見出し画像

お天気とからだの関係

 明日、大雪の予報が入り、これから徐々に降り始めてようやく年の瀬感というものも感じるようになってきました。しかし昨今の急激な天候の変化は体にかける負担も大きい側面もあります。
 このような「天候が悪くなると体の調子が悪くなる」ということはかなり昔から知られています。どのくらい前かというと、2500年以上前に書かれた古代中国の「黄帝内経素問」という古典にも出てきます。
 例えば、「人の生命活動と自然環境には極めて密接に通じる関係があり、どうやったら病気にならずに長生きできるのか?」、という疑問から、「春夏秋冬の季節の変化に順応すれば病気になりにくい、暑いときはきちんと汗を出すことで体に熱がこもりにくく病気になりにくい、寒いときはきちんと寒さから身を守ることで病気になりにくい(黄帝内経素問第2章)」など、今にも通じる自然とうまくやっていく方法が多く書かれています。

 昔は冷房も暖房もカイロもなかったのでどうやったら自然と仲良く順応していけるのかという点で今よりも真剣に考えていたように思います。
 近年、気象と体について研究が進んできています。2004年の(株)テルモの調査によると、「天候や気候の変化は体調と関係がある」と思っている人は81%と多くの方が気象と体について関係があると感じています。
実際に気象の変化で体調が悪くなる症状としては、

①寒くなると肩がこる
②天候が悪い日が続くと憂鬱な気分になる
③乾燥すると全身がかゆくなる
④天候が悪くなると古傷が痛み出す
⑤天候が変化すると関節が痛くなる

というような症状を感じています。


 ドイツのHoppeらは気象の健康への影響を2002年に詳細に調べています。1046名への聞き取り調査で、54.5%の方が気象の変化が健康に影響すると感じていました。気象は低気圧の時と、雨が降る時に大きく影響を受け、頭痛が出やすい(61.3%)ことがわかっています。ついで、うつ(27%)、めまい(26%)、集中力障害(26%)と、痛み、自律神経、精神症状に影響を及ぼしていることがわかりました。
 このように、ドイツは気象と体についての研究が進んでおり、「健康予報」というものがあります。その中で特に「健康予報」を取り上げているのはドイツの全国紙の1つである「フランクフルターアルゲマイネ新聞(Frankfurter Allgemeine Zeitung)」の健康天気予報欄になります。
 日本においても花粉症情報や熱中症情報、インフルエンザ情報などが予報されますが、フランクフルターアルゲマイネ新聞では、リウマチ、関節痛、筋肉痛、喘息、頭痛、めまい、血圧の変化などの病気の予報の他、精神状態(晴れやかになる、陽気になる、気分が悪くなるなど)、神経質、不眠、やる気(出てくる、なくなる)など精神的なものも予報の中に入っています。

 更に最近では気圧と健康情報を合わせた注意報的なアプリも周知され、より一般的になってきましたが、鍼灸治療でこれらの症状を予防・改善出来る事は、あまりまだ一般的に知られていません。急激な気候・気温の変化があると当院にも予約の電話がよく鳴ります。

 年の瀬でなにかと忙しいですが、それをこなす事ができるのも健康な体があってこそです。悪い意味での「寝正月」にならないよう、体調管理に鍼灸治療をご活用下さい。

二葉鍼灸療院

参考資料
お天気と体の関係 東洋医学研究所®平成27年11月1日号 コラム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?