人生を好転させる強力なツールを一つ紹介します

金儲けをしようとして損する人は多いし、
好きを仕事にしようとして人生が辛くなる人も多いし、
人生を好転させようとしたら逆に人生が悪化した人も多いです。

なぜそうなるかというと、人生が好転するかどうかは、かなりの部分、運とか遺伝子とか実家の太さとかの「自分ではコントロールできないもの」で決まるからです。
コントロールできないものをコントロールしようとすることに脳を使えば使うほど、人生を好転させることに成功する確率は下がります。

人生を好転させる確率を高める最も効果的な方法は、コントロールできることだけに、脳を使うことです。
具体的には、以下の四つをやります。

(1)自分がコントロールできないことに脳を使わない。
(2)自分がコントロールできることのうち、投資効果の高いものから順に、変えるための具体的な施策を実行する。
(3)自分がコントロールできることとできないことを区別する。
(4)「コントロールしやすさ」と「投資効果」を適切に評価する。

これは紀元前からずっと言われ続けているし、古代ローマ皇帝とかも実践しまくってきたので、
「何を今さら……」と思う人は、めちゃくちゃ多いと思います。

でも、これ、アル中の人に「酒を止めれば、健康になれる」って言っているようなもので、
「わかっちゃいるけど、止められない」のです。
『自分がコントロールできないことに脳を使わない』なんて分かっているけど、ついつい、

お金持ちになりたい。
好きなことをやって生計を立てられるようになりたい。
人生を好転させたい。

と思っちゃうんですね。

実際にお金持ちになれるかどうかの、けっこう大きな部分が、「コントロールできないもの」で決まるので、
そんな思考に囚われていては、お金持ちになれる確率は逆に下がりかねません。

お金持ちになる確率を最も高めるのは、
「お金持ちになるために、自分がコントロールできるもののうち、投資効果の高いものから順に、変えるための具体的な施策を実行する」
ことです。

好きを仕事にするのも、人生を好転させるのも、全部同じです。

「成功しようとする」よりも、
「成功にはこだわらず、成功する確率を最も高める行動をとり続ける状態をキープすることだけに専念する」方が、
はるかに、成功確率が高くなるんです。
「優勝を狙ってますか?」と聞かれた力士が「自分の相撲を取るだけです」と答えるのなんかも、これが理由ですね。

みんな、それは分かっているし、それなりにやってはいると思っているのだけど、
なかなか「十分に」はてきてないことが多い。

そういう場合に必要なのが、「メタファー」と「手順書」だと思うんです。

たとえば、ハンドボールをやってる人が、
「ゴールネットを突き破るつもりでシュートを放つようにすると、成功率が上がる」
と言ってたのですが、
実際にゴールネットを突き破るわけじゃないんです。
でも、その「つもり」でやると、上手く行きやすいんです。

あるいは、ボクシングで、
「相手の顔面を撃ち抜いて、その後ろにある的を叩くつもりでジャブを放て」
と言うのも同じです。
実際に相手の顔面を拳が突き破るわけじゃないけど、そのつもりでやると、威力のあるジャブが打てるというわけです。

では、人生を好転させるのには、どんなメタファーを使えばいいのでしょうか?
人生の中で、親、上司、先輩、教師がメタファーを教えてくれた人は、その中から、自分に合ったものを選んで使えばいいと思います。
不運にも、今まで、自分に合うメタファーに出会えなかった方は、そういうことが書いてありそうな本を読むといいと思います。
僕が最近読んだ本の中では、『物語思考』の「キャラ」や「物語」というメタファーが、僕には合ってそうでした。

メタファーには、「わかっちゃいるけど、できない」ことを、できるようにする魔力が秘められています。
「相手のディフェンスの妨害を躱して、ゴールを決めればいい」というのは頭で分かっていても、なかなかゴールを決められない。
そんな人には「ゴールネットを突き破れ」というメタファーが効きます。
「相手の顔面に威力あるジャブを当てたい」というのは頭では分かっていても、なかなか威力あるジャブを撃てない。
そんな人に「相手の顔面を撃ち抜いて、背後の的を叩け」というメタファーが効きます。

それらと同じで、「人生を好転させる確率を最大化する行動をとり続ける状態をキープしたい」のだけど、なかなか、その状態がキープできない、という人に「自分がなりたいキャラを描き出して、そのキャラとして行動し続ける状態にする。そのキャラになって、物語を転がす」という『物語思考』のメタファーが、僕にはしっくり来ました。

また、『物語思考』を読んだ方の中には、
「結局、『人事を尽くして天命を待つ』という、千年前から言われてることが書いてあるだけじゃん」
と思う方もいるかもですが、
「人事を尽くした」と自分で思い込んでいるだけで、第三者から見たら、優先順位の低いことばかりやって、優先順位の高いことを見落としていて、人事を尽くしたと思い込んでいるだけということはないでしょうか?
そういう見落としをなくすために必要になってくるのが、「具体的に、どういう手順でやれば、適切に人事を尽くせるのか?」という「手順書」や「チェックリスト」です。
この『物語思考』は、効果的に人事を尽くすための手順書/チェックリストにもなっているところが、僕的にはポイントが高いところでした。

最後に、この本の著者と編集者の方にとって大変不都合な情報をバラします
実はこの本、買わなくても全部読めます。
なぜなら、めちゃくちゃ読みやすいので、立ち読みだけで、最後まで読めちゃうからです。

実はこれ、僕にとっては、すごく重要なことです。
本を買っても、積読になってしまうことが多いからです。
積読になってしまう「大量に内容の詰め込まれた本」より、内容が少なくとも、「立ち読みだけでサクッと読めて、すぐに実践できる本」の方が、僕の人生に対する貢献度が大きいことは、僕の人生では、よくあることなのです。

この記事の作者(ふろむだ)のツイッターはこちら



※この記事は、文章力クラブのみなさんにレビューしていただき、ご指摘・改良案・アイデア等を取り込んで書かれたものです。


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