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2024年の8月と9月で読んだ本の感想(21作品)

読書メモです。
このペースで行くと、1年かけて100冊ぐらい読めそうかな……??
少しずつペースが落ちてきた感じがあって、8月はお盆休みもあって5冊くらいしか読んでいません。電車移動の時に読むので、お休みが多くなって通勤しない日が増えると本を読破できないようですね。
新しい気付きでした。
ただその反動からか、9月は16冊(作品)読んでいるという極端さです。
「薄めの作品が多かった」「上下巻に分かれているものがなかった」「実用書系の新書とか読んだりしたので、それ系はかなり早く読める」という辺りが要因かなと思います。

自分のことを「担当」と表記するのが分かりにくいな、と今更ながらに思ったので、今回から一人称は「僕」で表記しています。
僕って歳でもないですけど。(歳とか関係ないですけど)


●バスに集う人々

鉄道ではなく、路線バスひたすら乗り継ぐという趣味を持った人たちが。路線バスに乗っていた間にちょっとした不思議な出来事に遭遇し、それをいつもとある人物が安楽椅子探偵的に解いてしまう、という短編集。
東京在住で70歳以上の方向けに、シルバーパスというものがあるらしく。
それを使って都内のあちこちをバス移動する、という趣味を持った人達の群像劇(?)で、なので珍しく高齢キャラが多いお話。

何かの紹介記事で見かけて手に取ってみたのですが、これ、シリーズ作の3作目じゃないすか……。
1作目だと思って読み始めちゃいましたね。

ミステリの一種だとは思うのですが、バスや土地の描写が多く、どちらかというと旅ものとか土地の探訪記に近い印象。東京の川がどう変遷してきて暗渠が現在どうなっているかとか、読んでいると実際に歩きに行きたくなるな、と思いました。

その反面、ミステリそのものの謎の部分が弱く、旅行もののように振り切ってしまった方が良かったんじゃ……?? とも思ってしまいました。
これはシリーズ読んでなくていきなり3作目だから、というのもあるかもです。
文学に近い感じで、ミステリとしては弱く、物語そのものもちょいと弱かった印象。

お勧め度は、5段階で☆2、くらい……。
ちょっと1冊目から読んでみようかな、というとこまでは思えず。
☆3以上のものは記録を残す、みたいな方針にしようかちょいと悩むところ。
あんまり、この本はここが良くなかった、みたいな話がしたいわけでもないので……。


●インディーゲーム・サバイバルガイド

ゲームが好きなんですよね。
で、インディーズのゲームも好きなんですよね。
この本によると、正確には「インディー」ゲームだそうですけど。
複数にしたいなら、インディーゲームズだ、と。
確かにそうですね。

いい歳してゲームが好きなんですが、あんまりもう世の中的に、「いい歳して」とかゲームという趣味に言われなくなってきたかな、という気もします。
自分でそう思っているだけかもしれませんが。

前にもどっかで書いた気がしますが、こば家はゲームやテレビに厳しく、1週間で1時間しかゲームをやらせてもらえませんでした。
1日じゃないよ。1週間だよ!
で、「もうちょっとゲームさせて!」と訴えたら、1週間で1時間5分まで許してもらえました。
落語みたいな話ですけど、本当のお話。

そんな爪に火を灯すような悲しみの短時間プレイの中で、ドラクエ2と3でそれぞれラスボス近くまで進めてたりしたんですけど、クリアはしてません。
RPGをクリアした事ってほとんどないんですけど。(ブレワイさえ、200時間もプレイしたのにまだガノン倒してない)

そういう子どもの時に抑圧された欲求が、今爆発しているんだと思います。
時間を自分の自由に使えて、多少は自分で自由にできるお金があって。
家でもゲーム関係のYouTubeずっと流してたりしてます。

そんなアタクシ、「インディーゲームを出す」という方面にも興味津々です。作ってないけど。そして作らないけど。というか作れないけど。でも流通まわりとか、スタジオがどんな感じで作ってるのかとか、個人制作がどんな感じなのかとか、色々と知りたい。面白そう。

という感じで買ってみた本です。
大昔、MSXというPCもどきでBASICというプログラム言語に触れていたり、マシン語をハンドアセンブラしてみたけど全然動かなかったり、という経験はあったのですがプログラム系の道へは進まず。
今ならUnityとかあったり、ツクールシリーズだとか、色んなお手軽っぽいゲームエンジンやツールもあるわけですが。
Rubyも触ってみたかったり、Cはちょっと覗いてみたら全然意味分かんなかったり、「いつかやろう」の段階にさえなっていないのですが、個人で作れてリリースできるって時代、いいですよね。
マンガもそうですけど、個人公開できる、って良い時代だなと思います。

Steamで1年の間にリリースされるゲームの本数は1万5千本くらいあるらしいですけど……。

作って出せる、けど。
ただ出しても埋もれてしまって触ってもらえない。
レビュー数が1桁とかまだ良い方で、ほとんどのゲームはレビュー0みたいな状況なんですよね。
これは、漫画でも割と同じ状況ですけど。

