【軒】
軒下で雨宿りをしている君を見付けた日から僕達の物語は始まった。
じっと雨空を見上げる君は独特の雰囲気をまとっていた。
「ねえ」
声をかけるとゆっくりと顔があがる。
黒曜石みたいな双眸が僕をとらえた。
「僕も雨宿りしてもいいかな」
少し間があいて君はコクリと首を縦にふった。

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