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「毎日を真剣に生きるための秘訣は、人と比べないこと」ジャパネット元社長たかた氏から学んだこと

このnoteの内容はVoicyでも話したので、耳で読みたい方はこちらをお聴きください。


Voicyのパーソナリティーでもある鳥井弘文さんとふたりで、オーディオブックカフェというPodcastを毎週金曜日に配信している。

その第40回で、『伝えることから始めよう』という本をピックアップした。

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この本が今年読んだ本のなかでもかなりいい本だったので、改めて紹介してみたいと思う。

Voicyのハッシュタグ企画 #身軽になろう にも関わってくるいい本です。なぜ



「分割金利手数料はすべてジャパネットたかたが負担させていただきます!」

というフレーズは、いまも多くのヒトの耳に残っているのではないか。

おなじみのオープニング曲、独特の、キーが高いあの超え。

この本は、あの髙田元社長の自叙伝だ。

ちなみに髙田さんはいまはすでにジャパネットたかたの社長を退き、現在は息子の高田旭人(たかたあきと)さんが社長を務めている。

先日「やらなきゃ駆動からやりたい駆動へ」という話をした。僕は「不器用でもいいから毎日を全力で生きられるようになりたい」とずっと思っていて、そのためのヒントをずっと探し続けてきた。

そんななかでこの本は、まさしく「日々を全力で生きよう」という強いメッセージが込められた本だ。髙田さんのあの声と笑顔が頭に思い浮かぶからなおさらに説得力がある。

この本に書かれているのは髙田明という1948年生まれの日本人男性のサクセスストーリーだ。昭和の高度経済成長期、父親がカメラ屋を営む仲のいい家庭に4人兄妹の次男として生まれ、親兄弟、親戚との交流も深く、助け合い、昭和の素晴らしい時代を、日本の景気も自分たちの商売の業績も右肩上がりまま全力で走り抜けた話だ。

僕は就職氷河期直後の世代だ。バブルの活況や元気な日本はかろうじて、子供の頃のおぼろげな記憶のなかにある。しかし学年があがり大学に入り、社会が近づいてくるにつれてどんどん元気を失っていくような空気感のなかで生きてきた世代だ。

そんな僕からすると、日本の古き良き時代に、仲のいい一族のなかに生まれて、親兄弟がすでに商売人で素養も下地もあるなかで人生ゲームがスタートするなんて、随分と恵まれた環境じゃないですか、それはさぞかし面白かったでしょう、とちょっと嫌味すら言いたくなるような半生だ。

実際、本には「いい時代でしょ?  たのしかったですよ」なんてセリフも何度もでてくる。

それなのにこの本はまったく嫌味がない。終始爽やかで、元気なあの髙田氏の語り口で書かれていて、そこに惹き込まれてしまう。

どうしてこんなに気持ちよく読めるんだろう。そう思いながら読んでいたら、その答えが、髙田さんの奥さんの口から語られていた。

「あなたはほんとうに、人と比べて嫉妬したり、喜んだりしませんね」

と、そう妻に言われたというエピソードがあった。

そうか。この爽やかさと身軽さ、そして熱量の秘密は「他人と自分を比べない」ところにあるのかもしれないと思った。

髙田さんは、大手競合他社と自社を比べて規模が小さいことを嘆かなかった。むしろ当時最先端だった「ハイスピードで写真を現像できる機械」を導入して大手にスピードで対抗した。高価なものは売れないとされていたラジオショッピングで2万円以上するカメラを売った。当時はリスクが高すぎると全員が反対した生放送のテレビショッピングにもこだわった。

じゃぱねっとたかたは同業他社がやらないことにどんどん挑戦して大きくなっていったが、それはほかの会社を超えるぞ!  とか他がやっていないことをやるぞ!  ということを考えていたわけでは全然なかった。

ただひたすらに、昨日より今日、去年より今年、と少し前の自分を超えるためにいまできることを考え、探し、できることに集中し続けたら、たまたま誰もやっていないことを繰り返していたにすぎない。

「いまを真剣に生きているとアイデアが自然と湧いてくる。時代が味方してくれる」

という言葉にしびれた。でもこの感覚には、かすかではあるけれど、自分にも心当たりがあった。

夢中で話をしているとき、何を言うべきかが勝手に頭に降ってくる。何をすべきかわからなくなって途方に暮れているときは不安や焦りばかりが押し寄せてくるが、腕をまくって真剣に問題と向き合い、解決策を模索していると、必要なサービスや人物が突然、目や耳に飛び込んでくる。

そうか「本気で生きる」ってこういうことかということが感覚でわかった。自分はぜんぜん、全力で生きられていないなと思っていたけど、たしかに瞬間瞬間では、全力で生きられているときがあると気づくことができた。

この本で「なるほど人と比べることがない人間が見えている世界や高揚感はこういうものなのか」  ということを味わってみてほしい。そしてその感覚がけっして自分とは縁のないものではないということを思い出せる。

この高揚感で仕事をすればいいという手がかりがわかる。

そしたら次は、それを邪魔しているのが自分の嫉妬心だということに気づけるようになるかもしれない。

身軽になることをいちばん邪魔するもの。それが嫉妬心だ。

比較や嫉妬は選択肢をものすごく狭める。考えてもみてほしい。嫉妬する相手とはどんな相手だろうか。自分と全然タイプが違う人や、レベルが違いすぎると感じる人、業界が違いすぎる人に嫉妬はしない。

ということは、自分と似たようなタイプで、同じようなレベル感で、近しい世間のなかで生きている相手だからこそ嫉妬するのだ。

そんな人間がとっている言動がまるごと使えなくなるのだ。めちゃくちゃ不利に決まっている。

しかしアイツと同じ方法で同じ土俵に上がりたくない。アイツはずるいと思えば思うほど、認知的不協和で自分はその人がやっている戦略を使えなくなる。ほんとうは自分も同じことをしたくてたまらないのに無意識にそのやり方を遠ざけてしまうのだ。

とはいえクセになった嫉妬心を消すのは時間がかかる。ゆっくり焦らず溶かしていこう。そのために嫉妬とは無縁に生きている人の人生を追体験することは役に立つ。かれらの熱量は、僕らに「やりたいことをやるきもちよさ」を思い出させてくれる。

『伝えることから始めよう』とても良い本です。ぜひ読んでみてください。オーディオブックもおすすめ!


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『伝えることから始めよう』のオーディオブックはこちら

CM

今日も最後までお聞きいただき、ありがとうございました。

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F太
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