この本は、ゲームは作れてリリースはできる、という人やスタジオに。
じゃあどう生き残っていく? みたいな事を伝える本です。
こういう教養系とか知識系の本とかも気になって買うんですけど、結局読むのはほぼミステリという状況で、積んでるものが全然消費できていかないんですよね。

ゲームに限らず、「会社に所属するのではなく独立したい」と考えているような人には、学びがあるかも。

会社の色んな事に縛られずに自分の好きなように、好きな仕事できればいいですよね!
でも、会社が色んな環境を整えてくれていたり、会社だからできてる事もたくさんあるんですよねー。

という、漫画家さんのアシという個人事業主から会社員に、かなり年齢が行ってから鞍替えした人間は思います。

夢はあるけど。
漫画より遥かに博打な感じはする。
漫画はなんだかんだ、言うともローコストの部類です。漫画原稿を作るのは時間がかかりますが、ゲームの比ではない。
ゲームはコストがかかる割に当たる率がなかなか低く(率の上げ方は色々ありますけど)、割とハイリスク・ハイリターン型だと思います。
趣味の範囲で、できれば会社員とかしつつ副業として少しずつ作るのが良い気がします。いきなり会社辞めて専業! とかはやめましょう……。
っていう話を書きながら、ラノベ志望者にも誰かが同じような話をしていた事を思い出しました。
賞を取ったからと言って、ずっとそれで食っていけるという保証はないんですよね。

視点としては、クリエイター側からの目線。筆者の方もクリエイターだし、インタビューを受けている人達もクリエイター。なんならパブリッシングする側の視点っぽいし、広く会社側の視点、という感じもします。

クリエイター系の方は、マーケティング系の視点がある人を上手く引き入れるのがきっと大事。
クリエイター系の人が独立して困るのって、こういうとこだよなきっと、と世の中見回していて思います。
クリエイターは、金勘定が得意な人ではないんですよね。きっと。多くの場合。あくまで、得意なことは「作ること」で。

ゲーム作ってリリースしてみたいなー、という小学生みたいな憧れはあるわけですけど、こういう事やろう、こういうツールを採用してこんな感じでバージョン管理しろ、海外版出すためにテキストは別にスプレッドシートとかで管理してそっからシステム内に流し込めるようにしろ、みたいな色んな事を読みながら。
「こりゃあ、めんどくせぇなぁ……」
と、ちょっと途方に暮れました。
こんなに世の中にゲームが大量に出ていて、みんなこんなに面倒くさいことを乗り越えてリリースしているのか、と思うと目眩がします。

いや、結局。漫画を描くのでもなんでも。何か作ってそれを手に取ってもらおうと思うと、なかなか大変なんですよね。

お勧め度は、5段階で☆3。
読んで面白いという読み物ではなくて、実用書に近い。
界隈に興味があったりする人には、☆4以上の価値があると思います。



●夢をかなえるゾウ

手元にちょうどミステリがなくて、自分の本棚を漁っていたら出てきたもの。
多分これ、最初にブームになった頃から我が家の本棚にずっと入ってる気がします。

割と自己啓発系の本って好きで、「チーズはどこに消えた」とかかなり好きな本です。
人生のバイブル、とも言えるほどにずっと持っているのは、「マーフィー100の成功法則」という本で、これ電子にしてくれないかな……(そのあと検索したらありました。上のリンクは電子の方に変えています)。小学生の時に読んで衝撃を受けて、以来、定期的に読み直しています。
根っこがネガティブ思考人間なので、こういう本を定期的に読んで自分の考え方みたいなのを強制的に上向きにしていかないとどんどん沈んで行くからとか、そんな塩梅に自分では捉えています。
何か嫌なことがあると数日~2週間くらい引きずっちゃうので。
嫌なことを思い出しては反芻しちゃうんですよね。何かこれって、現象として名前がついていたような。

「自分が感じていることは、自分が今考えていることなので、極論幸せな気持ちで毎日過ごせるかどうかは自分でコントロールできる」

極端な言い方をすると上記のような感じの思考法が、僕が良く読む系統の考え方になります。

で、この、「夢をかなえるゾウ」なんですけど。自己啓発本って教科書的な作りというか、マニュアルっぽい構成のものが多いと思うんです。
あとは作者が語りかけてくるような作り。
この本は、「お話」になってるんですよね。そこが読みやすくて、色んな人に受け入れられたポイントかな、と思いました。
「寄付しろ」とか、自己啓発本に書いてあっても、なかなかそれを実行に移せる人っていないと思うんです。「本当にそんなことで人生変わるのか?」って。読みながら思っちゃいますよね。
でもこの本は主人公が、正にそういう反応を返してくれるんですよね。漫画で、主人公の代弁者になるキャラを置いておくような感じ。
このワンクッションある感じがいいなと思いました。

