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良い家に必要な「住みこなし力」

これまでに約50棟の家を設計しました。その中には自邸も含まれています。
「良い家とは何か」仕事中はもちろん、日々の暮らしの中でも常に考えています。これほど公私混同する仕事は無いのではないかと感じています。

また、いわゆる営業活動もしていますので、恐らく500人近くの方と家について話したと思います。その中から私と価値観が合って選んでいただいた方が約50組の大切なホームオーナー様ということです。

選んでいただいたお客様のために、「良い家」を建てたいと思っています。
「良い家」とは「住み手の住みこなす力にフィットした」家です(定義は人それぞれで正解は無く私自身もこれから変わる可能性もあります)。
そう言うと伝わりづらいので、いつもは「あなたらしい、幸せで楽しい暮らしを送れる家」と伝えています。

スリランカにて、建築家ジェフリー・バワの理想郷「ルヌガンガ」を見に行きました。熱帯雨林から連続する庭、庭から外部空間を挟んで家があり、自然と住居が一体となった建築として有名です。

まるで「地球循環の一部として暮らす」ような、原始的で自由な建築(と庭)の姿を目の当たりにし(宿泊もしました)、感動したことは言うまでもありませんが、それと同時に「シンプルな家だな」とも感じました。
四角・三角・丸、白・木・鉄・レンガ―。建築を構成する要素は実にシンプル、だからこそ力強い熱帯雨林と喧嘩せず混ざり合うのかもしれません。
ですが、そのシンプルな器にバワが好んだアートや調度品が並ぶことで、バワの「住みこなす力」による唯一無二の家が出来上がったのです。
バワ以外にもルイス・バラガンやアルヴァ・アアルトなど世界の名だたる建築家たちの自邸をよく見ますが、構成はどれも結構シンプルで、その分「らしさ」を引き立たせています。(これら名建築を語る語彙力は私にはありませんのでご了承ください…)

「住みこなす力」は人それぞれに備わっています。そしてこの力は「良いもの」を見て触って味わって育てていくことができます。
私は「良い家」を設計するために、お客様の「住みこなす力」を感じたいと思っています。将来の伸びしろも含めて。
そして自然素材や庭を提案する理由に「時間を掛けられるから」と説明しています。時を蓄積し「経年美化していく良いもの」に包まれて、住まい手は住みこなす力が向上すると思います。

「良い家」とはバワにとってのルヌガンガのような、お客様にとっての理想郷なのかもしれません。
シンプルで「良いもの」に包まれ、あなたの「住みこなす力にフィットした」家を設計したいと思っています。

自邸の、youtube動画を下記URLからご視聴いただけます。
暮らしについて、家づくりについて、案内しています。
https://www.youtube.com/watch?v=a1Wgnl_w7Jw



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