日記(3/14~4/17)~『超写実絵画の襲来』、下北沢のカレー2種、フルメタルジャケット、博士の異常な愛情、フリークス、ぶんぶくたぬき、ナナとカオル、minit
美術展『超写実絵画の襲来』 / 野毛山カレー食堂 / エイトカレー / medium 霊媒探偵城塚翡翠 / フルメタル・ジャケット / 博士の異常な愛情 / サスペリア / フリークス / ぶんぶくたぬきのティーパーティ / ナナとカオル / 不安の種 / minit / Cuphead /
ぼーっとしていたら、一ヶ月以上更新をさぼってしまった……。
長くなるといけないので、、最近楽しかったことを手短に書きます……。
■美術展『超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵』に行った。
※コロナの影響で現在は中止しているようです。
超写実絵画は、上記のように写真と見間違うような写実主義のこと、とのこと。
一見すると「こんな緻密な絵を描くなんて凄いなあ」という感想を持つが、
描く対象をよく考えてみると、「精密なものを緻密に描く」ことに意味を見出している感じはなく、
他の絵画と同じく「思い入れのあるもの」「好きなもの」を描いているように感じた(実子、森の風景、民芸品など)。
では何故こんなに緻密に描いたのか。
それは、その対象そのものを、ありのまま愛しているため、何かを省くことが出来なかったからではないか。
普通、何かを思い浮かべたり、抽象的に描写する場合、その対象の一部特徴のみを抽出することになる(言語がまさにそうだ)。
その瞬間、何かかの要素は切り捨てられることになる。
超写実主義には、その「切り捨て」がない。その対象そのもの全てを克明に描くことで、その全体を愛そうとしている。
例えば、展示物に「木の幹だけを描いた絵」があったが、
仮に「大木の堂々とした佇まい」を描きたのであれば、細かい傷、まで書く必要がない。
それなのに傷を描いたのは、「大木の堂々とした佇まい」だけを描きたいのではなく、「そこにある大木が存在する事実そのもの」に感動したからだ。
存在そのものを認めるためには、その存在を何一つ欠くことなく表現する必要があり、傷も描かなければいけないのだ。
存在そのもの(存在するというナマの事実)を愛するなんて、なんて大きな愛だろうと思った。
そういったことを感じられて、とても楽しい美術展だった。
下北沢の公園で出店をやっていた。
これがもう本当に美味しい。桜えびなんかがちらしてあって、
ルーも複雑な旨味のあるカレー。タイの炒めもの(パッタイの具)のような旨味があった。
■下北沢『エイトカリー(E-itou Curry)』
最近できたカレー屋さん。一号店は北海道とのこと。
パキスタン無水カレーがとても美味しかった。
ホロホロのチキンがルーと絡む。それほど辛くなく、クミンの良い香りが漂う。
分類としては(スパイスカレーではなく)煮込みカレーなんだけど、
煮込み方が(日本のカレーではなく)アジア的なので、テイストとしてはトルコ料理のような味わい。
■ミステリ小説『medium 霊媒探偵城塚翡翠』読了。
謎の解明が最後まで本格ミテリに終始しているのが、良い意味で今風にこなれてなくて良かった。
■映画『フルメタルジャケット』
ご存じキューブリックの戦争映画。ベトナム戦争兵の訓練と実戦を、兵隊目線で描く。
凄い。軍隊の下品さが鮮明に描かれている。当然だが倫理間のない体育会系の社会で、嫌悪感で胃がキリキリした。しかしこんな事を数十年前までやってたと思うと、むしろ理性的に生活してる現代の方が嘘(虚構)に思えてくるな。
あくまで個人視点なので戦争批判なんかは全く出てこないのが潔い。体験記を読んでいるかのよう。
■映画『博士の異常な愛情』
こちらもキューブリック。
冷戦中、ひょんな事から米国空軍にソ連への核攻撃命令が。ソ連の自動報復機能が作動すると人類滅亡。人類はこれを回避できるか……というブラックコメディ。
とにかくナンセンス。物語が全てなし崩し的に進み、起伏も意外性もオチもない。最後7分のグダグダが象徴的で面白い。
■映画『サスペリア』
イタリアの古典(?)ホラー。
ドイツのバレエ学校に入学した少女。次々と人が死んでいき……という古典ホラー。映像・音楽がやたら印象的。音楽が特徴的で、耳に残るスリラーなBGMが鳴り続けている。だがそのBGMでも怪奇現象が起こるとは限らない謎展開。建物はじめデザインは芸術的で楽しい。美術館の内装をずっと観ているよう。反面、殺害シーンや虫のシーンかかなりエグい。
シナリオは基本的によく分からない。一応オチは明かされるのだが、何故今になってこんな事を立て続けにしてるのかよく分からないし、話の途中にも脈絡なく夜のプールで泳いでいたりと不思議なシーンが多い(しかもプールで何も起きずにそのシーンは終わる)。幻想的と言えばそれまでだけど、主人公の「来たばかりの学校の、空気の分からなさ、居心地の悪さ」みたいのをずっと感じる作品。
謎めいた作品だった。今見終わったばかりなのに、まるで子供の頃に見たトラウマ映画のように、ふわふわした記憶として残っている。思い出されるのは血のシーンばかり。
■映画『フリークス』
実際の身体障害者が多数出演し、見世物小屋で起きる事件を描いた伝説的古典カルト映画。英国では30年間上映禁止だったという曰つき。内容は決して差別的ではなく、むしろ「差別する人間こそが怪物である」という内容だけど、でもやはり「俗物根性で観たんじゃないの?」と観客に考えさせる映画でもある。舞台裏での彼らの生活は至って普通に描かれており、観終わる頃には彼らに愛着が湧くはず。
■漫画『ぶんぶくたぬきのティーパーティ』全5巻買った。
→(無料試し読み)
今も連載中の可愛いWEBコメディ漫画。
とにかくコメディとして面白い。声あげて笑ってしまう。あと狸が可愛い。最高。
■漫画『ナナとカオル』新シリーズが出ていたので買った。
表紙がいやらしくて紹介しづらい……。
ナナとカオルといえば緻密な心理描写。
新シリーズでは、もう恋の駆け引きとかそういう次元じゃないような気がするんだけど、どうなるんだろう?
