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それもまた売り物だった

 秋葉原のヨドバシカメラの入口に、AI顔認証式のフェイスチェッカーが設置されている。入店者は皆その前に立ち、検温を行う。
 その下には値札が下げられている。
 二一五六〇〇円(消費税込み)!
 極めて合理的な展示方法である。
 令和時代の日本社会において、コロナウイルスの存在は、日常的な風景の一部となってしまった。その事実を、執拗に告知するオブジェ、もしくは広報物のように佇んでいた。


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