夫婦で一年間の育休を取る理由(+育休のデメリットについて)

子供が産まれました。
そして四月から夫婦ともに一年の育休に入りました。

「どうして二人揃って、1年も育休を?」

なんて事をよく聞かれるので、そのあたりの話を書き残しておきます。


◾︎育休を取った理由


(1)育児は一人にやるには大変すぎると思ったから


見聞きする限り育児(特に一年目)は多忙で、
どちらか一方が育休を取るだけでは過酷すぎると思ったので、夫婦ともに育休を取りました。

※もしも、「自分達の親が専業主婦で、近くに住んでいて、孫の面倒を24時間ずっと見たくて仕方ない」というなら状況は別だったかもしれませんが……そんなのって現代ではおとぎ話みたいなものですよね。



(2)仕事が心底嫌だったから


まあ正直なところ、これはありますね。

客観的に見れば、別に超絶ブラック職場という訳ではないと思うのですが、僕にとってはかなり多忙で、内容も嫌な緊張をする場面が多く、気が重いのです。

つまり会社に行きたくないんですね。
いい大人がこんなこと言うのもアレですが……。

それで、平日朝はちょっと深刻すぎるほどに憂鬱になることも多々ありました。
※何がそんなに嫌なのかについては別の機会に……。

これが育休の直接の理由ではないですが、後押しになったのは事実です。



(3)自分にとって仕事(社会的行動)が重要かを確かめたい


幼い頃より「人間は働かないとダメになる」とか「社会と関わらないと満たされない」といった言説を聞かされてきました。

が、今まで生きてきた実感としては、仕事(社会的活動)というのは僕にとって苦痛でしかなく、
仕事していない状態こそが理想だと思っています。

この一年を通して、「人間は本当に社会で生きなきゃいけないのか?」を確かめ、今後の生き方(心の持ちよう)に活かしたいという気持ちもあります。


◾︎育休を取った理由ではないこと

(1)「妻のサポートをするための育休取得」ではない

ちなみに、育休を取ることを言うと、よく

「男なのに育休取って偉いですね!」
「奥さん想いですね!」

みたいに言われるのですが、それは何か違うんですよね。

別に僕は妻のサポートをするために育休を取っている訳ではなく、
単に自分の子供を育児しようと思って育休を取ってるんですよ。


言い方を変えれば、僕は妻に育児をしてもらおうというつもりはありません(実際には妻も自発的にやるでしょうが)。

基本的に育児は肉体労働なので、男女選べるのであれば、産後の疲れた女性よりも、体力のある男性がすべきだと思うんです。

例えば「昼夜問わず約3時間おきに起きてトラブル対応」とか、社会的に見れば男がやるべき仕事じゃないですかね。


(唯一、母乳は女親からしか出ませんが、今は粉ミルクだけでも育てられますからね……(粉ミルクと母乳には違いもあるのですがここでは割愛))


(2)「社会を変えるための育休取得」ではない

たまにネットで、

「自分が育休を取ることで、職場や社会の空気を変えたい!」

みたいな意見も耳にしますが、僕はそういう気持ちはありません。

今時育休を取るのはそれほど珍しいことではないし、そもそも社会はそんなに簡単には変わらないと思っているので……。

あと更に言っておくと、僕は別に「全員が夫婦両方育休を取るべき!」とは思っていません。

というのは、人はそれぞれ置かれている環境が違うからです。

親族の状況、年収、貯蓄、職場環境、キャリア設計などなど……色々考慮に入れると、育休を取らないことが最善の環境もあるのではないかと思います。

同じ国に暮らしていても、環境によっては世界の見え方、感じ方は全然違うと思うのです。


◾︎育休を取ることのデメリット

(1)収入が減る


育休手当は、給与の満額が出る訳ではなく、税金のアレコレを踏まえると、およそ昨年の7〜8割の収入になります。

(正確なところは各々で調べて下さい)

僕の年収が例えば488万円(30代男性の平均年収)だとすれば、

およそ122万円程度の減額ということになります。

※更に言えば、育休中に昇給されない、退職金が減らされるといった危険もあります。

「122万円程度」というのは決して安い金額ではありませんが、結局のところ

「まあ払えない額ではないし、今後の生活(養育)を圧迫する額でもないだろう」

というのが僕の判断でした。



(2)キャリアに傷が付く


これは現実問題としてあります。
育休を取るとキャリアに傷が付きます。

例えばサラリーマンの場合、育休中に高評価(昇給)を得ることはありませんし、

「仕事よりも育児を優先したことがある」というのは、後々どこかでネガティブな判断材料にされるかもしれません。
(経営者の立場に立って考えれば当然のことです)

そしてフリーランスなら、育休中は単純に経歴や技術面で遅れが出ます。

そんな訳で、社会制度がいくら充実しようとも、「仕事よりも育児を優先すること」が会社(仕事上の経歴)にとってプラスの判断材料になることは殆ど無いと思います。

それでも僕が育休を取ったのは、

「キャリアなんてどうでもいい」と思っているからです。

収入面で言えば、今のままキャリアアップしなくても養育費・生活費・老後の資金を賄えそうなことは計算で確かめてみました。

そして会社内での立ち位置(プライド)という意味で言えば、僕は「会社内での出世(キャリア)」というものにどうしても意味を見出せないのです。

社内の異動や昇格なんて、どこまでいっても「狭い世界の背比べ」としか思えない、というのが僕の感想です。

あくまで僕の感じ方でしかないのですが、そんな訳で、この点はあまり気にせずに育休を取りました。



(3)会社に迷惑がかかる


「育休を取ると往々にして会社に迷惑がかかる」という事実もあります。

育休手当自体は雇用保険(国)から出るので、会社に金銭的負担を強いることはないのですが、

単純に「その部署から人間が一人減る」という意味で、現場の負担になることがあるかもしれません。

この負担を減らすためにまず考えられるのは、「人員の補充」ですよね。

僕はこの点を何とかできないかと上司と相談して、「一年まるごと育休をとる」ことにしました。
一年まるまる休むことで、(数ヶ月の時と違って)僕の代わりの人間を他部署から異動させられるというのです。

そのおかげで、今僕の席には別の方がまだ座っており、部署の人数は変わっていません。

このように、会社に迷惑をかけない(軽減する)やり方もあるかとは思うので、その点は職場に相談してみることをお勧めします。

※上記の「一年育休を取ることで、僕の代わりの人間を他部署から異動させられる」というのは、あくまで僕の会社だけでの話です。あしからず。


◾︎まとめ

そんな訳で、上記のような色々な理由が複合した結果、一年の育休を取ることにしたのでした。

繰り返しますが、別に育休を取ることが正義だとは全く思ってはいません。

ただ、僕は今とっても毎日が楽しくて、育休とって良かった! と思っています。(まだ一週間ほどですが)


今後はどうなるかな。
自分で経過観察をしていき、何かあれば報告するかもしれません。


今迷っている方の参考になれば幸いです。


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