あとガネーシャのキャラが良いね。
でも、なんか合わないんだよなー。
なんでなのか分からないままです。

今更の読了で。お勧め度は、5段階で☆3、という感じ。



●名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件

何の本を読もうかなー、と検索していて出てきたもの。
言うほどミステリ読んでないのと、日本の作品はほぼ履修していないので、検索すると未読作品が山ほど出てきます。

タイトル、装丁のイラストに惹かれて。

ジャンルとしてはやや、特殊設定ミステリというものに近いのかな? と思いながら読みました。やや、というか特殊設定ミステリか……。
特殊設定ミステリで思い付くところでは、「アリス殺し」「クララ殺し」ぐらいしか読んだことがないので、あんまりそこについてどうこう語れないのですが。
更にプラスで多重解決ミステリにもなっていて、色々とややこしい作りになった、意欲作というか挑戦作というか、そんな感想です。
ロジックが好きな人にはハマるんじゃないんでしょうか。
ネタバレなしでミステリの感想を書こうとするとなかなか歯切れが悪くなってしまうんですけど、この方の他作品も読んでみたいなと思いました。

ちょっとパズルに近いような、そういう作りに感じました。
こういう本を書く時って、どうやってプロットとか並べて時系列を管理するんでしょうね……??
森博嗣さんは、「先が全然どうなるか分からないまま、とりあえず事件が起きるところまで書いていく」みたいなことをインタビューかエッセイで言われてた気がするんですけど。

2023年のミステリの賞を色々とってるみたいで、話題作みたいですね(小説系の動向を全く追いかけないので、知らなかった……)。

お勧め度は、5段階で☆3.5。
やっぱりどうしてもでかいトリックをドーンと持って来る、「そして誰もいなくなった」とか、「十角館の殺人」みたいなのを、ミステリ好きとしては読みたくなっちゃうんですよね。
本格ミステリとか、新本格ミステリとか、そんな感じで呼ばれるカテゴリのもの。そういう王道? 正統派? が好き。
この作品が正統派じゃないのか? と言われると、そのカテゴリであることを判定する条件が分からないのでなんともですが、やや変化球な作品だと思いいます。でも骨太。
なんだかんだ書いてますけど、結構好きな本でした。☆4とかでも良いのかも……?? 読む時期とその時の自分のメンタルの具合で、印象って大分変わりますよね。
次は、「エレファントヘッド」を読んでみようと思ってます。



●硝子の塔の殺人

これも各所で良く名前を聞く一冊。
周りにも、「あれ面白かった」と言う人がちょこちょこいたので読んでみました。
ちょっとパズルチックな雰囲気も感じたんですが、古典の本格ミステリへのオマージュがある感じで結構楽しく読めました。

ミステリー好きで、そこそこ数を読んでいる人の方が面白いく読めると思います。
そこの前提知識がなくても楽しめるものなんだろうか? というのは、既にそこそこ読んでいる人間なので想像しにくいんですけど。
全くのミステリ初見でも楽しめるとは思うんでけど、多分ミステリ好きな人向けに作られた内容じゃなかろうか。

ミステリは「トリック」というところが結構大事なファクターで、先人の方達の色んな作品を読んでおかないと書きにくいジャンルだと思うんですが、世の中に作品数が多過ぎて追っつかないですよね。
ご本人がミステリーフリークで、尚且つ自分でも書くような人って凄いなと思います。
それは映画でも漫画でもそうなんですけど。

ミステリ好きにこそ、という本だと思います。
舞台設定は、綾辻行人さんの「館シリーズ」とか、島田荘司さんの「斜め屋敷の犯罪」とか、あの辺りをイメージしているんじゃなかろうか。

おかしな屋敷に、てんでバラバラで変わった職業の人が集まりそれぞれ一癖二癖ありそうな濃いめのキャラ構成。
主人公はこのおかしな屋敷で殺人を計画しており……、という感じのお話なんですけど。
クローズドサークル系の古典ミステリのお約束を踏まえつつ、事件が次々と起きていきます。
なんとなく段々犯人が誰なのか読めてくる気もするんですが、そこを込みで読ませたい作りなんだろうなと思いました。
勝手な個人的感想なんですけど、読んでいて「毒入りコーヒー事件」を思い出しました。

ちょっと気持ち的にはこねくり回し過ぎかな、とも感じたのですが、これだけ色々と先人が本を出していて、それでも後発の若い作家さんが新本格に挑んでいる感じが好きで、お勧め度は5段階で☆3.5くらい。

8月中はこの辺くらいまでしか読んでないんじゃないかな? と思います。
(何を読んだ、という記録しか取っていなかったので、いつ読み終わっているたのか後から分からず)
久しぶりに読む量が少なかった月。



●十角館の殺人

再読。
長くこの1作を読まないまま生きてきたわけですが、割かし最近読んで驚愕したという、今となっては日本ミステリ界の金字塔的なこの作品。
色々ミステリを読んで、改めてもう1回読み直してみよう、と手に取りました。
読んだ本、見た映画の内容をグングン忘れてしまうのが特技なんですけど、

