、モヤモヤしてること言うの我慢してた。我慢、しなきゃ良かったのかな。大人にならなければ良かったのかな。

冷めてるか冷めてないかなんて、LINEじゃ分からないし、相手の態度行動を見ないと分からないって、今判断しちゃだめだって自分に言い聞かせてた。でも確信に変わっちゃったんだ。1日目あなたを東京駅に迎えに行くために電車に乗ってた時、「ちょっと悲しいお知らせがあります、3日目は今月末で辞めちゃう先輩と残りの日数一緒に働きたいから朝帰る」ってLINEで言われた瞬間、45日ぶりに会って、しかも来月あなたの都合で会えない状況で普段から一緒にいる先輩をとるんだって、しかも相談無しにそれを決めちゃうんだって思ったら悲しくて電車で泣きそうになった。会ってからも、手繋ごうとしてくれる回数減ったし、私が後ろ歩いててもこっちを気にする素振りがないし、喫茶店で長い時間スマホをいじってるし、中華屋で寝ちゃうし、ホテルついてからすぐ寝て私お風呂出てから起こしてもなかなか起きてくれないし、目が合わないし、私と会ってる意味ある?って、私との時間大切じゃないのって思った。悲しかった。なんで寝ちゃうのーって何とか起こして言ったら、「そりゃ寝るでしょ、疲れてるんだから、寝かしてくれよ」って言われて、多分もう私との時間に価値を感じてないんだと思った。

1日目の夜、寝る直前、「あなたは私によく若いって言うけど、どういう意味」って聞いた。そしたらあなたは、「視野が狭いって感じかな。この人しかいないなんて、ないからね。ずっと一緒って難しいんだよ」って言ったよね。辛すぎて、それを言い残して先に寝たあなたの腕の中で声を殺して泣きながら寝た。

