【これだから、紙のドラフトはやめられない~『ドラキチ Crazy Draft in note place』イベントレポート】
今回、紡様にイベントレポートを寄稿していただきました。写真も併せて撮っていただきました、ありがとうございます!
https://twitter.com/tsumugu
2021年9月25日。
『イニストラード:真夜中の狩り』が発売された翌日、東京は青山のnote placeに、マジック:ザ・ギャザリング(以下:MTG)の強豪プレイヤーが集まった。
MTGの遊び方のひとつである「ドラフト」。その魅力に憑りつかれたドラフトジャンキーたちの饗宴こそが、「ドラキチ」と呼ばれるイベントである。
https://twitter.com/sousuyama/status/1438081104766926851
コロナ禍によって、紙のMTG(近年ではテーブルトップと呼ばれる)を遊ぶ機会は激減してしまった。それはドラフトも例外ではなく、現在はマジック:ザ・ギャザリング アリーナ(以下:MTGアリーナ)でプレイされることがほとんどだろう。
ともすれば、MTGアリーナからMTGを始め、テーブルトップでのMTGに触れたことがないプレイヤーも少なくないのかもしれない。
私自身、長らくテーブルトップのMTGから離れてしまっていたが、今回の『ドラキチ Crazy Draft in note place』の現場に触れることで、テーブルトップのMTGが持つ魅力を再確認することができた。
集まったプレイヤーは10年選手の古豪から、近年頭角を現してきた若手までと多彩な顔ぶれだ。
会場では配信準備が完了し、ドラフトの開始を待つばかりとなった。
やがて、席順が決まり、プレイヤーたちがパックを手に取る。
テーブルトップとデジタルにおける、ドラフトの最たる違いとは何か。それは、卓を囲んだプレイヤーが、そのまま対戦相手になることだろう。
これが意味するところは、プレイヤーが流したカードによって、そのプレイヤー自身が敗北する可能性があるということだ。こうした要素も、テーブルトップならではの醍醐味といえる。
その場で開封したパックから出てくるカードは予測することができず、プレイヤーは常に判断を迫られる。どのカードをピックすべきか、今の段階でこの色にも参入できるか否か、強力なカードは上家からのサインかどうか、考えるべきことは無数にある。
こうしてピックの風景を眺めていると、ドラフトとは、実に有機的なゲームだと実感する。
ピックの時間、プレイヤーの口数も少なく、会場にはカードの擦れる音が響く。
すべてのピックが終了すれば、構築の時間となる。知人同士であれば、互いのピックの「答え合わせ」もできるだろう。ドラフトの要であるピックについて、他者に意見を伺うことができるのは、それだけで貴重な経験値となる。
対戦では、ときに和やかに、ときに真剣に、カードの応酬が進行していく。共通していることは、彼らは一様に、MTGを全力で楽しんでいる。
ピックから構築、対戦が終われば、また次のドラフトへ。
彼らは休憩もそこそこに、再び卓を囲む。まさしくドラフトジャンキーたちの集いが、そこにあった。
一日を通して、その様子を眺めていると、MTGはコミュニケーションのゲームでもあると実感する。対戦相手との読み合いといったゲーム的側面はもちろんのこと、知人同士で集まってゲームをすること、それ自体が、MTGというゲームの面白さのひとつだといえる。
昨今は、なかなか集まることも難しいが、情勢が落ち着いてきたら、ぜひテーブルトップのMTGも体験してほしい。紙のカードで友人と遊ぶ楽しさは、そこでしか体験できない魅力がある。
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