5/22インフレは、米国が中露敵視をやめない限り続く。海などを延々と過激に都市閉鎖する中国のゼロコロナ策は、コロナ対策のふりをした習近平の権力強化策

中国と戦争しますか?

投稿日:2022年 5月22日(日)23時19分42秒

2022年5月22日   田中 宇
https://tanakanews.com/220522china.htm

2月末のウクライナ開戦で米国と同盟諸国(米国側)が
ロシアへの過激(で自滅的)な敵視・経済制裁を開始する一方、
中国やインドBRICS、イラン、アラブ、アフリカ中南米など
非米諸国はロシア制裁を拒否し、
米国側と非米側の世界的な対立構造が立ち上がった。

ロシアは、米国側が買わなくなった石油ガス資源穀物など輸出品を、
代わりに中国を筆頭とする非米諸国が買ってくれるので、
米国側に強く制裁されても困っていない。

中国政府(中共)も、ゼロコロナ策をしつこく演じて
上海や深センなど沿海諸省で都市閉鎖を延々と続けて経済を封鎖し、
嫌気をさした米欧企業が中国から出ていくように仕向けている

ロシアはSWIFTのドル決済システムから追放されたが、
ルーブルや人民元で決済できている。

台湾を国家承認しない米国は、中国と戦争する気がない。
戦争せず敵視だけして、対立感を醸成しているだけだ。

米国は、同盟諸国に中露敵視を強めさせる役割を自分でやらず、
昨年末あたりから英国にやらせている。

インフレは、米国が中露敵視をやめない限り続く。

中共の上層部では、今まで強固だった習近平の独裁体制が崩れ、
ほされていた李克強首相が経済政策の責任者として復権したとか、
習近平はゼロコロナ策が失敗して権力が低下しているとか言われている。

しかし、ゼロコロナが非現実的な超愚策であることは前からわかっていた
(広範なPCR検査をすると偽陽性が増え、永久にゼロにならない)。

上海などを延々と過激に都市閉鎖する中国のゼロコロナ策は、
コロナ対策のふりをした習近平の権力強化策である。

中共の権力闘争はずっと前から上海が焦点であり、
北京でなく上海だけが長く都市閉鎖されている
(それと国際流通網を破壊するために深センなど)。

これから習近平が失脚していくとしたら、
それは「ゼロコロナの都市閉鎖をやって上海派を封じ込めようとしたのに
習近平は勝てなかった」ことになる。

しかし習近平が失脚に向かっている兆候は少ない。
むしろ習近平は上海狙い撃ちのゼロコロナ策によって、
政権中枢から上海派をさらに外し、独裁を強化する可能性の方が大きい。


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