2日目の夜、私と会ってて楽しくない?みたいなことを私がお風呂に入ってる間仮眠してた寝ぼけてるあなたに聞いたら、楽しいよって、お風呂行ってくるって逃げようとするから、引き止めたけど嫌そうだったから行かせた。あなたがお風呂を出てから、私の気持ちを話したね。私に直して欲しいところある?って聞いたら、「そういうのは無い」って言うから、じゃあどしたらいいのって言った。そしたら「単純に合わへんと思う」って返ってきた。合わないんだって、人間的に。それはもう何がダメとかではなくて、一緒にいてなんか違うなと思うんだって。その一言が辛くて、あまりにも辛すぎて、私泣いちゃった。壁に向かって、笑いながら泣いた。号泣。嗚咽しながら泣いた。その間あなたは私の背中をきっとテレビ見ながらさすってたよね。「そんな泣く?笑」って聞かれたから、「好きだから」って答えた。「あーもうその時点で多分もう違うわ(同じ熱量じゃない)」って言われてまた泣いた。
私は夜遅くまで起きてて、夜ズーンって沈んじゃうことが割とあるんだけど、それが良くないんだって。「僕はそういうの上手くフォローしてあげられない」って言うから、「別にして欲しいなんて思ってないし、自分の機嫌は自分で取らなきゃいけないことくらい分かってるから、Twitterに書いたり日記に書いたりして昇華してるよ」って言ったけど、「でも結局僕にもそれは来るんよ、僕がしんどいの」って言ったね。でもあなた、そういうのは僕に話してって、僕はしんどくならないからって、前に言ってたのにね。その時は言えなかったけど、そんなこと。あなただってそういうことはよくあるし、私への態度にもよく出すのにね。
LINEの返信遅くなったことを指摘したら、正直重いと思ってたって言ったね。私が会いたいとか言うからじゃなくて、「1月に会ってから、やっぱり一緒に暮らすとか結婚とか、現実的じゃないなって思ったらしんどくなった」って。「ずっと一緒にいようね、このずっとはずっとだからね」とか、「一緒に暮らそう」って先に言ったの、全部全部あなたからなのに。これも全部言えなかったけど。
もう好きじゃなくなった?って聞いた。「好きは好きよ」って最初は答えてくれたのに、段々、「好きだけど、これから付き合っていく上での好きは少し考えなあかんと思う」って、「好きか分からない」って、「好きってなんやろね」って、答えるようになったね。しまいには、大好きではもうなくなった?って聞いたら、「うん、ごめん」って。「好き」って言う度、「知ってるよ、ごめんね(答えられなくて、好きじゃなくてごめんね)」って答えるようになった。もう気持ち戻らなそう?って聞いたら、「分からんな」って言われた、笑っちゃった、辛すぎるよって。ずっと好きでいてって、言ったのに。ずっと好きでいるよ、死ぬまで好きでいるって言ったじゃん。嘘じゃん。もう会いたくない?って聞いた。「会いたくないとかじゃないよ」って言ったね。「会いたいとは思わない?」って聞いた。そしたらあなた、「なんでそんな自分から傷つきにいこうとするの?そういうところ嫌だよ」って。違うよ。私は傷つきたくて聞いたんじゃない。違うよって、そんなことないよって言って欲しくて聞いた。その数パーセントに賭けたかった。それだけだった。そういう質問を何個かした。「もうそれやめてくれない?」ってあなたが言うから、ごめんって言った。もう何言ってもダメだった。じゃあもう会わない?って聞いた。「会わんとこか」って言われたその瞬間、あ、私にもう会わなくてもこの人は大丈夫なくらい私への気持ちは冷めてるんだって自覚して、生きてる心地がしなかった。それは嫌だ、みたいなこと言った気がする。今まで付き合った人もそういうのあったなあって言ったね。ついには前に付き合っていた人の話もしだしたね、私はそういうの嫉妬しちゃうから聞きたくないって言っていたのに。「まだこの人だって人に出会えてないんよね」って、泣いてる私にとどめを刺すようにして言わないで欲しかった。1回は私に対してそうなったけど、今はもう違うんだって。もうずっと一緒には居られない?って聞いた。「なんか違うって思ってる人とずっと一緒におれると思う?」って聞かれて、何も答えられなかった。目を見つめてたけど、ニコリともしないあなたの表情が冷たくて、思わず下向いて泣いた。もう、抱きしめても、くれなかった。手を握るだけ。それだけだったね。じゃあ守れない約束(ずっと一緒にいようって)しないで欲しかったな〜!って泣きながら言ったら、「それはごめん、その時はそう思ってたんだよ、嘘じゃないよ」って言われたな。「その場の空気ってあるでしょう」って。なんだそれ!笑っちゃう。この辺で、一旦頭冷やそうって、私を部屋に置いてあなたは外にタバコを吸いに行ってしまったね。14階の部屋に取り残されて私、このまま窓から飛び降りてしまおうかって、戻ってくるまでの30分、本気で考えたよ。
3日目の朝、無言の支度タイムが辛くて、「気持ち変わらない?」って聞いた。「うん」だって。「もう無理だと思う?」って聞いた。「無理じゃない?」って、真顔で、昨日みたいな冷たい目で言ったね。タバコ吸ってくるわ、って、ホテル出るまであと30分しかないのに、1時間後には新幹線乗ってるのに、タバコに行った。1月はこんなのなかったのに、冷めたからできるんだな、同じ空間に居たくないんだって思ったら泣けてきちゃって、朝から声出して泣いた。アイメイク大変だったんだから。書いても書いてもアイライン消えちゃって困ったよ。
まだ好きでいてもいい?って聞いた。「今日ちゃんが辛いだけやと思うで。」って言ったね。冷めすぎ。「傷は浅いうちの方がいい、お互い傷つくよ、今日ちゃんにはわからんと思うけど」って。もう深いよ。好きじゃないならあなたは傷つかないでしょうが。

あなたが帰ってから、一昨日あなたに会うまで毎日泣いた。眠れずに朝を迎えていた。一昨日の約束を決めるのだって大変だった。まあそりゃそうだ、誰だって好きじゃない人と会うのは億劫だもんね。でも、大人なんだからそれぐらいは少し隠すこと、できたんじゃないの。私だって19歳の女だよ、人間だよ、傷ついたよ。