ミステリをそこそこ読んでおいて、その上で楽しんで欲しいという、「ガラスの塔の殺人」と同じ印象の本作。
ただ「ガラスの塔~」よりもこちらは、ミステリ履修の必要性は低いと思います。
古典ミステリをいくつか読んでいる方が、より楽しめるんじゃないかな? という印象。
最近(ここ数年~10年ぐらいのレベルで)読んだ本の中で、割と圧倒的に自分の中で『最も印象に残っている』1冊。
映像化ってどんな感じでやってるんだろう?
漫画版の連載もやってましたね。

文章が平板で、読みやすい。奇をてらわず、無駄なく色んなことが書いてあるという感じで、凄いなと思います。

最初に読んでからそんなに時間も空いていないため、珍しく全体的な流れをそこまで忘れておらず、色々と検証(?)しながら読めました。

なかなかこれを超える作品に新規で当たるのは難しいでしょうね。
それくらいエポックメイキングで面白い話だと思います。
自分の好みにも合致しているのでしょう。
お勧め度は、5段階で☆5、です。
推理小説好き以外の人たちにも読んで欲しい。



●エレファントヘッド

これねー。面白かった!
上で書いた「名探偵のいけにえ」と同じ作者さんなんですけど。この人は色々仕掛けてくる方ですね。
『特殊設定ミステリ』で『多重解決ミステリ』です。
と書くと、「名探偵のいけにえ」と一緒ですね。

ミステリというよりも、ちょっとSFに近いかも。
その特殊な世界観の中で、きちんとミステリをやっているという凄さ。
「名探偵のいけにえ」の方が推理モノっぽくて、「エレファントヘッド」の方がSFっぽい印象なんだけど、ミステリとしてこっちのエレファントヘッドの方が好き。

内容は日本人が大好きな「シュレディンガーの猫」、的な展開(だと思いました)。
並行世界で同時に存在する自分たちと、少しずつそれぞれが違ってしまっている世界の中で、お互いに影響を与えないながら事件が発生したり犯人を推理したり。
ややこし過ぎるお話なんですが、納得感をきちんと出すところが凄い。

お勧め度は、5段階で☆4.5。
5でも良いかな、というくらいに面白かったです。
ただ、結構グロい描写があるので、そこだけお気を付けて。



●水車館の殺人

綾辻行人さんの作品は「十角館の殺人」の一冊しか読んだことがなくて。
そのただ一冊を、再読したわけですね。
せっかくだから館シリーズは順に読んでいってみようかな、と手を出してみました。
特に、3作目の「迷路館の殺人」、5作目の「時計館の殺人」は名作だと聞いたことがある(気がするので)、まずはそこまで辿り着くのを楽しみにしながら読んでいきます。

おそらくシリーズ化するつもりはなかった1作目の「十角館の殺人」。
滅茶苦茶に売れたデビュー作の後、館シリーズ第二段として出すのは、結構なプレッシャーがあったんじゃないかと思っています。
古典っぽい「本格」と呼ばれる系譜の作りで、なるほどー、という感じ。
大体推理モノのパターンって、「こうきたら多分こう」という型が見えてきてしまうんですけど、そこに気付かないまま最後まで読みました。
ラスト、結構好きでした。
そして最後に入っていた、新装改訂版を作る上で、ン年振りに書かれた作者あとがきも良かった。

お勧め度は、5段階で☆3.5。



●ロートレック荘事件

筒井康隆さんの本を全然読んだことがなかったので。
ずっと、読んでみなければ、と思っていた作家さんなんですけど、次に読む推理小説を探していたら目についたもの。
この方はあまり推理モノを書かれていないと思うんですけど、その数少ない中からチョイス。

もう、とあるパターンの推理小説だ、ということは事前情報で分かってしまっていたんですが、それでも結局最後までトリックは分からないまま読みました。
文章が非常に上手い方だな、と思いました。

残像に口紅を」という実験的な小説があるらしいんですけど、一文字ずつ、文字が使えなくなっていくという作品があるらしく。ちょいちょいテレビなどで紹介もされてるみたいで、知ってる人、読んだことがある人もいると思うんですけど、そういう表現の上手さみたいなところを感じました。

「残像に口紅を」は、使えなくなる文字という仕掛けもさることながら、作品としても良くできていると聞くので、読んでみようと思っている一冊。

お勧め度は、5段階で☆3。



●すべてがFになる

自分の人生で影響を受けたもの、と聞かれるといくつかのものと一緒に必ず上げてしまうのが、森博嗣さんの本。
小説もエッセイも、凄く好きで、僕はかなり多岐に渡り影響を受けていると思います。
多分、高校生の時に森さんの本を読んでいたら、建築系の大学に進んでそっち系の仕事をしていた気がする(影響されやすい人なので)。
建物とか好きなんですよね。
美館館とか、建物も面白いものが多くて好き。

