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24年間の人生で1番好きだった彼女と別れた

夜にこういうことを書くのは後で後悔するからやめたほうがいいと思いながらも、このモヤモヤした気持ちのまま眠れないと思って、液晶をなぞる。

僕は1ヶ月前に1年半交際した彼女と別れた。僕が1番好きだった彼女はもう以前のようには僕に異性としての魅力を感じなくなったらしい。僕は理由を聞いてすぐに別れることを決めた。

その彼女と出会うまで、僕は本当に好きな人としっかり付き合えたことがあまりなかった。今まで付き合った人は女性側が好意を寄せてくれたから付き合った、みたいな消極的な付き合い方だった。学生時代の最後に付き合った子は僕が一方的にとても好きだったけれど、彼女は少し変わっていて、たぶんあまり僕に興味がなかった。だから卒業前には別れてしまった。
社会人になって最初の冬が来るまで、もうしばらく恋人は要らないと思っていたが、仕事ばかりの毎日に嫌気がさして僕は恋人が欲しくなってマッチングアプリを始めた。
マッチングアプリで何人かの女性に出会って、デートをしても別に感情が動かず、会費も安くないので退会することにした。退会する前、最後にメッセージをやり取りしていた女性はアプリに載せてる写真では顔がよくわからなかったものの、住んでる場所も近いということで会うことになった。
東京に初雪が降った日、僕はその人と初めてデートをした。彼女は予想していたより数倍綺麗で、僕は自分の緊張がバレないようにリラックスしているよう振る舞って、彼女と何時間か話をした。
思いがけず、その翌日も彼女にデートに誘ってもらって、映画館で洋画を観た後に2人で寒空の下、澄んだ空気の先に広がる星を眺めながら近所の大学内を歩いた。僕はそのデートをしたたった2日間で完全に恋に落ちた。これは生きてきた中で最速恋記録だった。
幸運にも彼女も僕を気に入ってくれたようで、僕らは付き合うことになった。僕は今まで交際した女性との経験の中での反省点を洗い出し、彼女にとってのベスト彼氏を目指した。この姿勢を会社で発揮していれば、僕は仕事ができる人間だという社内評価を得ていることだろうが、今の仕事にはそこまでの愛情がないから無理だ。
今振り返ってみると僕はたぶんめちゃくちゃ彼女にのめり込んでいたと思う。半分依存していたといっても過言ではない。
彼女は美人で程よい謙虚さがあり、適度に品があった。そして僕へ愛情を向けてくれて隣にいてくれた。結婚は考えていなかったが、彼女より良い人はもう現れないかもしれないと思っていた。
彼女とは一緒にハワイに行ったり、僕がずっと憧れていたホテルに連れていってもらったりした。ちょっとしたいざこざはあったけれど、とても幸せな日々だった。

コロナ禍、長い梅雨が明け、フェスも花火もないクソみたいな夏が始まったかと思うと、彼女はもう僕への興味を失っていた。彼女は、感情の変化は段階的だったと言っていたが僕にとっては青天の霹靂だった。正直割と驚いた。僕は彼女が数年間僕の隣に居てくれるものだと思い込んでいたし、僕は出会ってからその日までめちゃくちゃ彼女のことを好きであり続けていたからだ。
しかしながら、悔いのないよう彼女に対して自分が考えるベスト彼氏的な振る舞いをしたうえでフラれるのだから、もうこれは致し方ないと、僕はすぐに別れることを快諾した。フラれてからショックで食事も喉を通らない、ぼーっとして仕事が手につかないということもなかった。それは夏が終わって秋になってしまうような、自分の力ではどうしようもないことだから、変に自然に受け入れてしまったのかもしれない。あるいは自分を磨いてもって良い人と出会えるよう努力すればいいと思っていた。


そうやって、淡々と日々を過ごして1ヶ月経った。
今日、月曜の夜、仕事が終わってからふと僕は、「明日が人生最後なら何をしたいかな」って考えていた。答えは明確だった。
— 24年間の人生で1番好きだった彼女とずっと一緒にいたい

自然とその答えが出てしまって、どうしようもなく悲しく、涙が止まらなくなって、眠れなくなった。
そしてこの失恋を受け入れるのが未だにちょっと辛すぎて、でもこの感情を世界のどこかに残しておきたくて、このnoteに書き記しました。

おやすみなさい。

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