ちょうど1ヶ月後。一昨日の朝、別れるって分かっていながらする化粧は辛いと思っていたけど、実際は時間がなくて焦りながらやったから何も考えずに済んで、人生って思ってた通りにいかないな、と思った。新幹線、こんなに絶望した気持ちで乗る日が来るとは思わなかった。朝ごはんに買ったオシャレサンドは味がしなかった。一軒目の喫茶店ではまともに話していなかった1ヶ月の間に起こったこととか、楽しいことを話した。2月よりも楽しそうに話すもんだから、私も楽しくなっちゃった。まあ、この後別れるって分かってるから気が楽なのかな、なんて思いもしたけど。こんなに楽しく話しているのに、私たちこの後別れるなんて信じられなかった。結局、一軒目では切り出せずに2軒目に行った。飲み物を頼んだ後、すぐに切り出した。守れない約束(ずっと一緒にいようとか)をしたのはあまりにも無責任だし、人の信用を失うよ、と言った気がする。そしたらあなたは、「ずっとなんてないって、今日ちゃんもわかってると思ってた、勝手に思ってたけど違った」みたいなこと言ったね。守れない約束をもちかけた時点でそう思っていたなら、そんな約束言い出さなきゃ良かったのに。そうしたら私は傷つかずにすんだのに。あなたはこうやって私にきついことを言うのは心が痛いとか言ってたけど、そうなる必要も無かったんだよ。そこからは胸の内のこと話して、新大阪まで行った。最後に、「新幹線で食べな」って言って買ってくれたドーナツ。最後にそういう優しさ見せてくるの、本当に良くない。ずるい人だな、と思った。出会えてよかったと思ってるし、楽しかったよ、なんて君が言うもんだから、涙が出そうで大変だった。「じゃあ私行くね、お元気で、さようなら」ってあなたに言って、新幹線の改札を通った。通ったあとは、もう、あなたの方を振り返らなかった。だって、あなたの顔を見たら泣いてしまう気がしたから。引き止めてくれたりしないかな、なんて思ったけど、そんなことはなく、あっという間に新幹線の席に着いた。ねえ、あなたはどんな表情をしていたの。ひとしきり泣いて、あなたにもらったドーナツのうちのひとつを食べた。泣きながら食べるドーナツは、ちゃんと美味しかった。

一緒に行こうって言ってた喫茶店、別れ話で使うと思ってなかった。花火大会、一緒に行こうって言ってくれてたじゃん。お互いのサブスクで映画観ようって約束は?ベランダのある部屋に住んで、線香花火しようって、朝は珈琲淹れて飲もうねって、言ったよね。餃子パーティーと鍋パーティーはどうなるの。あなたが作るひじきチャーハンと大学芋、食べてみたかった。あなたと行きたいところも、したかったことも、他の誰かと叶えるのじゃダメなのに。あなたとデートする度に書いて残そうと思っていた記録「ボーイ・フレンド」は、①で終わった。あなたに送る手紙のために買ったシーリングスタンプ、誰に使えばいいの。あなたとお揃いで買ったマイブックを年末まで毎日開くのは辛い。1月3日、あなたが私のマイブックに書いた「今日ちゃん、大好きだよ」の文字が苦しい。来年の1月、持ち寄ってお互いの「あとがき」にコメントするって言ってたのに。短かったのに、あまりにも私の生活に溶け込みすぎだよ。

それと、今までケーキ作ったこと無かった私がバスクチーズケーキを作ったのは、紛れもなくあなたのためだったよ。あなたが私と付き合う前に、手作りのバスクチーズケーキを食べたいと言っていたのを覚えていたから。そういう約束を守ってたのは私だけだった。ケーキの写真、1枚ぐらい写真撮って欲しかったよ。1枚で良かったよ。前のあなたならきっとそうしていただろうことをして欲しかったんだよ。
髪を金髪ボブにしたのも、あなたの好みの髪型にしたら、また可愛いって思ってくれるかなって、少し気持ちが戻ってくれるかなって思ったからだったんだけど、全部無駄になっちゃったな。私黒髪ロングで成人式出たかったのに。1番可愛いと思って欲しい人に思ってもらえるなら、って切ったのにな。

最後に、幸せになってねって言うつもりだったけど、声が震えて言えなかったよ。これ読んでるか分からないけど、ここで言うよ。
幸せになってね。大好きだよ。

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