影響を受けたもの、で今ちょっと考えてみて思い付くのは、「ドラえもん(藤子・F・不二雄)」「森博嗣」「伊集院光のラジオ」が多分、特に大きい存在。
後ろ2つは割と年齢が上がってから影響を受けたものなので、子どもの時の自分をもっと深堀りしてみると、色々出てくるかも。
でも変な蓋が開きそうなので、考えないことにします。

350冊か400冊か、かなりの数を出されている方なんですが、推理小説、エッセイ含めて初期から100冊ぐらいのところまでは読んでいると思います。
その後長く続く、「文字の本が何故か読めねぇぜ……」期が続いてしまうので、全然追っかけられない間に気が付いたら、凄い数の本が出ていたんですけど。
一応最近エッセイ系の本を読んだら、400冊という冊数は、単行本→ノベルサイズ→文庫本、と形を変えながら再販されているからみたいで、長編作品がもうすぐ100冊を超えるんじゃないか、みたいな話でした。
僕は長編シリーズ50ぐらい、短編10くらい、他エッセイとかを30~40くらい読んでるんじゃないかな、という感じ。

歳を取って仕事を引退して隠居したら初めから全部読んでいってやろう、ぐらいのことを考えていたんですが、突然再読を始めました。
きっかけは、講談社がやっていた電子書籍の半額セールです。セールやってると、「買わなきゃ!」と思ってしまう単純な人。
「S&Mシリーズ」
「Vシリーズ」
「百年シリーズ」
「四季シリーズ」
「Gシリーズ」
「Xシリーズ」
「XXシリーズ」
「スカイ・クロラ シリーズ」
「Wシリーズ」
「WWシリーズ」
「ヴォイド・シェイパ シリーズ」
「短編集を5冊目まで」
一気に買いました。
電子書籍のセールって怖いね……。
今数えてみたら、80冊くらい買ってますね。やることが極端過ぎる。
本を読むことで今はゲームを全然やらなくなっているので、ゲーム代を書籍代に当てているイメージです。

大学を出てから、漫画家になろうと思ってなんとなく東京に行って。
でも特にアテもなく、1年間フリーターをやっていたんですけど。1年でバイトを5つか6つ変えるという駄目人間っぷりで。
最後にバイトが嫌になって、「もう絵を描くこと以外では稼がないぞ~!」とヤケクソになって、図書館に行っては森博嗣さんの本を借りて来て読むという暮らしを1~2ヶ月くらいやっていました。
金がなくて体脂肪率が7%を切って、「このままだと餓死するかも……」と思い始めた辺りで、各雑誌のアシスタント募集に応募していたある職場から連絡をもらった、という思い出の時期に読んでいた本です。
(そのアシ先は、描けないということで2週間でクビになっちゃうんですけど……)

「ジャケ借り」で最初にこの本を読んだと記憶していますが、登場人物の思考パターンとかロジックに凄く衝撃を受けた覚えがあります。
「奇生獣の1巻を初めて読んだ時に、ミギーの考え方に驚愕したんですけど。
「人間ではなく、知能を持っている地球外生命体を描くとはこういうことか……」と、空恐ろしくなりました。
その時の驚きに近い感覚。
違う価値観に触れた瞬間でした。

今読んでも面白い。
再読で3回目なんですけど、まあまあすぐ内容を忘れる人間なので楽しく読んでいます。
流石に3回目なので、割と覚えてもいるんですけど。
大学で助教授をしながら、プライベートで小説を書き始めてこの作品でデビューされるわけですけど、その辺りのことをエッセイで読むのも面白いです。

お勧め度は、5段階で☆5。



●消失!

綾辻行人さんの本を追っかけていた時に、どこかでこの本の情報を目にしました。
この方はこの1冊しか出していないそうなんですけど、再販までされていて、その筋の方々(?)の間では地味に知名度のある作品なんだと思います。
書評みたいなものを色々読んで、パンチがあるトリックっぽかったので一度読んでみたくなりました。
ネタバレは踏まないようにしていたのですが、あれこれ情報を入れていたので、ストーリーとかトリックの系統はなんとなく分かっていて。

で読み始めて、「ん? こういうパターンじゃないよな?」と思いながら読んだら、まんまとそのパターンでビックリしました。
お話の筋とかトリックが分かるということは僕はあまりなくて、ちょっと珍しかったパターン。

どうしてもやや古さを感じてしまうのと、パンチ力だけに全振りした感じのトリックで、やや勧めにくいかも。

お勧め度は、5段階で☆2。



●小説家という職業

森博嗣さんの本の再読を始めて、エッセイ系もちょっと読んでみたいな、と手を出してみた一冊。こちらは未読の本からチョイス。
作品内でのキャラクターが持つ価値観とか、表現とか、全体的な描写とか、割と独特なところがある方なんですけど。
この本も「小説ってこうやって書け」みたいなところは全然なくて。
「僕はこう書いた。こう書いてる。でもみんながみんな、同じじゃないよね」という、達観した感じ。
そこが面白いな、と思って読みました。

