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#349 [哲学] 分析哲学の創始者

第50週 第6日(土)哲学「バートランド・ラッセル」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は哲学「バートランド・ラッセル」です。

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本の要約

■バートランド・ラッセル(1872~1970)
分析哲学の創始者。イギリス貴族の家に生まれたが、3歳で両親を亡くし、1931年に兄が死ぬと、第3代ラッセル伯爵となり、そのためラッセル卿と呼ばれることもある。

1890年にラッセルはケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに入学し、その後同カレッジの教員となった。ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインとアメリカ詩人T・S・エリオットを指導した。その後、第一次世界大戦に反対する抗議活動に参加したことでトリニティ・カレッジから追い出されたことで、執筆活動を始める。

ラッセルは、論理主義(すべての数学的概念は論理学の用語を使って定義でき、すべての数学的真理は、こうした定義から論理法則を使って導き出せるとする立場)の重要な提唱者だった。1950年にはノーベル文学賞を受賞している。

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ラッセルの有名で人気のある著作

・「宗教は必要か」(1927年)
・「結婚と道徳」(1929年)
・「哲学入門」(1912年)
・「西洋哲学史」(1945年)

分析哲学

分析哲学とは、言語哲学や、日常言語学派の発展と影響の拡大などの歴史を経て形成された現代哲学の総称である。分析哲学という一つのまとまった、一枚岩の哲学は存在しない。

特徴としては以下を持ち合わせている。

一つ目は、厳密には解明されるべき真理は存在せず、哲学の目的はただ思考の論理的明晰化をはかることであるという、実証主義の伝統である。この考えは、アリストテレス以来の伝統的な哲学の基礎付け主義と対照的である。基礎付け主義という伝統的な考え方は、哲学を諸学の中で特権的な位置つまり最も優越する位置におき、哲学が諸科学を含む学さえもすべて含め、あらゆるものの原理を研究するというものだった。反対に、分析哲学者は自分たちの研究が、自然科学とつながるもの、あるいは自然科学に従属するものと考えることさえ普通である。
二つ目は、論理的言語分析の方法を用いて諸命題を明晰化することが、諸命題の論理形式の分析で達成できるほとんど唯一のことであるという考えである。命題の論理形式は、同じ体裁の他すべての命題との類似を示すために用いられる、命題を表現する方法の一つである。これには、しばしば現代記号論理学の形式化された文法と記号が用いられる。ただし、日常言語をどのように論理的に分析するのかについて、分析哲学者の間での見解の一致はない。
三つ目は、世間で言う「哲学的な」言辞と旧態依然とした曖昧で不明瞭な哲学(言うなれば、疑似哲学)を棄却することである。この「大理論」の拒絶は、(全てではないが)分析哲学者が、形而上学的なうぬぼれに対して、日常言語や常識を擁護するという姿となって現れる。特に日本では、晦渋な翻訳の問題の是正に貢献している面もある。

哲学を科学の一部と捉えられてもらったほうがいいのかもしれない。

そのためラッセルは、形而上学、言語哲学、認識論、科学哲学など幅広い分野で大きな貢献をしていた。ノーベル文学賞を受賞するのも納得だ。


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