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ディズニーランドの不思議

コロナが収まりやっとのこと日常生活が戻ってきたと感じられるようになってから初のGWが終わったが今年のGWはどのように過ごしただろう?

観光地では海外の方も多く見られるようになり、やっと日常が戻ってきたと感じることが出来るようになってきた。

特にディズニーランドは大賑わい。
人気のアトラクションはコロナ前応用、3時間待ちなどが起こるようになってきました。日差しは強く人も混雑。
そんな中で3時間待ちは夢の国なのか地獄の国なのかわからなくなりそうだ…

正直それだけ聞くと『何でそこまでしていくの?』と感じる。
でも、ディズニーのリピート率は驚異の98%‼‼‽

これ、よく考えると不思議ではないだろうか?
決して安くない入場料を払って、3時間も大変な思いをして並んで、せっかくアトラクションに乗ってもほんの数分で終わってしまうのだ。
ディズニーで本当に乗りたいものを選んだら1日10本は乗れないでしょう。
実際アトラクションで楽しんでいる時間は何時間もいるうちのほんの数十分だろう。
それでも98%の人がリピートする。

暑い中並んだ嫌な記憶はどこかに飛んで行ってしまうのだろうか?

実はこれちゃんとした理由があった‼‼

今日はディズニーがどんな方法で驚異のリピート率98%を叩き出しているかご紹介しよう。

この話があなたのビジネスのヒントになれば幸いだ。



なぜ私たちは、ある経験を長期にわたり記憶し、ある記憶は短期的に忘れてしまうのか?
心理学者によると記憶の謎には意外な理由があることがわかってきた。



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ある実験で被験者に3度に渡ってある体験をしてもらう。

1度目はまず14℃の冷たい水の入ったバケツに1分間手を入れてもらう。

2度目はまず、最初の1分間は先程と同じように14℃の冷たい水の入ったバケツに手を入れてもらい、その後30秒間は水温が15度℃に上がるというものだ。
最後の30秒は1℃温度は上昇するが、水に手を入れている時間は実質30秒長くなる。最後の30秒はもちろん冷たいことに変わりはないが、温度が1℃上昇することによって苦痛はかなり和らぐといったところだ。
【一度目も二度目も被験者には水に手を入れる以外の情報『水温や時間』は与えていない】

そして最後は一度目の実験を繰り返すか二度目の実験を繰り返すか被験者に選択してもらうというものだ。

内容をしっかりと説明されていたら皆が選ぶのは間違いなく前者だろう。
理由は簡単、苦痛を味わうのが同じなら、短いほうが良いからだ。

ところが、この研究ではまさか69%もの被験者が後者、つまり90秒間水に手を付けるほうを選択したのだ。

この不可解な結果に対して実は心理学的な解釈がなされている。

人はある経験を評価するとき、その長さを忘れる。あるいは無視をする
【期間の無視『duration neglect』】というものがよく起こる。

その一方
①『ピーク』とされる最高の瞬間や最悪の事態
②最後『エンド』
これら2つはとても重要視され評価の主要要素になる。

つまり、先ほどの実験において60秒90秒という時間は無視され、逆に強く印象に残っているのは実験が長かった短かったという事実よりも【快適に実験が終了した『1回目より2回目のほうが1℃分苦痛が少なく終了した』】という事実なのだ。

ディズニーで1日楽しんだ後、辛かった行列ではなく乗り物の楽しさや、お土産を買ったときの喜びが何よりも記憶に優先的に残るため、結果的にリピートに繋がるということなのだ。

これはレストランやコールセンター温泉など、様々なところで活用されている。

どんなに良いサ-ビスを作っても【大半は忘れられ、一番良かった瞬間、最も悪かった瞬間】だけが強く印象に残って終わるのだ。

今言ったように記憶に残るのはよい記憶だけではない。
最悪だった状態も記憶に残りやすいから、そういった状態はできるだけ苦痛を忘れさせる必要がある。

例えばディズニーで言えば、当たり前だが2時間待ち、3時間待ちをただ待っているだけでは先ほど言った楽しかった瞬間を超える苦痛になるかもしれない。
だから、ディスプレーを使ってよりアトラクションに興味を持たせるパフォーマンスをしたり、キャストから様々な声掛けや対応が行われるわけだ。

これを知ったとき、私は【自分はクライアントに対してここまで出来ているか?】と自分を改めてみることにした。

ディズニーは最高の瞬間を最大限楽しめるよう試行錯誤し、本来苦痛な時間の待ち時間を有効に活用しながら苦痛を和らげ、アトラクションへの期待値を最大限に引き出したのだ。

あなたのビジネスはお客さんが喜ぶ最高の瞬間はいつだろうか?
お客さんが苦痛を感じる最大の難所はどこだろうか?
これらを一度考え直して、工夫することが出来れば、リピート率がグングン跳ね上がるかもしれない。
あなたも是非一度自分のビジネスを考え直してみてはいかがだろうか?

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