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臨地実習エピソードPart.1

まず最初に。第111回看護師国家試験を受験されたみなさん、本当にお疲れさまでした。いざ終わってみてそれぞれ思うことはあると思いますが、まずはゆっくり休んで下さいね。ここから合格発表まで1ヶ月あるので落ち着かないところもあるかもしれませんが。受験した友人や後輩たち、あとでお祝いさせてくれ〜。自分もあとで解いてみようっと。


さぁ今日は、看護学生時代の臨地実習のエピソードを話したいと思います。なぜこれを書こうと思ったのかと言えば理由は簡単です。前回、国家試験をテーマに投稿をしたところ、そういえば学生時代こんなことがあったなと懐かしくなったからです。実習って何やったっけと思い出してみたら、まぁ出てくる出てくる。大量の記録を片付けたり、遅寝早起きをして、週末は夜勤をやったりでしんどくて辛いことがほとんどでしたけど、こうやって今もこの仕事を続けているのは、様々な患者さんとの出会いがあって、その度にたくさんの失敗をして、色々なものを吸収して、もっと頑張ろうと思わせてくれたからだと思います。
5年間の臨地実習の中から、いくつかのエピソードを紹介させてもらいますので、どうぞお付き合い下さい。

はじめに…と言いつつも、これだけは伝えたい!

まず1つ目のエピソードとして紹介させてもらうのは准看護学科2年次の整形外科の病院での実習です。60代男性(Aさん)、腰部脊柱管狭窄症の患者さんとの関わりについて。簡単に説明しますと、脊柱管というものが狭くなって、神経や血管を圧迫して、手足が痺れたりする病気です。この時受け持たせてもらった患者さんは、手術のため入院され、幸いにも発見が早く、軽症だったため手術により軽快。回復も早く、特に自分が介入することはありませんでしたが、術後は創部の状態により、入浴やシャワーが出来ない日があったので、清拭や足浴(足湯みたいなもの)などをさせて頂いたくらいであとはバイタルサインを計測したり、リハビリの見学をさせてもらったりと年齢も若かったこともあり、そのくらいでしたね。Aさんは入院当日に看護学生の受け入れを依頼されまして、翌日手術が迫っているのにも関わらず、何か勉強になってもらえればと学生を受け入れてくれた寛大な方でした。

ちょっと話は逸れますが、全国の看護学生の伝えたいことと言えばひとつ、受け持たせて頂いた患者さんへの感謝の気持ちはいかなる時も忘れてはいけません。これは絶対です。ただでさえ入院生活で苦労されている患者さん、これからの治療や体調の変化に対する不安、退院後の生活など皆さん色々な思いがある中、学生の勉強のためにと受け入れてくださるという、ありがたい事を絶対に忘れてはいけませんのでそこはしっかりと。急に真面目。笑

実際の関わりと。なんや、、、その結末…冗談ですよね?


Aさんとは、定年までされていた仕事の話や世間話などをしながら、毎日実りのある実習をさせてもらいました。実習期間は3週間(月〜金)でして、2週目の金曜日の実習終わり前に「また来週もよろしくお願いします」と挨拶を交わし、土日を挟んで、いよいよ3週目に入ります。
月曜日患者さんのもとへ行くと、なんだかいつもと様子が違う。週末何かあったのかなと話をしていると、Aさんが笑顔でこう答えるのです。「いや実はね、金曜日に○○君(僕の名前)が帰ったあとに、先生から都合が良かったら土日退院しても良いですよって言われたんだけど、○○君には色々世話になったから、何も言わずに帰るのはなと思って、今日まで延ばしてもらったの」と。
「(え?うん…ん?今、何て…どういうこと?)」と思いながら「え?本当ですか?」と聞き返すと「うん」と照れくさそうに笑っていたので自分も色々な感情が交錯して、何も用事はないけど思い出したような顔をして「ああ!そうだ!用事思い出したのでちょっと行ってきます!すぐにお熱計りに戻りますね!」と今思えばめちゃくちゃ取り乱してたと思います。噛み噛みだったと思います(笑)
もちろん目的はありました。実習指導の看護師さんに確認をしたところ「そうだよ」と笑顔でパソコンに手招きされ、そこには医師との病状説明の記録があり、Aさんが話した通りのやりとりがありました。すぐトイレに行って泣きました。めちゃくちゃ泣きました。学生という立場ではあるものの、何か患者さんの支えになりたいと思って実習に取り組んできましたが、逆に患者さんに支えられていたんだなということに気が付いたらもうダメでした。

「退院したら飲み屋行きたいな」って言ってたから、その辺行ったらいますか?笑


自分も照れくさくなって、改めてAさん本人とそのことについて話はしませんでしたが、その頃の自分はAさんにも話しましたけど「とりあえず准看護師の資格をとっても、看護学科に進学するのは…ひとまず准看護師やって、それから考えようかな」みたいな話をしていましたが、その日の午後にAさんの退院のお見送りをしてその際に握手をした時に「頑張ってね!〇〇君ならもっと頑張れるよ!いけるところまでいってみな!」と背中を叩かれたのを鮮明に覚えています。看護学科に進学したのは、今後の将来のことや可能性を広げるという意味では進学した理由のひとつですが、最初に背中を押してくれたのはAさんです。
Aさん元気かな。ちゃんと看護師になれたよって感謝の思いを伝えたいな。


というエピソードがありましたので紹介させてもらいました。今こうやって文章にしても色々思い出して泣いてしまいました。懐かしい。
これPart.1ですので続編がありそうな雰囲気ですね。2つ目のエピソードもまた改めて話したいなと思います。

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