お勧め度は、5段階で☆4。
僕は信者なので、気持ち的には☆5。
森さんは、2008年くらいに「引退宣言」をされて、お仕事を減らされているはずなんですけど。
エッセイも、その前くらいまでがキレがあって面白い印象があります(全くの、個人的な感想)。
この本は2010年に刊行されていて、執筆時期が宣言前なのか後なのか分からないんですけど。引退宣言後に「仕事として実用系の書籍を書くようになった」、みたいな話を読んだことがあります。
割り切って面白みはそんなにないかもしれないけど依頼されたものをこなしていく、みたいな執筆スタイル?
そのスタイルになってからの本じゃないかな、と読んでて感じました。

常識にとらわれない100の講義」なんかは、個人的におすすめ。
調べてみたら、引退宣言後の本でしたけど……。



●火刑法廷

なんでか突然、ディクスン・カー。
カーの本は好きだったはず、という認識があったんですけど。
良くラインナップを見直してみると、「帽子収集狂事件」「皇帝のかぎ煙草入れ」ぐらいしか読んでませんでした……。
良くこれで好きとか言えたな。まあ元々、あんまり作家を追いかけるタイプじゃないんですけど。

皇帝のかぎ煙草入れ」は何回読んでも忘れてしまう不思議な本で、4~5回読んだと思うんですが、最後に読む時に、「絶対に頭に叩き込むぞ!」と思いながら読んで、今でもちゃんと覚えています。
他に何度読んでも忘れる上に、「覚えてるぞ!」と決意して読んだけど結局やっぱり内容を忘れてしまっている本もあるんですが、そっちのタイトルはわざわざ書きません。
名作なのに頭に何故か残らない本、というのが自分の中にある……。
Xの悲劇」「Yの悲劇」もそうですね。4回くらい読んでるんじゃないか……。3回は確実に読んでる。「Xの悲劇」は読み直す度に、霧の中の桟橋と船のシーンのところで頭の中に同じ情系が浮かび、「あ! この景色、見たことあるぞ! Xの悲劇の1シーンだったのか」と思い出してました。読みながら、情景がきちんと浮かんでいることってあまりないんですけど(思考や記憶方法が、あまりビジュアル寄りじゃない人間だと思います)、このシーンは凄く絵が見えて記憶されている。
クロフツの「」も、何度読んでも記憶に残っていない本ですね。
不思議なのは、どの本も面白いんですけど忘れちゃう。

でも「エジプト十字架の謎」なんかは、子どものころに1回しか読んでないけど良く覚えています(滅茶苦茶衝撃を受けたから)。

名作と言われるのも分かるけど、分からんような、という感じでした。
どちらかというとカーは、ちょっとミステリアスな空気感込みで楽しむ作品かな……??
自分にハマらなかったのは、メイントリックが好みかどうか、っていうところでしょうか。
緩く2通りの解釈の可能性を残すというか、怪奇小説っぽくもあるというか、その辺りの匙加減が森博嗣っぽいなと思いました。
余韻の残し方が上手い。

お勧め度は、5段階で☆3。



●冷たい密室と博士たち

始まった森博嗣祭り。
実質、書いたのはこれが1作目とのことで、森博嗣さんの処女作になります。
エッセイでは、「家族がミステリにハマっていて、『自分も書けるよ』と言った手前、2週間ぐらいで書き上げてみた」という感じのお話だったと思います。
他にも各所で、「昼間は大学の助教授の仕事をしているので、夜にできる効率の良いバイトを探していた」みたいなことも言われていたと思います。

書いてみよう、と思って書き上がるのが凄いのですが、3作目まで書き上がっている時点で講談社の編集部とコンタクトを取り、4作目をデビュー作とすることが決まった、と。
だからデビュー1作目の「すべてがFになる」は、ちょっとこなれている気がします。

また「特に内容を決めずに書き出して、事件が起きるところまで書いてみる」みたいな創作方法についての話も、これまたあちこちで書かれているのですが。
「最初から決めておくと意外性がなくなる」ってことですね。
でもそれで1作長編を作れてしまうのが凄いですが。

この実質の執筆1作目は、事前に全体の流れのプロットを決めていたそうです。おそらくそうやって書かれた、唯一の1冊、なのかな?
だからなのか最初だからか分かりませんが、ちょっと硬い印象。プロットが最初から決まっていて、置きに行っているような感覚を感じます。
これはエッセイで創作秘話みたいなのを読む前から感じでいたので(確か)、そういうことなんじゃないだろうか。
比喩表現とか、事象や世の中のものの価値観の捉え方とか、そういうところはキレッキレ。

