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#329 [宗教] インドの政治史とヒンドゥー教に深く根付いた社会的差別構造

第47週 第7日(日)宗教「カースト制度」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は宗教「カースト制度」です。

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本の要約

インドのカースト制度は、インドの政治史とヒンドゥー教に深く根付いた社会的差別構造である。

ヒンドゥー教によると、ブラフマン神は粘土から巨大な原人を創造すると、その原人の体の各部から4つのカーストが生まれたという。口からはバラモン(司祭)が、腕からはクシャトリヤ(王侯・武人)が、腿からバイシャ(地主・商人)が、足からはシュードラ(職人・奴隷)が生まれた。後世になって第5のカーストであるダリット(「踏みつけられた者」の意)が出現し、人間の排泄物の処理などを課せられた。

どのカーストに属するかは生まれで決まるが、これはカルマの概念に基づいている。現世で善行を積めば、来世は上位カーストに生まれ変われる。生まれたカーストは生涯変えることができず、そこで耐えなくてはならない苦難は神からの試練とみなされている。

カーストには、他にも数々の社会的・宗教的意味がある。上位4カーストは「清浄」と考えられているが、ダリットは「不浄」とみなされている。この考え方のため、ダリットには数々の規則が課せられ、例えば、行く先々で鈴を鳴らし、他の人に自分が近づいていくことを知らせなくてはならなかった。

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今でもやってるの…?

インドでは、1950年に制定されたインド憲法の17条により、不可触民を意味する差別用語は禁止、カースト全体についてもカーストによる差別の禁止も明記している。またインド憲法第341条により、大統領令で州もしくはその一部ごとに指定された諸カースト(不可触民)の総称として、公式にスケジュールド・カースト(指定カースト)と呼ぶ。留保制度により、公共機関や施設が一定割合(平均15 - 18%)で優先的雇用機会を与えられ、学校入学や奨学金制度にも適用される。制度改善に取り組むものの、現在でもカーストはヒンドゥー社会に深く根付いている。
なお、インドの憲法が禁止しているのは、あくまでカーストを理由にした「差別行為」であり、カーストそのものは禁止対象ではない。このため、現在でもカーストは制度として、人々の間で受け継がれている。

不可触民は本書で言うダリットのことだろう。
カーストが残れば差別も誘発されるに決まってるだろ。

直近の事件でこんなものを発見した。

本当に心が痛む。何もいいことないじゃん。
改善に向かっているとはいえ、宗教の根源を変えることができなければほんとうの意味で変わることはできない。本当に厄介な問題だ。時代遅れにもほどがある。カーストを理由とした免罪符があると思うとなんでもやってもいいと思ってしまうのだろうか。愚かすぎるだろ。

ダリットの総人口は現在2億人弱いるという。日本の総人口の約2倍近くもいまだにこういった差別を受けていると思うと、恐ろしい…。


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