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第3回 産学連携セミナー「地域企業のためのSDGs&DX経営実践のコツ」 開催レポートー七十七銀行のSDGs達成に向けた取組み~地域企業のSDGs経営実践に向けた支援について

2022年10月11日(火)東北大学片平キャンパス知の館を会場およびオンラインのハイブリット形式で、東北大学知のフォーラム・社会実装プロジェクト産学連携セミナー第3回「地域企業のためのSDGs&DX経営実践のコツ」が開催された。

 今回のセミナーでは、鈴木 拓郎 氏(株式会社七十七銀行 統合企画部副部長兼サステナビリティ推進室長)、田中 勝章氏(同 コンサルティング部営業渉外課)、千葉 卓氏(同 地域開発部地域開発課)の3名より、「七十七銀行のSDGs達成に向けた取組み~地域企業のSDGs経営実践に向けた支援について」と題しご講演いただいた。
具体的には、「1.七十七銀行のSDGs達成に向けた組織的な取り組み」「2. SDGs経営実践に向けたソリューションメニューの紹介」「3. SDGs・脱炭素経営実践に役立つ支援制度・活用事例」の3点をご説明いただいた。

1、「七十七銀行のSDGs達成に向けた組織的な取り組み」について
同行では2020年7月に「七十七グループのSDGs宣言」を策定し、SDGsに関する取り組みをスタートさせ、年々事業の幅を広げ続けている。また、Vision 2030を策定し、同宣言を組織共通の価値観として位置づけた。
 また、同行内でのSDGs・脱炭素への組織面での取り組みとして、サステナビリティ推進室やサステナビリティ推進管理方針を策定。さらには頭取自らが委員長を務める、サステナビリティ委員会を設置した。グループ一体となって、SDGs・脱炭素に取り組む組織体制を構築している。
 他にも、同行のSDGs宣言の内容をさらにブレイクダウンさせた「SDGs実践計画」と関連事項にかかるKPIを策定。これを年度ごとに見直すことで、宣言の達成に向けた指針としていきたいとしている。

鈴木 拓郎 氏(株式会社七十七銀行 統合企画部副部長兼サステナビリティ推進室長)

 2、「SDGs経営実践に向けたソリューションメニューの紹介」について
本セミナーでは、国連が発表した「SDG Compass」のサイクルに則り、各フェーズで同行が提供可能なSDGs支援サービスを、抜粋して3つご紹介いただいた。
 1つ目は、「77SDGs支援サービス SDGs診断」である。専用の診断シートを基に、現状のお客様のSDGsの取り組み状況(人権・労働や品質・サービス、環境、情報発信などの多様な分野にわたる)を見える化し、課題の洗い出しに伴うコンサルティングを提供するサービスである。診断結果は3ランクに分かれ、結果次第では、優遇金利で資金調達が可能と行ったボーナス制度もある。実績としては、サービス開始から今年9月でちょうど1年を迎え、140社の診断を行った。また、追加プランとして、会社専用のSDGs宣言書を作成し、HP掲載などに使用可能なデータとして提供することも可能である。
 2つ目は、「CO₂排出量可視化・削減サービス」である。株式会社e-dashと提携し、CO₂排出量の可視化・報告・削減のサポートを行うサービスだ。ガソリン代のレシートなどをスキャンしアップロードするだけで良いという簡単さや低コストが魅力である。
 3つ目は、「サステナビリティ・リンク・ローン」である。このローンでは、SDGsに関連する野心的な挑戦目標「サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)」を設定し、その達成度具合に応じて金利などの貸出条件を優遇する。ポイントは3点あり、外部評価機関による第三者評価が発生すること、SDGs経営に積極的な企業であることをPR出来ること、同行がモニタリングすることでSDGs経営の高度化に向けた伴走支援を行えることである。
これらのソリューションを提供することで、同行は地域企業のSDGs実践に寄り添い、後押しをしている。

田中 勝章氏(同 コンサルティング部営業渉外課)

 3、「SDGs・脱炭素経営実践に役立つ支援制度・活用事例」について
とくに事業再構築補助金制度のグリーン成長枠と利子補給制度についてご説明いただいた。
 グリーン成長枠については、グリーン成長戦略に掲げられた課題の解決に資する新規事業に取り組むといった必須条件を満たした事業者には、補助金が出るという制度である。同行では、企業が事業計画を策定する段階などでサポートを実施している。
 利子補給制度については、中央官庁の推進する施策に合致すると認められた場合に、借り入れに対する金利を中央官庁が事後的に補給する制度である。企業と環境省の間に同行が入ることで、企業の手続き負担削減に貢献している。
 以上のように、同行は地域全体でのSDGs推進に精力的に取り組み、「地域経済の成長」と「地域価値の向上」を目指している。

千葉 卓氏(同 地域開発部地域開発課)

 質疑応答では、同行のSDGs実践計画にある「地域経済エコシステムの構築」について意味するところの質問があり、地域の事業者、自治体等と連携した地域創生のためのセミナー開催などがあげられるとのことであった。またSDGsの取り組みが行員にどのような影響を与えているかとの質問については、取引先企業にSDGsの支援サービスの紹介をするにあたっても、SDGsの意味や意義を理解しておく必要があることから、積極的に学ぼうとする意識が浸透していると思われるとのことであった。
 全体として脱炭素の取り組みなど環境分野での支援実績が目立つものの、地域企業での女性の活躍推進やマイノリティ支援など人権・社会分野でも、SDGs経営の診断(導入初期のみならず継続的に受けてもらえるよう実績を積んでいきたいとのこと)でのチェック項目になっており、グループ全体でコンサルティングできる態勢となっている。またソーシャル・ローンでは過疎地域の廃校を利用した地域交流拠点形成や外国人留学生の教育支援などへの融資実績をあげており、多様なテーマの広がりを感じることができた。同行が地域企業のSDGsの取り組み支援を通じて、持続可能な地域の発展を支えていくことを期待したい。

(文:東北大学経済学部学生 近江綾和/ 同准教授 高浦康有)

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