お勧め度は、5段階で☆3。



●17歳のビオトープ

あまり読まないタイプの本なんですけど、サラッと読める読みやすい文体でした。
おそらく若い人向けの本だよな……? と思いながら読了。
中高生に読んでみて欲しいです。

自分がターゲット層ではなかったんだろうな、というところで、お勧め度は、5段階で☆2.5くらい。
高校生の時の自分に読ませて、どんな感想を言うのか聞いてみたいですね。



●笑わない数学者

S&Mシリーズの3作目。執筆順で言うと、実際の2作目。
これはS&Mシリーズの中でもかなり好きな1冊。
今はもうない」→「すべてがFになる」→「笑わない数学者」の順で好きです。
メイントリックは、かなりの人が途中で気付くと思います。レビューとかもそういう書き込みが多い。
森博嗣さんが自分で解説されていた文章を引用します。

北村氏より頂いた凝った推薦のとおり、トリックは簡単で、誰でも気づくものです。意図的に簡単にしたのです。しかし、トリックに気づいた人が、一番引っかかった人である、という逆トリックなのですが、その点に気づいてくれる人は少ないでしょうね。でも、少なくとも北村氏は気づいたのですから、森としては、これでもう十分です。
 算数の問題について、沢山のハガキが寄せられました。この謎も意図的に残したものです。
 蛇足ですが、何故、「笑わない数学者」というタイトルにしたのか・・、それが逆トリックのヒントです。

森博嗣さんの「浮遊工作室(ミステリィ制作部)」より

これ、最初に読んだ時に良く分からなかったんですよね。
今でも分かるような分からないような、です。
考察文を色々検索して読んだりました。
この作品内には、作中で解答が提示されない数学パズルがあるとか、後で検索してみないと良く分からないことがあります。
これも、「再読してもらうため。またネットで考察やパズルの解答を発表してもらったり、それを検索してもらうという、長く作品に触れてもらうための仕掛けだった」的なことを書かれています。
結構、長期ブランディングされてるんですよね。
頭の良い人(思考の回転が速い人、思考の深度が深い人)って凄い。

タイトルが、明確に明示されない答えのヒントにもなっているみたいです。
そういう色々な仕掛け、見せ方、博士のキャラとか全部含めてとても好き。
お勧め度は、5段階で☆4.5。



●祐介

クリープハイプのボーカル、尾崎世界観さんが出された1作目の本ですね。
世の中では自伝的小説、みたいな位置づけになっているようです。
書きおろしも収録された『祐介・字慰』の方を読みたかったのですが、図書館にこちらしかなかったのでこちらを。(職業的に、本は買えよ、というご意見もあるかと思いますが、大量に消費中で買うのが追っつかなく……。再読のために電子で購入し直したりもしているので、貢献しているはず……。ちなみに僕は図書館肯定派です。作家さんの中には、無料で沢山読まれて作者には還元されない、という現状を憂いておられる方もいます)

クリープハイプ 、結構好きなんですけど。

この、トリビュートアルバムであのちゃんがカバーした「社会の窓」を聞いたら、なんか「ズッキュ~ン」と来まして(原曲も元々好きなんですけど)。
そういや尾崎世界観さん、本出してたな、と思って読んでみました。

感想としては、純文学を読まない人間としてはちょっと分かりなくいな……、と思いました。良い悪いということではなく、読みつけないジャンルなので慣れてない、という感じ。
インタビューを読むとご本人もかなり純文学系を沢山読まれている感じなので、とにかくそっち系。
元々、歌詞が良いなー、と思って聞いていたので、文章の上手さは納得です。
あとエネルギーが凄い。若い時じゃないと書けないぜ、と勝手に思いました。

「自分で本屋に見に行くと、タレント本のコーナーにしか置かれていない」という嘆きをインタビューで読みましたが、この辺りは、出版社も本屋も商売として売らなきゃいけいないので、難しいところですよね。
タレント、歌手出身だけど今はもうすっかり小説家、みたいな人も勿論いますけど。
クリープハイプ(尾崎世界観)は、歌は辞めない気がするし。
そうするとずっと、「歌手の尾崎世界観の本!」という枕詞はついて回ってしまう気がします。

お勧め度は、5段階で☆3。
これも若い時に読んでみたかった。



●小説家になって億を稼ごう

いやー、タイトルがいいですよね。
滅茶苦茶分かりやすい。
この方の作品を読んだことがないという不届き者なんですが、森博嗣さんの「小説家という職業」のレビューをAmazonで見ていたら、関連書籍に出てきたんじゃないかな?
自分でも漫画家を目指していた、また今も編集のお仕事をやっているので、「お話の作り方」「シナリオの教本」「小説の書き方」みたいな本をちょこちょこ今まで読んできています。
個人的にお勧めなのは、「きむら式 童話のつくり方」、「マンガの創り方: 誰も教えなかったプロのストーリーづくり」(この本、再販して欲しいです)、「快描教室プラス(+)」、「シナリオの書き方―映画・TV・コミックからゲームまでの創作実践講座」、「エンタテイメントの書き方」(これも再販して欲しい)などなど。