学生の恋愛ものを見ると「でも結婚までは無理だろうなー(笑)」とか思いがちなんだけど、
この二人だけは本当にいつまでも上手くいく気がする。
■漫画『不安の種』も新シリーズが出ていたので買った。
相変わらず画力がものすごく高い。ホラー漫画に必要なのは画力だな……と痛感する。
■他に無料になっていて読んでいる漫画
・『宮本から君へ』
新井英樹先生の漫画は『ザ・ワールドイズマイン』『愛しのアイリーン』が既読で、どちらも抜群に面白く、そして精神を削られたので戦々恐々しながら読んでいる。
『宮本から君へ』はサラリーマン漫画だけど、平凡なサラリーマンを題材にして、よくここまで心を抉るようなものが描けるよなあ……天才としか言いようがない。
営業職って本当に大変だなーと思う一方、ある意味でこれほど人間と向き合う仕事はないのかも。
・『スラップスティック』
『俺はまだ本気出してないだけ』の作者・青野春秋先生の自伝的漫画。
少年の孤独、みたいな話に弱い……。この先生は本当に漫画がうまい。
・『グラップラー刃牙』 ほぼ暗記してるのにまた読んでしまう……。
・『ワンピース』60巻まで
中学生の頃は暗記するほど読んでたけど、いつしか疎遠に……。
ワンピースは怒涛のごとく伏線を張る(これからのキャラや展開を予感させる)けど、僕は今までの展開もうろ覚えなので、伏線なのか回想なのかよく分からなくなる時があり、寂しい。
・『トマトイプーのリコピン』。面白い。
僕はメゾン・ド・ペンギン世代なんだけど、この可愛い絵柄良いなあ……。
僕はギャグ漫画が大好きだが、ギャグ漫画って一時期に比べると掲載数が減っている気がするので、負けずに頑張っていってもらいたい。
■スマホのゲームアプリ『minit』が面白かった。
ゼルダの伝説みたいに、ステージに居る敵を剣で倒して進むアクションRPGなんだけど、
主人公が「60秒で死ぬ呪い」にかかっていて、死ぬと自室に戻されてしまう。
その障害が一番のパズル要素になっていて、60秒の間にスイッチを押して近道を開通させたり、色々苦労することになる。
ストーリー背景がほとんど無く、ドット絵のキャラクターも素朴なんだけど、
全体的に牧歌的な雰囲気があって良かった。
ゲームとしては難しくなく、クリアまでの時間も数時間くらい。
(ただアイテムを全部集めようとすると結構苦労する)
おまけ要素も多くて、苦労して離れ小島に行ってみたら皮肉屋の男が一人居るだけだったりする。
この作者の物は全部やりたい! と思うくらい気に入ったけど、他には作ってないのかな?
■ゲーム『Cuphead』を始めてみた。
人気の同人ゲーム。
カートゥーンみたいな絵のアクションゲームなんだけど、これ全部手描きらしい。すごい。
時間がある時にちまちま進めてます。
■最後にこっそり自分の話を。
あまり書かないようにしてるのだけど、実は小説の新人賞にちょくちょく出している。で、3月にミステリ長編小説の新人賞に応募した。
長編は(個人的に)書くのが大変なので、無事に送れてよかった。
結果は……どうなるのかな。今まで5作出して、選考結果はまちまちだが、
とにかく一次選考だけでも通過すると飛び跳ねるほど嬉しくなる。
なので今回も一次選考通過できると嬉しい。
そんな感じで、楽しく生きております。
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