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角野栄子あたらしい童話大賞

角野栄子あたらしい童話大賞に応募しました。
ポプラ社のあたらしい賞です。

大手出版社の注目の賞であり、参加資格はプロアマ問わずなので、ハイレベルな作品が数多く応募されると予想します。
なんと最終選考に進んだ作品には審査員の角野栄子先生と原ゆたか先生の講評がいただけるとのことで、結果云々よりそのおふたりに作品を読んでいただけること自体が光栄の極みでしょう。
もちろん応募する以上は最終選考、そして受賞を目指しますし、全身全霊こめて楽しんで書きましたが「果たしてこの作品はとびきりあたらしい童話か」と言われると「はい!」と胸を張って答えられる自信はありません。
第一回ということで、他の方のどんな作品が集まるのかも非常にわくわくしています。

角野栄子先生といえば、なんと言っても「小さなおばけシリーズ」。特に「おばけのアッチ ねんねんねんね」は人生で一番読んだ回数が多い本なんじゃないかというくらい毎日のように読んでいました。

わがやはサンタクロースが来ない家だったので
クリスマスの思い出といえばこの本でした。

小さなおばけシリーズで、ものがたりの楽しさや空想の世界の可能性を知り
魔女の宅急便でひとり立ちするきびしさと、人と触れ合う喜びを知り
イコちゃんの物語で戦中戦後の女性の生きる世界を知りました。
それだけではありませんが、それらの私にとって大切な物語を生み出してくださった角野栄子先生。そして、チョコレー島シリーズやかいけつゾロリシリーズなどこどもを夢中にさせる物語を数多く生み出している原ゆたか先生。
このおふたりの、そしてポプラ社の、童話に対する思いがこもったこの童話大賞に応募できたというだけでも小さな恩返しになることを願います。

ところで、このたび初めて幼年童話に挑戦しました。
4,000~8,000文字という文字数に苦戦しました。
ターゲットが5~8歳で、絵本からひとり読みの物語に移行する頃というのを意識し、やさしいことばで書くことを心がけました。
漢字をどこまでひらいたらいいの?
この言い方で伝わるかな?
なにもわかりません。
書き始めた物語はあっという間に16,000字を越してしまいました。できるだけシンプルに、わかりやすく書いたつもりで倍以上の文字数を使ってしまいました。
どうしたらよいかわからず、自分がその頃に読んでいた物語や、今の小学校低学年の方々に人気の本や、低学年の国語の教科書に紹介されている本を目につくかぎり読みました。
シンプルでやさしく、なおかつ登場人物の心情や情景をあらわし、読む方の心にひびく文章を選ぶというのは、私にとって自分の虚栄心を取り払っていく作業でした。
一枚、一枚、着膨れていた服を脱がされていくことによって身軽になるのは確かですが、寒さにさらされ、また、より生身に近い自分をさらけ出すことへの恐怖を乗り越える必要がありました。
角野栄子先生がおっしゃっているとおり、幼年童話を書くのはとても難しく、一語、一文字の重みを改めて思い知りました。挑戦する機会と勇気をいただき、ありがたい経験となりました。

髙岡

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