でもこの本と森博嗣さんの本は、普通の小説の書き方、みたいな本とはちょっと違う感じ。
徹頭徹尾、自分がどうやって生き残ってきたか、どうやって書いてきたか、という実践的なお話。
もの書き目指す人とか、クリエイティブ系を目指す人は1回読んでみるのが良いと思います。

この辺の実用書を読んでいたぐらいの時期が一番集中して本を読んでいた時期で。紙の本で小説、ちょっと飽きてきたら紙の本の実用書、気分転換に電子で実用書、みたいな感じで3冊並行で読んだりしてました。
活字中毒、みたいな感じに近い気がします。
何か文字を脳味噌に入れたい、みたいな。

いつか書こうと思ったまま書けてないんですけど、僕は漫画を描くのを辞めた直後に暇になって(生まれて初めての会社員として仕事はしていたんですけど)、かな入力でもローマ字入力でもない日本語入力というものの練習を始めるんですけど。多分、脳に負荷がかからなくて暇だったんでしょうね。
「NICOLA(親指シフトの一種)」→「飛鳥カナ配列」→「新下駄配列」と学習して、最終的に漢字直接入力というアホみたいな入力方法を使っています。
ローマ入力だと、「ki」と入力すると「き」が出てきますけど。
僕が使っている漢字直接入力のTUT-codeだと、「ki」だと「以」が出ます。
変換無しで漢字を直接打てるんですね。
結局今も、10年以上、このおかしな入力方法を使っています。
これでタモリ倶楽部に出るのが夢だったんですけど、タモリ倶楽部は終わっちゃいました。
個人的に好きな入力法は、「新下駄入力」。中指シフトっていう入力方法を使うんですけど、ピアノを引いているような打鍵感がとても好きでした。

なんかそういう、脳味噌に負荷をかけたくなる周期が定期的にやってくるみたい。

ストーリーを作るため、というタイプの本ではなく(そういう章もあります。物語構成ではなく、発想とかそういうところに近い領域)。
小説家という職業を、どう続けていくか、という話。
売れている方が書かれている、というのがまた良いですよね。
おかしな二人」とあわせて読んで、
「あー、プロも苦労してるんだな あ」
というのを実感して欲しい1冊。

お勧め度は、5段階で☆3.5。



●詩的私的ジャック

森博嗣祭り。
9月だけで7冊読んでますね。
シリーズ4作目。

どうしてもシリーズが続いて沢山の作品が出ると、自分にハマるもの、ピンと来ないもの、など色々になってくるんですけど。
個人的には、ややハマらなかった一作。
大きなトリックがないからかな?(物理的にという意味)

「英語で言える?」

詩的私的ジャック: Jack the Poetical Private (講談社文庫)より

この犀川のセリフが滅茶苦茶好きです。
これだけでもう、この本はOK。
こういう印象的なフレーズを書くのが、森博嗣さんは上手いと思います。

お勧め度は、5段階で☆3.5。



●封印再度

祭り継続。
多分推理小説のトリック的なところで言うと、4作目の「詩的私的ジャック」とこの「封印再度」はちょっとファンの間では評価は低いんじゃないかな……? と勝手に思っています。
三度目の読み返しですけど、初めて読んだ時はそんなに刺さらなかった覚えがあります。
今は結構好きな1作。

タイトルがもう、滅茶苦茶に良い。「封印再度」で「WHO INSIDE」ときたもんですよ。
森博嗣さんの本は、特に英文の方のタイトルがとても良い。

トリックの部分でもあれこれあるんですが、犀川先生と西之園萌絵のあれこれが、このお話はとても好きです。
萌絵がじゃじゃ馬過ぎてムカつく! みたいな感想も散見されるのですが、ワシは好きじゃよ。
海がきこえる」のヒロインも、女性読者に嫌われそうだなー、と思うんですが、アレに近い感じですかね。
氷室冴子さんのあとがきか何かで、
「男性はこういう可愛いけどちょっと面倒くさい女の子に惹かれちゃう時期があるんでしょうか」
みたいなことを書かれていた気がします(うろ覚え)。

お勧め度は、5段階で☆4。



●作家の収支

もう一つ、森博嗣さん。
「小説家という職業」の方が2010年。
こっちの本が2015年(それでも結構前ですけど)。
内容がどんな感じで違うのか、読んでみました。 
割と共通した内容が多い感じ。

小説家としての森博嗣さんの今までの収支を、かなり赤裸々に書いてくださっていて、興味深かったです。
まだ小説が儲かっていた時期だったのかな? という気がします。
これから小説業界はどうなっていくんだろう……(漫画もですけど)。

お勧め度は、5段階で☆3。
実用系の本は、似たような内容の本が多くなっているように見えます。
書くペースが早いので、各社がそれぞれ依頼できるのかな……??
その時期、その時代で森さんが考えていることに触れるようなイメージ。

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