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令和最初の天皇誕生日

 ドラッグストアの店頭に、朝から行列が出来ている。東小金井駅高架下のコクミンドラッグでも、武蔵境駅西の高架下のクリエイトでも、人々が列を成している。
 そんな必要があるのだろうかと訝しみながら、休日出勤の僕はその傍らを通り過ぎる。
 二月の終りの関東平野の空はどこまでも澄んでいて、一点の曇りも無い。今日はとても暖かい。清々しい青天だ。

0224富士

 国立駅のホームの西端からは、関東山地の山稜が良く見える。視界を遮るものは何もない。その左奥に、白く鮮やかな円錐として富士山が存在している。爽やかな気分になる。
 国立駅の南口では、三角屋根が特徴的な旧駅舎の再現工事が行われている。ずいぶんと長い間続いていたように思うが、もうほとんど完成している。この春にはオープンするという。一番ホームの硝子越しにその姿を見降ろすと、白い壁と赤い屋根とで構成される上品で瀟洒な佇まいが、いかにも文教都市といった印象を与える。
 国立駅高架下のマツキヨの入口には、本日はマスクの入荷は無い旨が掲示されている。従ってここには行列は出来ていない。
 令和最初の天皇誕生日は、概ねこのようであった。

0224旧駅舎
0224マツキヨ


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