夢のような現実
こんにちは
今回は一冊の本を中心とした話でまたニューヨークについてのことです。
少し長いけど読んでくれたら嬉しいです。(オチはないです)
今回の話の中心の一冊の本は、この投稿の二つ前に書いたnoteでも触れた原田マハさんの「楽園のカンヴァス」です。
この本はヘンリ・ルソーの「夢」という絵画を中心となって物語が進行していきます。
あらすじは下記に載せておくのでみてみてください。
http://www.shinchosha.co.jp/book/125961/
(新潮社 原田マハ著 楽園のカンヴァス)
とりあえずこの本を読み終えた後、著者である原田マハさんの美術についての知識、教養に圧倒されます。
ルソーの歴史から「夢」という傑作ができるまでの過程とか。
小説とか特に、主人公の生い立ちとか歴史とかがダラダラと書かれてて、ストーリーが進まないと読む気がだんだん失せていくタイプだけど、この本はテンポよく且つ絵のこと、ルソーのことがもっと知りたくなる。
で知りたくなった僕は実際に楽園のカンヴァスの表紙、話の中心の絵画「夢」が貯蔵されているニューヨーク近代美術館(通称MoMa)に行ってきたよというお話です。
MoMaはマンハッタンの有名な5番街と6番街の間で53丁目にある美術館です。
外観はビルみたいな感じでパッと見は美術館って感じではないけど入ったら人が多くてあ、やっと来たんだなと実感しました。
MoMaは6階建の美術館で各フロアごとに展示されている作品のテーマが簡単に分かれている感じでした。
なので知り合いと一緒だったのでとりあえず6階から回ろうという話になり上から回ることに。
やっと観れるのかという期待が緊張に変わってなぜかすごい心臓がドキドキしてる。
何階にあるのかなと気になりながら6階の展示室に向かうと人だかりがあって、ちらっと本で目にしてた色調が視界に入って、近づくにつれて鼓動もどんどん早くなっていく。
そしてあっさりと「夢」の目の前に立った。
よく有名絵画は人を惹きつけるオーラであったり魅力があるっていうけど、あながち間違いではなかったと思う。
鮮やかな色彩。画面いっぱいの絵画。独特なタッチ。
「夢」の絵の中心にトラのような動物が描かれている。独特な眼差し。
ずっと目があってるような気がして、目があっている間、自分の感覚としては周りに人はたくさんいるし視界にも入ってるしがやがやしてるけど、絵と2人っきりみたいな感覚。
いい表現をするとその時の自分は「無」。でも実際何にも考えずにボケっとしてただけかもしれない。
でも空っぽな状態で向き合えて最大限に絵の雰囲気、オーラは最大限に感じることができたし。
「夢」を目の前にした時点で多分すでにルソーの夢の中にいる。
でも実際自分が絵の目の前に立っているのは現実。
自分の中では絵とは2人っきり。
友達に呼ばれ絵から離れてから気づいた
さっきまでいた空間、感覚は夢とかじゃなく
夢のような現実だったってことを。
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