2019年7月20日 叔父の車の事故検証
叔父が数ヶ月前に住宅街の車と接触事故を起こした。修理工場へ持ち込み検証しなければならない。今日は叔父の病室へ向かいタオル交換。
そして手持ちの鍵を探してもらったが何度もバッグの中身を散乱し衣類を散らかしと全く進まない。凄くイライラした。
病室のベッドでは分厚いベルトがベッドに巻きつけられていた。
「ここの連中はキチガイだ。夜中俺を縛り付ける。」とイライラした声で話す。と思うと「あった、このおにぎりは川の鯉にあげるんだ」と自分の家の横に流れる魚の話をしていた。そのたびに鍵探しは止まり今探している物を忘れてしまうので鍵を探していることと理由を何度も話すことになった。
埒が明かない、予定時刻も迫るので手伝おうと荷物に手を付けると「人のものをそうやって触られると解らなくなるだろう!!やって良いことの区別もつかないか!!」と激高された。
どうしちゃったんだろう、叔父さん。とため息混じりにつぶやくと様子を見ていた看護師が静かに静かに「ご家族のかた、ですよね?夜中止めても聞かなくて、ずっと動き回ってしまって。他の病室のベッドの患者さんをどかそうとしてしまったりして他の患者さんの迷惑になるので拘束しています。」と伝えられた。
祖母の時に「こんな行動をいつか取るようになるんだろうか?」という予想を、今目の前の叔父がしているという話をされた。一瞬全てが解らなくなった。ありえない。
と思った束の間、ナースステーションにワハハと笑いながら入り込んでいく叔父を必死に止めた。「なんだよ、こっち通るほうが近いんだよ」と腕を振り回し少し暴れ始め、男性看護師が慌てて止めに入った。
病室のベッドでおとなしくさせていると男性看護師からもここ数日の容態を話された。一体、どういうことだ。
現実を受け止めきれない頭で叔父の家に向かい、庭からぼんやりと叔父の家を見ていた。離婚して叔父以外誰もいなくなった家。一体ここで何があったんだろう?と手入れがされず枯れた祖母の花壇を見ていた。
お袋はしばらくすると到着し叔父の車の運転を頼まれる。修理工場へ持ち込むとお袋の車に乗り叔父の家まで戻り、そこで解散になる。
「本当にあの人はどうしてこうなっちゃったんだろう。でも、前からおかしかった。」とお袋はうなだれ、「この家の壁だってお母さんのためにあんたも一生懸命断熱材貼り付けてくれたのにそのままで、結局あたしたちで面倒見ることになって。どうしちゃったんだろう。」と疲弊した顔をしていた。
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