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「シールドマシン」の映像を集めてみた

こんにちは。副偏集長の小島です。
6月のテーマは「トンネル」。今日で6月も終わってしまいますが、トンネルの記事が少ないので何か書こう!ってことでキーボードを叩いています。

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日比谷共同溝

前回の記事で、私が土木を意識したのは「日比谷共同溝でシールドマシンに出会ったから」と書きました。

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首都高中央環状品川線

日比谷共同溝の後も、首都高、小田急線地下化、外環自動車道などのトンネルを訪れ大小さまざまなシールドマシン(地下トンネルを掘る機械)に出会い、今回はそのことを書こうと思ったのですが……

改めてシールドマシンやシールドトンネルを調べたところ、WEB上にいろいろなアプローチでシールドマシン(トンネル)を紹介している映像を見つけ、私自身勉強になったので、今回はそれらをご紹介することにしました。


初歩的な「シールドマシンとは?」からはじめ、徐々に偏愛度をあげていきますね。

1.地下鉄の掘り方で学ぶシールドマシン

一般社団法人日本地下鉄協会が公開している映像です。
「シールドマシンならびにシールド工法とは何か?」を2分に凝縮しています。短いながらも必要十分。アニメで構成されているので小学生でもわかる内容だと思います。


2.マンガと実写のストーリー仕立で学ぶシールドマシン

一般社団法人札幌建設業協会が公開している映像です。
中高生に土木の理解を深めてもらうための映像なのですが、動きのあるマンガに音声が乗ることでアニメのようにテンポがよく、キャラクターにも感情移入しやすいです。
土木工事はどんな人(職種)がどういう思いで関わり、どういう手順で進めているのかわかりやすく紹介されています。

シードルマシンの紹介というより土木全般のPR映像ですが、けっこう胸が熱くなる内容だったのでご紹介しました。建築編や施工管理編もありますよ。


3.シールドトンネルはカッコいい!

大豊建設株式会社が公開している映像です。
この記事を書くにあたりシールドマシンの映像を100は見たのですが、こちらが「シールドトンネルのカッコよさ」を一番ストレートに映像化していました。
トンネルってよく映画の舞台になりますし、写真を撮る人間としても最高のロケーションだと思うのですが、PR映像としてのアプローチはまだ少ないようです。
サイトデザインもクールです。個人的にはこういう土木の広報が増えると嬉しいですし、土木ファンも増えるのではないかと思います。


ここから少しマニアックな方向に…

4.シールドマシンの組み立てをタイムラプスで1か月撮影

千代田幹線整備事業(東京都下水局)が公開している映像です。
現場が地下50mと深いためちょっとカメラが遠いのですが、まっさらな状態からシールドマシンがどのように組み立てられるのか見ることができます。
どの部品を降ろし、今どの部分を組み立てているのか図が出るのでわかりやすいです。
サイトにはシールド工法の歴史なども載っています。


5.変わり種シールドマシン

シールド工法技術協会が公開している映像です。
複数のカッターフェイス(面板)を持つシールドは、私も生で見たことありません。東京半蔵門線「清澄白河駅」や南北線「白金台駅」などは三連シールドで掘られているそうです。今度その点を考慮して駅を観察したいと思います。
なお、シールド工法技術協会のサイトでは、ふたつのシールドがトンネルを掘りながら位置を変えるH&Vシールド工法や、縦にも横にもトンネルを掘り進む球体シールド工法など、一度は見てみたい14のシールド工法が紹介されています。
普通のシールドマシンに飽きてしまった方におすすめ!


6.圧巻!おびただしい数のセグメント!

日本コンクリート工業株式会社が公開している茨城県筑西市女方にあるストックヤードの空撮映像です。
私も現場でセグメント(シールドトンネルの壁)を見たことはありますが、こんな大量のセグメントは見たことがありません。このように保管されているものなんですね。
GoogleMapでもこのヤードのすさまじさを見ることができますよ。


7.世界最大級のシールドマシン8機によって掘られた東京湾アクアライン

NPO法人科学映像館が公開している動画です。
1997年12月に開通した東京湾アクアラインは調査に約20年、建設に約10年。東京湾海底の高水圧、超軟弱地盤の条件下で掘り進める難工事で、当時最新技術や新しい工法が多く投入されたことから「土木のアポロ計画」とも呼ばれたそうです。
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海ほたるのオブジェ

海ほたるに行くと、14.14mという非常に巨大なシールドマシンのカッターフェースを模したオブジェを見ることができますが、東京湾アクアラインのトンネル部分は、この大きなカッターフェイスを持つシールドマシン(当時世界最大級)を8機使って掘られました。
この映像はその工事がどのように行われたのか18分にまとめられています。
東西双方から掘り進めたシールドマシンが海底深くの地中でピタリと結合し一体となる様は「愛」すら感じます。シールドマシン、工事に携わった方々すべての愛の結晶が「東京湾アクアライン」なのです!

そうそう、見学家としてひとつ付け加えておくと、海ほたるではアクアラインの避難通路などを見学するインフラツーリズム「東京湾アクアライン裏側探検」を開催しています。平日のみのプログラムとなりますが、アクアラインに興味がある方は是非参加してみてください。
映画『シン・ゴジラ』にも出てきた避難通路も見学できますよ。


8.世界最大泥土圧シールドマシンのトンネル貫通

日立造船(株)が手掛けた「 直径17.45mの世界最大の泥土圧シールドマシン Bertha(バーサ)」がアメリカ・ワシントン州シアトル市の市街地直下2.8kmを貫通した瞬間の映像です。
日本では貫通シーンを記録して公開している映像はあまり見かけません。こういう映像はいい広報ツールになるので、日本でも積極的に記録・公開して欲しいところです。
なお、トンネル貫通後解体されるBerthaの映像もありました。


とまぁ、今回はいろいろなシールドマシン映像を集めてみました。
集めておいてなんですが、いっぺんに見るのは時間もかかるのでつらいと思います(^^;
リストにまとめたので気が向いた時にご覧になってください。ここに載せていない動画もいくつか入れていますし、今後も増やすかもしれません。

そうそう、トンネルを掘り終えたあとのシールドマシンですが…

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首都圏外郭放水路(第五立坑からの取水トンネル)

一般的には、使えるものは取り外し、外側の殻だけ残して解体されます。そして、殻はその場に埋められトンネルの一部となるのです。

頑張ってトンネルを掘ったシールドマシンの最後は少し悲しく… しかし、インフラとしていつまでも私たちの生活を支えてくれる愛しいヤツです。

文責・写真:小島健一  from DOBOKU副偏集長
最近はまっているのは麻婆豆腐作り。強いシビレと旨味の両立が課題。
見学会を再開している施設や現場も増えてきたので、そろそろリブートしていろいろ見学しに行きたいです。
今一番見たいシールドトンネルは「リニア新幹線」のトンネル